- まえがき
- 1 理科の新教科課程
- (1) 理科実践研究の視点
- @ “豊かな人間性・社会性”の育成にどうかかわるか
- A 日本人としての自覚と理科教育
- B 自ら学び,自ら考える力の育成にどうかかわるか
- C 基礎・基本の定着の育成にどうかかわるか
- D 個性を生かす教育の育成にどうかかわるか
- (2) 理科教育のパラダイム変換
- @ 自然観
- A 科学観
- B 科学の社会観,人々の自然観
- C 児童・生徒観
- D カリキュラム観
- E 指導観
- F 内容の系統
- G 学習過程
- H 家庭と社会との連携
- I 入学者選抜の方法
- (3) 「生きる力」を育てる新しい「授業モデル」
- @ 新しい教育理念
- A 新しい教材解釈観
- B 新しい授業観
- C 新しい内容の選択と配列
- D 新しい学習計画と進行
- E 新しいメディアの活用
- F 新しい授業タイプ
- G 新しい問題解決
- H 新しい授業のポイント
- I 新しい評価と支援
- (4) 問題解決の授業
- @ 「総合的な活動の時間」に取り入れたい昭和20年代の問題解決
- ア 能力目標
- イ 態度目標
- ウ 問題解決の過程
- エ 理解目標
- オ プロジェクト的な問題解決
- A 理科の問題解決
- ア 話し合いと学習意欲
- イ 実験と思考
- ウ 話し合いとまとめの表現
- エ 発展と学習意欲
- オ 話し合いと思考・判断
- カ 検証実験と考察,吟味
- キ 探究の問題解決
- (5) 地域人材の支援とポスターセッション
- @ 学校外の社会人の活用
- A ポスターセッションによる授業
- B 実践事例「江戸川周辺の生き物」
- ア 単元のねらい
- イ 単元の展開
- ウ 本時の目標と展開
- 2 情報教育
- (1) コミュニケーションのモデル
- @ シャノン,ウェーバーのモデル
- A ホブランドのモデル
- (2) コンピュータ教育
- @ 社会の変化に対応した情報リテラシー
- A 学校におけるコンピュータの役割
- B 教育用ソフトウェア
- C 理科実験の支援用のソフト
- 3 環境教育
- (1) 環境教育の目標
- @ 環境から学ぶ教育
- A 環境について学ぶ教育
- B 環境のために学ぶ教育
- C 総合的な環境教育
- (2) 環境教育の内容
- @ 水
- ア 水の特性と分布
- イ 水の汚染
- ウ 水の汚染指標
- エ 汚染物質
- オ 水の浄化作用と水汚染対策
- A 廃棄物
- ア 人口増加と廃棄物・公衆衛生
- イ 廃棄物対策
- B 持続可能な未来に向けて
- ア 環境基本法
- イ 環境指数と行動
- 4 国際化の教育
- (1) 物質とエネルギーの社会
- @ 日本と海外諸国の相互依存
- A 戦後日本の成長
- B エネルギーと文化
- (2) 等質社会から異質社会へ
- (3) 変化の社会
- (4) 国際化の社会
- (5) 世界の危機と教育
- (6) 国際化の教育
- 5 理科の学力とその形成要因の分析
- (1) 先行研究
- (2) 理科内容の履修率と教育到達度の関係
- (3) 内容領域別・目標別学力到達度分析
- (4) 「理論的思考力」と「科学の過程能力」の分析
- (5) 教育到達度の学力の伸び
- (6) 次元理論に基づく教材研究と自然認識
- (7) 日本の児童生徒の到達度の低い教育内容
- (8) 態度に関する分析
- (9) 児童生徒の到達度と教育的要因の関係
- (10) 学力の形成と教師の要因
- 6 21世紀カリキュラム開発のビジョン
- (1) 21世紀の理科教育政策
- @ 人間の本質から考える教育政策
- A 社会の変化に対応した教育政策
- ア 日本の科学技術政策の大転換
- イ 科学技術教育政策の質的変革
- ウ 新しい時代の理科教育目標
- (2) 21世紀の「科学・技術」カリキュラム案
- @ カリキュラム開発の基盤
- ア 日本の科学技術政策
- イ 科学技術の社会的・教育的環境の構築
- ウ 新しい時代の要請にこたえる文教政策と教育課程の研究
- A 科学・技術系カリキュラム開発の条件分析
