思春期の心に響く 中学・高等学校長のための珠玉の式辞&講話集

思春期の心に響く 中学・高等学校長のための珠玉の式辞&講話集

近日刊行予定

いつの間にか聞き入ってしまう珠玉のお話

思春期の複雑な生徒の心にも響く、優しい言葉の式辞や講話をたくさん集めました。エピソードや名言を交えつつ、単なるお説教とは違って聞き手を強くイメージした、気持ちに寄りそうお話の数々。式辞は行事ごと、講話は目的ごとに示してあり、使い勝手抜群です。


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ISBN:
978-4-18-001523-8
ジャンル:
学校経営
刊行:
対象:
中・高
仕様:
A5判 168頁
状態:
近日刊行
出荷:
2022年1月24日
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目次

もくじの詳細表示

序章 心に響く珠玉の言葉を贈ろう
1 聞き手の想定をいい意味で裏切るエピソード
2 映像化できるほどの具体性
3 わかりやすい言葉
4 実感を込めた語り
第1章 生徒と保護者の心に響く式辞
入学式
(中学校)カーネルサンダースのように,いつでも心に希望を
(高等学校)「できると信じること」が,自分の可能性を引き出す
1学期始業式
穴を開けることしかできないけれど
あきらめないことの大切さ
PTA総会
「機縁」がなければ,どんなにいい言葉も理解されない
体育大会
全員が「優勝」にふさわしい
1学期終業式
「当たり前は当たり前ではない」と気づくこと
2学期始業式
脳をご機嫌にすれば,やる気が出る
「1分だけ」と思えば,気軽に始められる
合唱コンクール
修練と勇気,あとはゴミ
学習発表会・文化祭
本番前にいろいろな思いが渦巻いたときは
2学期終業式
失敗を潔く認めることで,人は成長する
3学期始業式
残念賞をつかみにいく
経験を組み合わせ,新しいものをつくる
立志式(中学校)
どんなに無駄に思えることも,必ずいつか役に立つ
卒業式
(中学校)卒業生に贈る2つの言葉
(高等学校)全力を尽くし,天命を待つ
修了式
脳は検索エンジン
信念することが目標達成の力になる
職員送別会
「さようなら」は,過去・現在・未来をつなげる言葉
職員歓迎会
一隅を照らすことができれば,国を照らすこともできる
第2章 生徒にやさしく寄り添う講話
100m走で「ヨーイ」が必要なように【自主・自律,自由と責任】
自分で自分にルールを守らせる【自主・自律,自由と責任】
徹底して繰り返すことの効果【節度・節制】
ご褒美をもらうのはいつがいいか【節度・節制】
ご褒美は自分で探し出すもの【向上心,個性の伸長】
腕を磨いて,時を待つ【向上心,個性の伸長】
自分に厳しくすることの効果【希望と勇気,克己と強い意志】
周囲の雑音に負けず,正しいと信じることをやり通す【希望と勇気,克己と強い意志】
額縁よりも絵を見よ【真理の探究,創造】
時には筋道立てずに考えると,発想が豊かになる【真理の探究,創造】
相手も大切,自分も大切【思いやり,感謝】
思いやりには,いろいろな形がある【思いやり,感謝】
思い立ったときが,「ありがとう」を伝えるとき【思いやり,感謝】
飾らない思いやりの気持ちが,相手の心を変える【思いやり,感謝】
苦言を呈する人に感謝を【礼儀】
見えない相手にこそ礼儀を尽くす【礼儀】
どんな状況でも,相手を先に考える崇高な友情【友情,信頼】
まわりの人に喜ばれる人になる【友情,信頼】
同じものでも,人により捉え方は異なる【相互理解,寛容】
悪いことは身から出た錆,いいことはおかげさま【相互理解,寛容】
天の蔵に徳を積む【遵法精神,徳心】
よい習慣は,ずっと続ける努力を【遵法精神,徳心】
他者に親切にするために,自分にも親切にする【公正・公平,社会正義】
独りなら正しくても【公正・公平,社会正義】
失敗しても,やらなかった後悔は残らない【社会参画,公共の精神】
まずは「イエス」と言う【社会参画,公共の精神】
もって生まれた役割を果たすのが,働くということ【勤労】
職業に貴賤を生むもの【勤労】
親の恩は海よりも深く,山よりも高い【家族愛,家庭生活の充実】
写真に込められた親子の絆【家族愛,家庭生活の充実】
自分にとっては1%でも,相手にとっては100%【よりよい学校生活,集団生活の充実】
やさしさだけでは,幸せはつかめない【よりよい学校生活,集団生活の充実】
文化や伝統を受け継ぐ【郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度】
関心をもたないものは,見えてこない【我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度】
外国とのつながりを知ることが,国際理解の第一歩【国際理解,国際貢献】
成長にとってのマイナス要因が,時には不可欠になる【生命の尊さ】
自分にはまだ3本の指がある【生命の尊さ】
みてござる【感動,畏敬の念】
素直さは強さになる【よりよく生きる喜び】
困難を乗り越えようとするとき,人生は輝く【よりよく生きる喜び】

