社会の仕組みがわかる“追究型社会科発問”ワーク

社会の仕組みがわかる“追究型社会科発問”ワーク

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震災から地球。下水から都市。―社会の本質ドリルQ32

地震津波はなぜ起こる?地球のメカニズムを知る、地図から「主権の及ぶ範囲」が見えてくる、北極圏の開発から新しいエネルギーの開発が見えてくるといったような表層部分をえぐると深層部分が浮き上がってくるような有田目線、フィルターでQを発信して授業をつくろう。


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ISBN:
978-4-18-008826-3
ジャンル:
社会
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5横判 176頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

○本書の使い方
日本の国土の特色をつかむQ
1 東日本大震災から何が見えるか
地球のメカニズムを知るQ・解説
2 河川を生活にどう生かしているか ―多摩川を例に―
河川がいかに利用されているかを知るQ・解説
3 火山から日本の国土の特色が見えるか
国土の成り立ちの特色を知るQ・解説
安全なくらしを守る対策や事業をつかむQ
4 下水道から東京の何が見えるか
都市の進化のあり方を知るQ・解説
5 ごみの変化から何が見えるか
清掃のしくみの変化を知るQ・解説
6 海上保安官から何が見えるか
海の守りをどうしているかを知るQ・解説
都道府県の特色を考えるQ
7 県名と県庁所在地から何が見えるか
どの都道府県にも特色があることをつかむQ・解説
地球の異変をさぐるQ
8 再生可能エネルギーから何が見えるか
これから伸びるエネルギーをつかむQ・解説
9 地球環境の異変から何が見えるか
地球環境の危険性を知るQ・解説
日本の気象状況の特色をつかむQ
10 世界一の豪雪地域から何が見えるか
雪が沢山降るシステムがわかるQ・解説
11 天気予報から何が見えるか
天気予報の複雑な技術を知るQ・解説
地球環境の変化とその生かし方を知るQ
12 「もずく」から沖縄の何が見えるか
沖縄の海の美しさを知るQ・解説
13 お台場の海苔づくりから何が見えるか
東京湾は生きていることを証明するQ・解説
14 東京湾と鹿児島湾から何が見えるか
「湾」はまだまだ生きていることを知るQ・解説
目に見えない物流をさぐるQ
15 市場から「品物の流れ」が見えるか
複雑な物流の動きをつかむQ・解説
見えない国会議員の仕事内容をつかむQ
16 国会議員の仕事から何が見えるか ―その1―
国会議員の仕事から国のしくみがわかるQ・解説
17 国会議員の仕事から何が見えるか ―その2―
国のしくみの中で何をしているか知るQ・解説
18 谷沢川の堤防から何が見えるか
人々の願いの実現のしかたがわかるQ・解説
お金の動きから日本経済の動きをつかむQ
19 税金から日本の何が見えるか
日本の経済状態をさぐるQ・解説
20 お金から日本経済の何が見えるか ―その1―
日本経済の動きをつかむQ・解説
21 お金から日本経済の何が見えるか ―その2―
日本経済の変化が見えるQ・解説
多様な国のあり方をつかむQ
22 君主国と共和国から何が見えるか ―その1―
君主国と共和国の違いがわかるQ・解説
23 君主国と共和国から何が見えるか ―その2―
共和国が圧倒的に多いことがわかるQ・解説
24 地図から「主権のおよぶ範囲」が見えるか
主権はどこまでおよぶのかがわかるQ・解説
外国とのつきあい方をつかむQ
25 大使館から何が見えるか
日本の外交のあり方が見えるQ・解説
政情不安定の原因がわかるQ
26 イスラム教から何が見えるか
世界の紛争の原因がつかめてくるQ・解説
27 中東の動きから何が見えるか
世界の人々の真の願いがわかるQ・解説
28 東ティモールの独立から何が見えるか
宗教の対立の根深さがわかるQ・解説
29 環境難民から何が見えるか
世界の大問題・大難題がわかるQ・解説
地球の両極の特色を知るQ
30 南極大陸から何が見えるか
平和の源になることがわかるQ・解説
31 北極圏の開発から何が見えるか
新しいエネルギーの開発が見えるQ・解説
マスコミって何だろうかを知るQ
32 マスコミから日本の何が見えるか
日本の情報のあり方がわかるQ・解説

本書の使い方

1 本書の目的

(1) 「公民」って何だろう。辞書によれば「国や地方公共団体の政治に参加する権利と義務をもっている国民」という。

 地・歴に対して「公民」というとき,「政治・経済・社会」をさしている。私たちの生活に一番身近なものなのだ。それなのに,地・歴に比べて今一つ人気がない。面白味が足りないからだ。身近すぎてかえって見えにくいということもある。

 そこで,何とか面白く公民分野を学習する方法はないかと考え,ワークの形にしてみた。私たちの生きる現代社会の見方・考え方の基礎を養うワークを考えた。

 身近な問題から政治,経済,国際政治の問題まで,こんな形と内容のワークなら何とか学習できるのではないかと考えた。現代日本の社会に対する関心を高め,現代社会の特色を学習できるようにとりはからったのである。具体的には次のようである。


(2) イラストを見る力をつける

 本書は,地理・歴史・公民という分野の「公民」にスポットをあてて,この内容を可能な限り幅広く追究したものである。地理・歴史に比べて公民分野は「むずかしい」「面白くない」「わかりにくい」という声が多い。

