- 特集 活用力育成! 新算数科授業づくりのポイント「B 量と測定」
- 活用力育成! 新算数科授業づくりのポイント「B 量と測定」
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- 総論
- 活用に関わる活動を明確にする
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- 「活用」と「PISA型読解力」をつなげてとらえる
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- 活用力を高める授業づくりの要点
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- 学年別実践事例
- 1年/長さを比べて測って活用して
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- 2年/長い長さ〜「測る」その先に目を向けて
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- 3年/数学的なアイデアを活用しよう!
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- 4年/活用するよさが実感できる授業
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- 5年/帰納的に考える学びと演繹的に考える学び
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- 6年/挑戦! 木の高さを測定しよう
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- 算数Short Story (第91回)
- 偉大なる10
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- 自著を語る
- 『DVD付:志水メソッドによる算数の授業づくり』
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- 早わかり! 算数の用語・記号 (第7回)
- 「約数」、「公約数・最大公約数」、「合同」
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- 学力テスト予想問題にチャレンジ! (第19回)
- グラフの対応
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- 〜累積のグラフ、変化のグラフ〜
- 算数教育ホットニュース (第91回)
- 円滑な移行に向けての指導
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- 授業力アップ! 今月の授業とつまずき指導
- 【1年】ながさくらべ
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- 〜どちらが長いかはっきりさせよう〜
- 【2年】かけ算の九九
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- 〜意味理解に迫る九九作り〜
- 【3年】あまりのあるわり算
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- 〜あまりの大きさを調べよう〜
- 【4年】三角形を調べよう
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- 〜二等辺三角形をイメージしてかこう〜
- 【5年】小数÷小数
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- 〜商と余りの関係を考えよう〜
- 【6年】変化する2つの量を調べよう
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- 〜表を縦や横にみて確かめよう〜
- 算数授業奮闘記 (第89回)
- 繰り返すことの大切さ
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- 算数が好きになる問題
- 1年/さんすうむかしばなし
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- 2年/ぜんぶで いくつ あるかな?
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- 3年/どんな重さのたんいが入るかな?
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- 4年/3色分数カードで遊ぼう!
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- 5年/博士からの伝言
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- 6年/数直線をもとに問題文を作ろう!
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- ここがポイント! 新算数科の授業展開 (第7回)
- 目的に応じて表やグラフを選び活用する力を伸ばす
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- 〜国際的な通用性と図形、数量関係領域の充実(3)〜
- キーワードで読み解く これからの算数授業 (第7回)
- 式に表す・式を読む
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- 授業改善のためのメソドロジー ―理論と実践との往還― (第1回)
- 授業改善モデル:将棋の「感想戦」
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- 数学的モデリングを生かした算数教育 (第7回)
- 単位量当たりの大きさにおける数学的モデル
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- 編集後記
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- 今月の楽しい問題 チャレンジコーナー
- 煙突はどこにあるのかな?
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活用力育成!新算数科授業づくりのポイント「B 量と測定」
新学習指導要領算数科の目標では,「進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる」とあるように,「活用力」の育成が重視され,学習指導要領解説では,「活用」について以下のように述べられています。
@ 活用することによって,学習が意味のあるものとなり,算数のよさを実感を伴って味わうことができるようになる。
A 「生活や学習」についての解釈は,まず「生活」とは児童の家庭や学校,地域社会,将来の社会生活までも含められるという。次に,「学習」とは,他教科や算数・数学の学習もいう。
さらに,算数・数学の特性は既習の内容の活用であるとまでいっています。
「量」は身の回りに存在します。量は,ものの大きさを表すもので,長さ,面積,体積,重さ,角の大きさ,速さなどいろいろな種類があります。量の意味は,ものの大きさがどの程度かを表すために基準となる単位を決めていこうとすることです。つまり,どの人にも公平性を保障するために必要となる共通するものさしが,量の単位です。これらのことに基づいて,上の@のことを考えてみますと,量が生まれるための直接比較・間接比較や任意単位による測定・普遍単位による測定は,算数のよさを実感することにつながるものと思われます。
Aの前半の身の回りの生活への活用という視点では,量の単位が明確ですと,部屋の広さ,ランドセルの重さ,いろいろな容器などの量の大きさを表現するときに便利です。これは,もともと量が身の回りのものから生まれたものであるので当然です。ただし,授業で学習した量をもう一度身の回りのものの大きさに還元することです。生活に活用してみて,あらためて量と測定について実感するものと思われます。Aの後半の既習の内容の活用という視点では,既習の量がもつ仕組み,例えば保存性など新しい量についても類推することができます。また,メートル法にもとづく仕組みの類推も可能です。例えば1oと1mとの関係と,1mВと1Вとの関係なども類推できるということです。
本号では「B 量と測定」領域における活用力育成を目指す授業づくりについて,考えるべき視点を示し,授業づくりのポイントと実際の授業例をご紹介します。
志水 廣
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- 明治図書