- 刊行のことば
- まえがき
- T 基礎概念・用語
- 1 インフラストラクチャー
- 2 クロスオーバー型社会構造
- 3 コミュニケーション
- 4 コンピュータ・サイエンス
- 5 パラダイム
- 6 メディア
- 7 モデル化
- 8 リテラシー
- 9 学習観
- 10 教育科学
- 11 教育工学
- 12 自己教育力
- 13 情報
- 14 情報の統合
- 15 情報科学
- 16 情報活用能力
- 17 情報機器
- 18 情報技術
- 19 情報教育
- 20 情報教育の研究方法
- 21 情報工学
- 22 情報社会
- 23 情報通信
- 24 情報的世界観
- 25 認知科学
- U 教育課程と情報活用能力
- 1 映像リテラシー
- 2 映像操作
- 3 情報の活用
- 4 情報活用能力の諸相
- 5 表現・コミュニケーション能力
- 6 カリキュラム改革
- 7 カリキュラム開発
- 8 カリキュラム管理
- 9 クロスカリキュラム
- 10 音楽教育と情報教育
- 11 外国語教育と情報教育
- 12 学習指導要領
- 13 環境教育と情報教育
- 14 技術教育と情報教育
- 15 教科と情報活用能力
- 16 国語教育と情報教育
- 17 国際理解教育
- 18 算数教育と情報教育
- 19 社会科教育と情報教育
- 20 社会福祉問題と情報活用
- 21 情報基礎
- 22 情報教育の体系
- 23 数学教育と情報教育
- 24 生活科と情報教育
- 25 総合的な学習
- 26 総合的な学習と情報教育
- 27 単元学習と情報教育
- 28 道徳教育と情報教育
- 29 特殊教育諸学校での情報教育
- 30 発達段階と情報教育
- 31 美術教育と情報教育
- 32 保健体育教育と情報教育
- 33 養護教育と情報教育
- 34 理科教育と情報教育
- V 学習指導と学習理論
- 1 ATI(適性処遇交互作用)
- 2 アルゴリズム思考
- 3 イメージ思考
- 4 スキーマ
- 5 パッケージ系教材
- 6 プログラム学習
- 7 プロジェクト法
- 8 メタ認知
- 9 メディア・ミックス
- 10 メンタルモデル
- 11 有意味受容学習
- 12 映像メディア
- 13 課題解決学習
- 14 課題研究
- 15 学校放送
- 16 学習スタイル
- 17 学習の情報処理モデル
- 18 学習者モデル
- 19 学習者特性
- 20 学習制御
- 21 学習方略
- 22 学習理論
- 23 完全習得学習
- 24 教材構造
- 25 教授学習理論
- 26 個別学習
- 27 交流学習
- 28 構成主義
- 29 行動主義
- 30 指導スタイル
- 31 視聴覚教育
- 32 主体的学習
- 33 授業設計
- 34 授業評価
- 35 状況的学習
- 36 人間の記憶
- 37 人間の知識
- 38 素朴理論
- 39 探索学習
- 40 直接体験と間接体験
- 41 道具的コミュニケーション
- 42 認知的特性
- 43 発見学習
- 44 発達の最近接領域説
- 45 非言語行動
- 46 問題解決能力
- W 情報手段の活用
- 1 CAI
- 2 インテリジェントスクール
- 3 エデュテイメント
- 4 オープンスペース
- 5 ゲーム(ゲーミング)
- 6 コンピュータ・ルーム
- 7 ツールソフト
- 8 ティームティーチング
- 9 マイクロワールド
- 10 衛星通信の教育利用
- 11 遠隔教育
- 12 学校図書館の活用
- 13 学習ラボラトリ
- 14 学習資料センター
- 15 協調学習環境
- 16 教育の情報化
- 17 教育情報データベース
- 18 校務のためのコンピュータ活用
- 19 障害児・者と情報技術
- 20 情報環境と学習
- 21 情報機器の道具的利用
- 22 情報教育の指導体制
- 23 情報手段の活用
- 24 知的ツール
- 25 統合型ソフト
- 26 問題解決とコンピュータ
- X 情報の科学的理解
- 1 アルゴリズム化
- 2 イメージ情報
- 3 オートマトン
- 4 オブジェクト指向
- 5 オペレーションズ・リサーチ
- 6 ゲーム理論
- 7 コミュニケーションと情報技術
