- は じ め に
- T 介護等体験の目的
- 1 介護体験等の趣旨
- 2 介護体験等の内容
- U 介護等体験の実施にあたっての準備と心構え
- 1 何を学習すればよいか
- (1) 知 識
- (2) 技 術
- (3) 介護者の態度と心構え−頼りになる介護者となること
- V 障害(児)者および高齢者についての理解
- 1 高齢者の特徴
- (1) 高齢者の現状
- (2) 老化によるからだの変化
- (3) 高齢者の心理・社会的特徴
- (4) 高齢者の病気の特徴
- (5) 高齢者の寝たきり状態
- (6) 高齢者の痴呆
- 2 障害をもっている人々
- (1) 障害者とは
- (2) 障害者介護の基礎知識
- W 介護等体験実施施設の概要
- 1 福祉等施設
- (1) 高齢者に関する施設
- (2) 身体障害者に関する施設
- (3) 知的障害者・精神障害者に関する施設
- (4) 生活保護,社会福祉事業に関する施設
- (5) 子どもに関する福祉・障害児施設
- 2 盲・聾・養護学校 (特殊教育諸学校)
- (1) 盲学校
- (2) 聾学校
- (3) 養護学校
- X 介護の基本
- 1 介護するときの身支度と健康管理
- 2 観察のしかたと記録の方法
- 3 障害者や高齢者に接するときの心構え
- 4 身の回りの介護
- (1) 施設で生活する人々の環境の整備
- (2) 楽な姿勢と体位,からだの動かしかた
- (3) 食事の介助
- (4) 排泄の介護
- (5) 身体の清潔
- (6) 衣類・ねまきの交換
- (7) 褥創の予防とマッサージ
- (8) 睡眠の介助
- (9) 日々の生活にリズムをもたせる介護
- 5 報告・連絡・相談の重要性
- 6 事故防止と感染予防
- Y 受け入れてくださる施設の方々への配慮
- (1) 人権尊重と秘密の保持
- (2) 施設への挨拶とお礼の手紙
- むすびにかえて
- 参考文献
はじめに
わが国では平成12年から介護保険制度が導入され,福祉国家としてさまざまな制度が本格的に動き出します。それに先立ち,小学校及び中学校の教諭の普通免許状を取得しようとする大学・短期大学(指定教員養成機関も含む)の学生に,個人の尊厳や社会連帯の意識を高めることをねらいとして介護等体験が義務づけられました。
学生が,実際に介護等の体験をとおして,障害をもちながら懸命に生きている人々とふれあい,人の心の微妙な変化,言葉以外の表現のしかた,相手に寄り添い,相手に合わせて行動をすることの大切さなどを学びます。それにより,人の心の痛みに対して共感でき,個人の能力と価値観を認知し,相手の立場に立って行動できる能力を育成したいとの趣旨から,このたび,「介護等体験特例法」,正式には「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律」が制定されました。この法律を受けて介護等体験の制度が平成10年4月1日から実施されています。
この制度により,教員免許状の授与申請を行う際に介護等体験の証明書を添付することが義務づけられましたので,具体的には18歳に達した日から教員免許状の授与申請の前の日までに原則として7日間の介護等体験が必要となります。
制度が動き出して間もないこの時期,学生の皆さんはもとより関係者の方々のとまどいと不安を少しでも解消するために,介護等体験の実施前の事前学習方法,実施中の心構え及びマナー,実施後のまとめ方などを分かりやすく具体的に述べてあります。本書を十分に活用されて介護等体験が充実したものとなるよう期待しています。
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