 それで,できるだけ面白い内容を,面白い角度から切り込んでみた。このため,実にやりがいのある内容になっている。イラストにするのに苦労をした。

 内容の幅が広いので,4年生から中学生まで追究できるように工夫している。問題に従って解いていけば,自然にイラストを見る力がつくように考えている。


(3) 「はてな?」(問題)発見の力をつける

 イラスト(資料)を見て,子どもが自ら「はてな?」をつくってみるのもよい方法である。何しろ今の子どもの一番弱いところは,「はてな?」を発見する力であるからだ。

 また,問題をQ1,Q2というように出しているのを,調べたり,考えたりして答えていくうちに,「うん,こんな問題をつくればいいのだな」「こんなはてな?が読み取れるなあ」と,「はてな?」発見のしかたを体得できるようにしている。これが「見る力」にもなっていく。

 この力を他のものに応用していくことによって,「応用力」という基礎学力もついていくことをねらっている。


(4) 自学自習できるようになる

 1つのイラストについて,多くのQが出ているので,これを教科書,地図帳,資料集,参考書などを使って,自分で解決していけば,いつの間にか「調べる力」がついており,同時に「考える力」もついている。

 いつの間にか調べ・考えることが面白くなり,熱中していく。つまり,自分の力で調べ・考える力がついていくので,学ぶことが楽しくてたまらない。学ぶことは,遊びよりはるかに面白いのである。



2 本書の使い方

(1) 作業をしながら学習を進める

 着色や書き込みなど,作業をしながら学習を進めるように,そして,楽しめるように工夫している。内容によっては,最後に作業をするようにしているものもある。それは,ある程度内容がわかった段階でないと,作業ができない内容だからである。やりごたえのある問題である。

 着色作業のよさは,すみずみまで着色していくうちに,よく見るようになることである。細かいところまでよく見るようになる。これは,やってみた人しかわからない。

 作業しているうちに,新しい「はてな?」を発見したり,解答をみつけたりする。地図などは,描いてみることが一番力がつく。


(2) Q(問い)を順序よく解いていく

 Qには,Q1,Q2,Q3……というように順序をつけているので,これに従って解決していくうちに,「はてな?」(Q)の意味がわかってくる。「あれ,このQは面白いなあ」と思うことがあれば,よい「はてな?」をつくれる力がついてきている証拠である。

 Qをとばしたりしないで,順序よく解いていくことが大切である。考えて順序を並べているからである。


(3) できるだけ詳しく調べる

 Qは,自分の全力を出して,できるだけ詳しく調べると思わず面白い内容に出くわす。参考書や地図帳の使い方を指示しているところもある。「地図帳○ページの資料を使うとわかる」というように。

 地図帳には,うしろの方に詳しい資料が出ているのでこれをむだにしないことだ。

 資料集も実に詳しい資料が出ていて,とても参考になる。

 『日本のすがた』や『朝日ジュニア百科年鑑』なども,使いやすくて,内容が詳しい。

 時には実際に見学に行ったり,たずねたりして,できるだけ詳しく調べ,考えていくと,「面白さ」が倍増する。「面白くなった」ときは,「力がついたとき」である。

 自分の答えを出した後で,本書の解説を読むと効果が上がる。すぐ解説を読むようでは力はつかない。

 解説のページには,「基礎用語」を「左側」に書いているので,この用語を身につけるように努力してほしい。


(4) 典型的な内容を「問い(Q)」の型で入れている

 それぞれの項目ごとに典型的な内容を入れている。今までこのような角度から取り上げることがなかった内容が多いはずである。教科書などに取り上げていない新しい内容を取り上げているからである。

 例えば,「8再生可能エネルギーから何が見えるか」などは,言葉自体が新しい。わかっているようでわからない内容である。

 「18谷沢川の堤防から何が見えるか」などは,身近なところに問題があるのに,なかなか見えないことである。しかし,これを学ぶことによって,「政治の本質」が見えてくるのである。「22君主国と共和国から何が見えるか」なども,新しい見方といってもよいかもしれない。

 要するに,新しい内容(公民分野としての)を取り上げて「これは面白い」というように工夫している。


(5) 教師が問いかけながら考え・調べさせる

 イラストを配布しておいて,教師がQを順番に問いかけ,答えさせたり,調べさせたりするのである。調べ方のわからない子どもが多いので,「何で調べたらよいか」と調べる資料を考えさせたりすると,学習のしかたが身についていく。

 全部のQを問うのは,とても時間がかかるので,一時間にちょうど終わるくらいのQをいくつか選んですると,面白い授業になる。

 これは,教師の「発問づくり」の練習にもなる。

 問題とイラストを配布して,自学自習させる方法もあるが,少し慣れてからでないと,なかなか調べきれない。

 とにかく,このワークを使うことによって,子どもに,「はてな?」発見力をつけることができ,同時に「多様な調べ方や考え方」ができるようになる。

 使い方は「自由」なのだから,多様な使い方を工夫してほしいものである。

著者紹介

有田 和正(ありた かずまさ)著書を検索»

1935年 福岡県生まれ。

玉川大学文学部教育学科卒業。

福岡県の公立校,福岡教育大学附属小倉小学校,筑波大学附属小学校を経て愛知教育大学教授。

1999年3月 愛知教育大学定年退官。

現在,教材・授業開発研究所代表,東北福祉大学特任教授。

1976年より社会科・生活科教科書(教育出版)の著者。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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