- 8 コンピュータグラフィックス
- 9 サイバネティックス
- 10 システム設計
- 11 システム理論
- 12 シミュレーション
- 13 データの表現
- 14 データ構造
- 15 データ通信
- 16 ニューメディア
- 17 バーチャル世界と現実世界
- 18 パターン認識
- 19 ヒューマン・インターフェース
- 20 ファイル編成
- 21 ファジイ論理
- 22 フィードバック制御
- 23 プログラム理論
- 24 プロダクションシステム
- 25 意味ネットワーク
- 26 音声情報処理
- 27 画像処理
- 28 学習するコンピュータ
- 29 記号論理学
- 30 決定理論
- 31 言語情報処理
- 32 言語理論
- 33 事実と解釈
- 34 情報の科学的理解
- 35 情報の記録
- 36 情報モデル
- 37 情報源
- 38 情報処理
- 39 情報伝達
- 40 情報表現(情報構造)
- 41 情報表示
- 42 情報量
- 43 信号処理
- 44 人間工学
- 45 人口知能
- 46 図形情報
- 47 推論
- 48 生体情報
- 49 待ち行列理論
- 50 探索
- 51 知識ベース
- 52 知識工学
- 53 知識産業
- 54 通信システム
- 55 符号理論
- 56 分散システム
- 57 分析的アプローチ
- 58 文字情報
- 59 未来予測とモデル化
- 60 問題解決の技法
- Y 情報技術の理解と応用
- 1 LAN
- 2 LOGO
- 3 MIDI
- 4 WWW
- 5 アプリケーション・ソフトウェア
- 6 インターネット
- 7 インターネットの仕組み
- 8 インターフェイス
- 9 イントラネット
- 10 エキスパート・システム
- 11 オペレーティング・システム
- 12 キーボード操作
- 13 コンピュータの仕組み
- 14 コンピュータの歴史
- 15 サーバー・クライアント・モデル
- 16 ソフトウェア工学
- 17 タートル・グラフィック
- 18 ディジタルカメラ
- 19 ディジタル制御
- 20 データベース
- 21 テレビ電話システム・テレビ会議システム
- 22 ネチケット
- 23 インターネット利用の共同学習
- 24 パーソナルコンピュータ
- 25 ハイパーメディア
- 26 ビデオカメラ
- 27 ファイル操作
- 28 ブラウザ
- 29 プログラミング教育
- 30 プログラミング言語
- 31 プログラミング方法論
- 32 プログラム
- 33 ホームページ
- 34 マルチメディア
- 35 メーリングリスト
- 36 メディアの特性
- 37 モデリング
- 38 ワークステーション
- 39 位置入力装置
- 40 印刷装置
- 41 画像コミュニケーション
- 42 画像圧縮技術
- 43 画像入力装置
- 44 画面操作
- 45 機器の操作研修
- 46 記憶装置
- 47 計測技術
- 48 検索エンジン
- 49 順序回路
- 50 処理装置
- 51 情報機器の機能と分類
- 52 情報技術と産業
- 53 情報技術と生活
- 54 情報検索システム
- 55 制御システム
- 56 知的指導システム
- 57 通信機器
- 58 電子メール
- 59 入出力装置
- 60 補助記憶装置
- 61 論理回路
- Z 情報社会への参画と国策と海外事業
- 1 アジアの情報教育
- 2 アメリカの情報教育
- 3 イギリスの情報教育
- 4 ドイツの情報教育
- 5 コンピュータセキュリティ
- 6 コンピュータの整備計画
- 7 コンピュータ依存の社会
- 8 テクノストレス
- 9 プライバシー保護
- 10 マスメディア
- 11 義務教育と情報教育
- 12 教育課程審議会と情報教育
- 13 教育工学関連学協会連合
- 14 教員研修
- 15 研究開発学校
- 16 研究指定校
- 17 高等学校段階の情報教育
- 18 高齢化社会と情報化
- 19 国際化と情報化
- 20 社会システム
- 21 小学校段階の情報教育
- 22 少子社会と情報化
- 23 情報の社会的機能
- 24 情報モラル
- 25 情報化の光と影
