小学校のボランティア活動への道

投票受付中

新学習指導要領総則でも重視されているボランティア活動を,家庭や地域と結んで小学校でどのように展開するか。多彩な計画・実践例16例を掲載。


復刊時予価: 2,618円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-020915-2
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 168頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 小学校のボランティア活動
1 ボランティア活動の意味
2 ボランティア活動の教育的意義
3 ボランティア活動の種類
4 ボランティア活動と学校教育
5 ボランティア活動と総合的な学習の時間
6 ボランティア活動と学校・家庭・地域社会との連携
7 ボランティア活動の実施上の配慮事項
第2章 ボランティア活動,ボランティア体験活動の事例
1 保育園との交流〜1年 生活科〜
2 老人ホ―ムとの交流〜全学年,特に1・2年〜
3 老人ホ―ムとの交流〜全学年,特に5・6年,ボランティア委員会〜
4 ボランティアについて考えたい〜子どもの願いから始まる活動を〜
5 子どもの願いから広がるボランティア活動〜目の不自由な人との交流〜
6 障害のある人との交流
7 心さわやか親子で協力地域清掃
8 地域の清掃〜縦割り地域班〜
9 わくわくクラブ〜地域のボランティアによるクラブ活動〜
10 ボランティア活動を全校で〜ボランティア活動普及事業協力校〜
11 アジア諸国の人々との交流
12 青少年赤十字活動 (Junior Red Cross)の実践
13 家庭・地域との連携によるボランティア活動〜地域づくりの拠点,田面木さわやか会議〜
14 ボランティア活動の学習〜手話とガイドヘルプ〜
15 縦割り班による異学年交流
16 廃油から石けん作り〜家庭・地域社会と連携して行うボランティア〜
第3章 資  料
1 文部省関係の資料より
(1) 「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」 (中央教育審議会第一次答申)
(2) 「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」 (中央教育審議会第二次答申)
(3) 「幼児期からの心の教育の在り方について」の中間報告 「新しい時代を拓く心を育てるために」―次世代を育てる心を失う危機― (中央教育審議会)
(4) 「幼稚園,小学校,中学校,高等学校,盲学校,聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について」 (教育課程審議会答申)
(5) 「幼稚園教育要領及び小学校,中学校学習指導要領」
2 東京都教育委員会の資料より
○「指導資料集」―「東京の教育21」研究開発委員会―
3 東京都社会福祉協議会,東京ボランティア・センタ―の資料より
○「児童・生徒のボランティア活動普及事業」―関係資料集―
4 先進校(東京都渋谷区立広尾小学校)の資料より
○「ともに学びともに生きる子どもの育成」
○生活科と総合的な学習による福祉学習の創造」
参考文献
おわりに

はじめに

 ボランティア活動への興味・関心が高まってきている。物質への執着から心の交流への生き方の質的な転換を反映していると思う。私の住む地域に「緑の会」があって,川の堤の桜を守ったり,菜の花とコスモスの花を咲かせたり,草を取ったりする活動をしている。もちろん,私もその一員である。高齢者も若い人も集まってくる。集まれば顔見知りになり,挨拶したり話したりするようになる。花が見事にきれいに咲くと心が満たされたように感じる。堤を歩く人たちの「きれいな花ね」という声が私の心を和ませてくれる。このような体験を多くの人たちが望んでいるのではないだろうか。

 教育課程審議会の答申の中に,「ボランティア活動は,地域社会の一員であることを自覚し,互いが支え合う社会の仕組みを考える上で意義のあること」「単に社会に貢献するということだけでなく,自分自身を高めるためにも必要なことであり,大切なことである」と述べている。新学習指導要領の総則でもボランティア活動を重視しているように,ボランティア活動は共生を軸に心の教育や学校・家庭・地域社会の活性化などにきわめて意義のある活動である。

 学校・家庭・社会の人々,そして世界の人々も,ボランティア活動を通して他の人々との心の交流を深め,共に生きていく喜びを求めている。人は変化の激しい社会の中に生きていく知恵として,「共生の時代」「福祉の時代」の実現を求めているのである。「生きる力」の育成の中には,交流体験を通して他の人と共に学び,共に生きる喜びの育成を外すわけにはいかない。まさに,我々は相互に助け合い支え合う「人」であり,「人間」であることの原点を見つめるようになってきた。この本が,ボランティア活動の一助になれば幸いである。


  1999年 3月   /菊地 英

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