- ア 教育制度の検討
- イ 自然,社会,文化の検討
- ウ 教育の伝統と思想の検討
- エ 学術の性格と内容の検討
- オ 比較教育および歴史的なカリキュラム開発資料の収集と検討
- (ア)アメリカの理科教育基準
- (イ)イギリスの理科教育基準
- B 科学・技術カリキュラムの開発研究
- ア 教育目標と内容の構造の検討
- イ 学習者の成長と発達の検討
- ウ 科学・技術カリキュラムの開発研究の構造
- エ 教科課程の実施評価の検討
- C 小学校「科学・技術」カリキュラム開発
- ア 小学校「科学・技術」カリキュラムの構造
- イ 小学校「科学・技術」の目標と内容の研究
- ウ 「科学・技術」に関する「総合的な学習の時間」と他教科等との関連の研究
- D 中学校「科学・技術」カリキュラム開発
- ア 中学校「科学・技術」カリキュラムの構造
- イ 中学校「科学・技術」の目標と内容の研究
- ウ 中学校選択科目「科学」カリキュラムの開発に関する研究
- E 高等学校「科学・技術」カリキュラム開発
- ア 高等学校「科学・技術」カリキュラムの構造
- イ 高等学校「科学・技術」の目標と内容の研究
- ウ 高等学校の選択科目「サイエンス」「テクノロジー」カリキュラムの開発に関する研究
- エ 新教科「科学・技術」に関する教育のための設備の研究
- あとがき
まえがき
子供たちは,家庭,学校,地域社会のなかで,学習や遊びを通して,自我を形成し,自らの個性や知識・技能・態度を身につけ,自己を伸長・開花させながら発達を遂げていく。
教師は,子供たちに良い教育環境を構成して,子供たちの発達の状況を踏まえて,計画的に,継続的に支援を行って,子供たちの発達を促すという専門的な知性や技術,資質をもっているが,子供の環境は非常に厳しい。
子供の現状をみると,知識を詰め込む学習が多く,時間的にゆとりをもって学習できず,自ら問題をとらえ,自ら調べ,考え判断し,自分なりの見方や考え方をもち,それを表現する力が十分育っていないこと,一つの正答を求めることはできても多角的なものの見方や考え方が十分でないことなどの状況が指摘されている。また,いじめや青少年の非行など憂慮すべき状況,子供たちの倫理観や社会性の不足,自然を愛したり,美しいものに感動する心,他人への思いやりの心が低下しているなどの状況がみられる。
また,生涯を通して必要とされる基礎的・基本的な知識・技術・態度を確実に身につけたり,自然,社会,文化,人など様々な対象とのかかわりを通して,自分の個性を発揮し,自立して生活し,学習する素地が十分に育っていないという状況が指摘されている。
さらに,我が国は,今日,科学技術の進展,情報化,国際化の浸透,環境問題への関心の高まり,高齢化の社会など,社会の様々な面で変化が急速に進んでおり,子供たちの教育環境や意識に大きな影響をもたらしている。
このような現状を踏まえ,教師は,どのような教育理念をもって生きればよいか,どのような課題に対応していけばよいのか,新しい学習指導要領は何をねらっているのか,時代を超えて変わらない価値ある教育とは何か,社会の変化に柔軟に対応し得るカリキュラムとは何か,自ら学び,自ら考える力を育てる授業とは,どんな授業で,どのようにパラダイムを変換して対応すればよいか,個性を育てる教育をどのようにして実践するか,特色ある教育づくりをどうするか,情報教育,環境教育,国際化の教育などを含む新しい「総合的な学習」をどのように創り出していくか,21世紀に生きる子供たちへの長期的なカリキュラム開発のビジョンとは何かなどについて,本書は焦点をあて論述した。
本書の出版にあたり,永年,教育について語り合い,共に歩んできた明治図書の江部満さんと,樋口雅子さんに,格別のお礼を申し上げたい。ご両人のお世話がなければ,全国的な教育の盛り上がりと革新は無かっただろうと思う。感謝の念でいっぱいである。また,原稿の整理やタイプ打ちに伊藤由美子さんにお世話になった。お礼を申し上げたい。
1999年2月 /武村 重和
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明治図書