はじめに

 私が中学生のころですから,もう50年ほど前の話になります。

 当時は毎週月曜日に朝会があり,ほぼ毎回,校長先生が何らかのお話をされていました。それは,ときには日頃の生徒の行動についての話だったり,学校行事に合わせた校長先生の思いだったり,身近な社会問題についてだったりしました。そういういろいろなお話の中で,はっきりと覚えているものがあります。それは次のようなお話です。


 ある若者が学問で身を立てようと都会へ出てきた。

 しかし,なかなか学問は成就せず,もうあきらめて家に帰ろうとした。

 家に帰る途中,小さな渓流を渡ったのだが,そこに1人のお婆さんがいる。こんなところで何をしているのだろうかと思って見ると,お婆さんは鉄の斧を研いでいた。

 そこで若者はお婆さんに,

 「ここで何をしているのですか?」と問うた。

 するとお婆さんは,

 「斧を研いで,針をつくっているのです」と答える。

 若者はこのお婆さんの言葉に衝撃を受けた。

 斧を研いで針をつくるなど,気の遠くなるような話である。しかし,辛抱強く研ぐことを続ければ,いつか針になるだろう。

 学問の道もこれと同じだ。少しくらい努力してうまくいかなかったからといって,そこであきらめてはならない。忍耐強く努力を続ければ,いつかきっと成就できるに違いない。

 そう考えた若者は,家に帰るのをやめて学問を続け,やがて立派な学者になった。


 そうです。この話は「磨斧作針」という故事です。若者は李白だということになっています。

 当時は「磨斧作針」という言葉も,その故事も知りませんでした。しかし,斧を研いで針をつくるという話は,私の心に強く残り,いつまでも消えることはありませんでした。

 後に私は,二宮尊徳翁の「積小為大」という言葉を知り,イエローハット元社長・鍵山秀三郎先生の「成功のコツは2つある。『コツコツ』」という言葉を知り,イチロー選手の「小さいことを積み重ねることが,とんでもないところへ行くただ1つの道」という言葉を知ります。それらの言葉はその後の私の人生の大きな指針となりました。今改めて思い返すと,その原点は中学生時代に聞いた校長先生の「磨斧作針」の故事にあったようにも思えます。


 このように,だれの心にも,いつまでも消えないエピソードがいくつかあるのではないでしょうか。そのエピソードは,何か事あるごとに記憶の底から立ち上がり,その人の決断を後押ししたり,失意から立ち直るきっかけとなったり,つながりのある人たちを励ましたりするでしょう。

 だれかの人生に深くかかわっていくような話を,たとえ1つでも届けることができたら,まさに教師冥利に尽きると思います。

 校長先生の講話は,そのような特別な話になる可能性に満ちています。校長先生は生徒にとって特別な存在だからです。


 在学中はもちろんのこと,卒業してからもずっと生徒の心に残り,生徒を励まし勇気づけるような講話を,校長先生の熱い思いとともに,ぜひ生徒に届けていただきたいと思います。

 本書にそのささやかなお手伝いができれば幸せに思います。


  2021年12月   /山中 伸之

著者紹介

山中 伸之(やまなか のぶゆき)著書を検索»

1958年栃木県生まれ。宇都宮大学教育学部卒業。栃木県公立小中学校に勤務。

●研究分野

国語教育,道徳教育,学級経営,語りの教育

日本教育技術学会会員,日本言語技術教育学会理事

日本群読教育の会常任委員,「実感道徳研究会」会長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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