- 26 情報化推進コーディネータ
- 27 情報化対応の政策
- 28 情報関連施設・設備の整備
- 29 情報教育と教師教育
- 30 情報教育関連団体
- 31 情報資源
- 32 情報社会に参画する態度
- 33 情報処理教育
- 34 情報操作
- 35 新しい学校
- 36 新しい学力観
- 37 生きる力
- 38 生涯教育
- 39 生涯学習と情報教育
- 40 知的所有権
- 41 地球環境と情報化
- 42 中央教育審議会
- 43 臨時教育審議会
まえがき
わが国の情報教育は,小学校から高等学校まで,さらには大学教育における基礎として,すべての国民に求められる素養と考えられる情勢になってきました.情報に関する教育が,広く国民の基礎的素養として議論され始めたのは1985年頃ですから,それから15年以上が経過しています.この間に当初はコンピュータ等の教育活用だったのが,臨時教育審議会の答申をきっかけとして情報活用能力(情報リテラシー)の育成,前回の学習指導要領では中学校の技術・家庭科での「情報基礎」の導入,そして今回の学習指導要領での高等学校の教科「情報」の新設へと進展して,小学校から大学までの一貫した情報教育が可能になってきました.まったく新しい教科が設けられるということはきわめて異例のことであり,現在の社会情勢がそれを可能にしたのでしょう.従来,コンピュータやインターネットの活用は,一部の先取の気質に富む人々によって推進されてきましたが,小学校や中学校,さらには必修科目としての高等学校の教科「情報」にみられるように,すべての国民が素養として備えなければならない知識,技術さらには倫理観や価値観となってきています.このような事態に対応するためには,教師にとっても児童生徒にとっても最低限の知識理解はなにかということになりますが,この用語集がその問に答えるものと期待します.
社会の情報化はさまざまな問題を解決していると同時に,新しい問題を引き起こしていくものです.とくに教育という視点からみたときに,一つの解決策がさらに他の問題をもたらすということも稀ではありません.過熱した受験競争を緩和することを意図して設けられた「ゆとりの時間」や授業時間の削減が,最近では学力低下の元凶として批判されているのはその例です.情報活用能力の育成にもっとも期待されている「総合的な学習の時間」も,同じ運命をたどらないとも限りません.さらに数学の教育が数学嫌いを生み,理科の教育が理科嫌いを生み出していると批判されていると同じように,情報が教科として教えられるようになると情報嫌いを生み出す危険もあります.このような負の効果を防ぐためには,情報を活用することについてのさまざまな能力,情報についての科学技術の知識理解,そして情報社会に積極的に参画していく態度などについて,最低限に求められることをしっかりと理解することが重要です.さらにそのような目標を達成することは,教師が教えることによって実現するのではなく,児童生徒が主体的に問題に取り組んでいくことによって解決されることを認識する必要があります.
用語の解説としては1ページと短いものではありますが,それぞれの項目をその分野で活躍されている方々にお願いしましたので,内容としてはきわめて充実しております.今後,情報教育についてのさまざまな事典あるいは参考書が出版されるでしょうが,この用語集に選ばれた用語が今後とも重要な基礎的素養と考えられるものと信じております.この用語集が企画されて3年以上が経過してしまいました.用語選定にかなり慎重を期したことと,執筆者がみな超多忙であることなどが重なってこのように遅れましたが,このような遅滞はまったく編集代表者の非力によるものです.しかし,情報教育関連の用語集として編纂するにあたって非常に多くの方々に参加していただいたことは,この分野がさまざまな領域を含んでいるだけに,今後の発展の礎石となればと念じております.編集代表者として用語選定にあたっていただいた方々,さらに編集に参加していただいた方,そしてなによりも執筆者に感謝と敬意を表すると共に,この用語集が広く活用され情報教育が健全に発展することを祈念しております.
編集代表者 /西之園 晴夫
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