- まえがき
- T 新教育課程における総合の位置
- 一 新教育課程の構造
- ニ 「特色ある学校づくり」がねらい
- 三 総合的学習もネタで決まる――愛知県碧南市立新川小学校(鎌谷祥行の授業)
- 四 教材を見る目(センス)を鍛える
- 1 求められている教材開発力
- 2 教材開発は面白い
- 3 教材の見える目をつくる
- 五 教師に期待されるパワー
- 1 子どもをきっちり把握する技術
- 2 うまい授業のできる技術
- 3 教材開発力のある教師
- 4 パワーのある教師への道
- U 教材開発の具体的な方法
- 一 どんな教材が開発されているか
- 1 福祉・健康に関する教材開発
- 2 環境に関する教材開発
- 二 地域の特色を掘りおこし単元化をはかる
- 1 地域の特色を掘りおこす
- 2 単元化をはかるには
- 三 「山」や「川」もよい教材になる
- 1 「山」とは何だろう?
- 2 「川」とは何だろう?
- 四 日本独特の「梅干」や「つけもの」もよい教材になる
- 1 内容と方法は表裏一体
- 2 梅干から保存食の研究へ
- 3 つけものをつくっておしんこ巻きパーティーをしよう
- 五 「旬ネタ」開発力をつける方法
- 1 求められる教材開発力
- 2 教材開発三つの条件
- 3 富士山の教材化
- 六 年末年始の行事や雑煮を教材化する
- 1 地域の行事やならわしを調べよう
- 2 「鬼火」のならわし
- 3 日本各地の雑煮の傾向
- 七 健康とは自分の努力で築き上げるもの
- 1 健康は自分で築くもの
- 2 「健康寿命」と「はてな?」
- 3 「健康とは何か」の授業
- 八 近隣諸国・朝鮮――国際理解で取り上げるなら店ここだ点
- 1 「おんどる」で日本との違いを
- 2 キムチの味の違いから
- 3 家への願いは同じ?
- 九 「沖縄のよさ」を教材化する
- 1 退官記念の授業
- 2 授業の展開
- 3 指導案
- 十 「奄美大島の特色」を教材化する
- 1 奄美大島を教材化する
- 2 資料の選定
- 3 授業の流れ
- 4 指導案
- V トイレから世界が見える
- 一 単元を作るまで
- 1 化粧からトイレの追究へ
- 2 どんな動きをしたか
- 3 「くさい、くさい」授業
- 4 「くさい、くさい授業」の反響
- 5 単元の展開計画
- 6 授業はスイカだ――何で切り込むか
- 7 こんなことも行われている
- 二 授業の展開とその内容
- 1 「うんこをしてきた人?」
- 2 何でふいていたか?
- 3 外国のふくものは?
- 4 和・洋どちらの便器がいいか?
- 5 トイレのない家があるか?
- 6 便器の向きはどちら向き?
- 7 快適になるトイレ
- 8 水洗便所は大昔の日本にあった?
- 三 トイレの歴史
- 1 日本のトイレの歴史
- 2 日本の公衆便所
- 3 ヨーロッパのトイレの歴史
- 4 トイレの重要文化財
- 5 大名行列中のトイレは?
- 6 中国のトイレ
- 7 江戸時代のトイレ
- 四 二一世紀のトイレはどうなる?
- 1 二一世紀のトイレ
- 2 うんこ・おしっこの利用法
- 五 子どもたちの感想
- 1 子どもたちの感想文
- 2 指導案
- 六 あくなき追究
- 1 食べなければ生きていけない
- 2 排泄しなければ生きていけない
- 3 うんこが出るまで
- 4 うんこで健康チェック
- 5 うんこの見分け方
- 6 おしっこの出ないときは症状が重い
- W 総合的学習で育てる能力
- 一 面白くなければ授業ではない
- 1 「指導する」とは?
- 2 授業は一種のゲームだ!
- ニ 四つの面白さを体得すること
- 1 総合的学習の面白さとは?
- 2 新しい世界が見える面白さ
- 3 調べ方を工夫できる面白さ
- 4 どこまでも追究することのできる面白さ
- 5 生き方を深める面白さ
- 三 の学習技能を体得させよう
- 1 学習技能の大切さ
- 2 すべての学習を通して確かな学習技能を
まえがき
総合的学習が新しく設けられて、教育界は活気づいているようにみえる。
生活科新設のときのフィーバーぶりもすごかったが、総合的学習は生活科以上の盛り上がりを見せている。
しかし、本格実施を来年にひかえた今、「総合的学習は、遊びや体験だけに終わっている」「子どもの活動を見ても、何を目的に活動しているのかわからない」「総合的学習の実施で学力崩壊・学力低下がおこるのは間違いない」「総合的学習でどんな力をつけるのか考えないで体験活動をさせているだけ」等々の批判がまきおこっている。
もちろん、「総合的学習で子どもの学習意欲・追究意欲が高まった」とか、「総合的学習こそ追究の鬼が育つ」とか、「総合的学習で興味関心をもったことから、教科の学習への意欲が高まった」などというプラス評価も出ている。
批判の原因をさぐってみると、教科書がなく、何をしてもよいため、適当に活動させているということがある。もう少しわかりやすくいえば、「総合的学習にふさわしい教材の開発がなされていないからだ」といえる。「教師が、教え方のプロではあるが、教える内容のプロではなくなってしまっている」(『学力があぶない』岩波新書、八五ページ)という指摘もなされている。
つまり、これまでの教科は、教科書があり、指導書があって、それを教えておればよかったのに、総合的学習は教えるべき教科書がなく、一人ひとりの教師が教科書をつくらなければならなくなったのである。文部科学省は、「ねらい」と「時間」のみを示して、あとは自由におやりなさいと規制緩和をしたのである。
そこで、教材開発をしなければならなくなったし、その能力が教師に強く要求されているのである。
では、どうやって教材開発力を高めていけばよいのだろうか。
教材開発をするには、「教材の見える目」をつくらねばならない。「教材になりそうだ」というものが見えなければ、開発のしようがない。
「教材が見える」ようになるにはどうしたらよいか、見えるようになったらどのようにして教材開発したらよいかといったことに応えてみたいと考えたのが本書である。そのエキスを少し書いてみると――。
第一に、「常識を疑ってみる」ということである。常識にとらわれていたのでは何も見えない。目に入ったものを「教材にならないか?」という目で見直してみることだ。「このお菓子おいしい」「桜がきれいだ」などと思ったら、「これは教材になるのではないか」と考えるくせをつけるのである。
第二に、アンテナを高く広くはりめぐらすことである。つまり、いろんなものに好奇心をもつことだ。いろいろな本や雑誌を読み、新聞を見、テレビを見ることだ。ちょっと我田引水だが『授業のネタ・教材開発』などを読むことだ。教材開発のしかたや開発した教材、指導法が書かれている。
第三に、旅行をすることである。あちこち旅行することによって、新しいものが見えるし、カルチャーショックを受ける。すると、自分の住んでいる地域を見る目が変わってくる。教材になるものが見えてくるのである。
わたしは、教材開発ほど面白いものはないと思っている。この本を読んで教材開発の面白さを味わってほしい。
最後になったが、本書は、明治図書編集部の江部満編集長のおすすめによって、いいときにまとめることができた。記してお礼を申し上げたい。ありがとうございました。
二〇〇一年三月吉日 /有田 和正
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明治図書















