生活指導 2011年6月号
子どもが生活現実を問い直す〜<貧困>問題に関わって〜

L691

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生活指導 2011年6月号子どもが生活現実を問い直す〜<貧困>問題に関わって〜

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2011年5月9日
対象:
小・中
仕様:
A5判 123頁
状態:
絶版
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目次

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特集 子どもが生活現実を問い直す〜〈貧困〉問題に関わって〜
特集のことば
子どもが生活現実を問い直す〜〈貧困〉問題に関わって〜
高橋 英児
実践
<小学校>学びが人をのびやかにさせる
丹下 加代子
<小学校>現実と教科書では全然ちがう―それはあたりまえ〜食生活の〈貧困〉を問う〜
瀧内 英二
<中学校>「ホームレス」は自己責任か
柏木 修
分析論文
生活現実の中にある「貧困」の問題をどう掴むのか―「自己責任」とどう対峙するか
高橋 英児
関係論文
関係の転換と意味の転換―中野譲「川との語り合い」に即して―
竹内 常一
第2特集 チームで教育実践をしよう
報告
【学童保育】大切だとわかっているけど、むずかしい
山川 浩章
【特別支援学校】特別支援学校の授業と教員集団について
沢村 実
【小学校】個性をひびかせあって
石塚 美代子
【小学校】二人で全員をみていこう
佐々木 大介
【中学校】学年を一つのチームとして
中根 豊
報告へのコメント
ともに学びあい育ちあう関係を教師集団のあいだにも広げよう
浅見 慎一
今月のメッセージ
自分はどうなんだろう?
笠原 昭男
私の授業づくり (第27回)
小学校〈社会科〉/授業の中ですてきな大人との出会いを
東 はじめ
中学校〈国語科〉/国語って、インチキ?
広井 護
実践の広場
子どもの生活・文化・居場所
全員の「居場所」を自分たちで決めた
後藤 義昭
子どもをつなぐ活動・行事
創造的な運動会の応援合戦
斉藤 太美雄
いきいき部活・クラブ
楽しい科学クラブを子どもたちの手で!
石井 洋一
手をつなぐ―教師・親・地域の人々
自分たちの住んでる町を好きになろう―歴史の町・行徳探検―
中川 愉美子
私と集団づくりとの出会い
子どもの生活を見る・子どもの声を聴く
瓜屋 譲
案内板 集会・学習会のお知らせ
教育情報
PISA二〇〇九年調査と「学力向上」政策
黒谷 和志
使ってみよう!実践グッズ (第3回)
学年はじめのクラスを盛りあげよう
新山 梢
北から南から
サークルだより・北海道
高橋 孝明
〜学びを創り出そう旭川生研〜
読書案内
『〈政治の発見〉第一巻/生きる―間で育まれる生』
福田 敦志
読者の声
4月号を読んで
シリーズ/各地の実践
東京
大島 冴子
〜冬彦と(2回連載・bQ)〜
全生研第53回全国大会案内
編集室だより
生活指導編集部高橋
編集後記
高橋 英児

今月のメッセージ

自分はどうなんだろう?

埼生研 笠原 昭男


この原稿を書いているのは3月下旬。大震災の中で、言葉にはならない様々な思いが自分の中を駆け巡っている。こんな時に何を書いたらよいのだろう………。ここ数日の報道の中で感じたことを、一つだけ書かせてもらうことにします。

テレビでは、福島原発3号炉への放水終了後の東京消防庁隊員の方々のインタビューが放映されていた。一つ一つの言葉に中身と重さがある。現場の最前線でプロとして精いっぱい誠実に働いている人だけの持つ説得力と誠意が滲み出ている。

津波で壊滅的な被害を受けた町。避難所のリーダー格の初老の男性へのインタビュー。ご自身も被災され、ご家族の安否もわからない。そのようななかで、とても落ち着いた物腰で、しかもきりりとした表情で再建へ向けての決意を語る。その言葉と表情の誠実さに感銘をうける。「立派な人ね」と、一緒に見ていた妻もつぶやく。

同じ日の原子力安全・保安院の記者会見。目はうつろ。誠意も責任感も、プロとしての自負もなにも感じられない、空疎な記者会見。彼の人としての思いなど、まったく伝わらない。まるでロボットのようだ。見ていて不快になる。その後の官房長官の記者会見。官僚や専門家の書いた原稿をほぼ棒読みに近い状態で読み上げている。誠意や決意や信頼感はまったく伝わってこない。彼の肉声が聞こえてこない。何度となく登場する、原子力の専門家と称する人たち。同じく人としての誠意や責任感や肉声がまったく伝わってこない。

つい先日の卒業式の校長先生の話。来賓の話。送る言葉。別れの言葉。……そのような視点で見ると、「地の声」が伝わってこないものがほとんどだ。唯一、生徒会長のYさんの送る言葉だけが例外だった。彼女の思いがストレートに伝わってきた。「綺麗な言葉をつなげて話す必要はまったくないよ。今自分が思うことを率直に話せばいい。上手に話せなくてもOK。君の気持がつたわればいいんだよ」と言ったら、震災について思ったこと、部活動で3年生に本当に感謝していることなどを、自分の言葉でみごとにまとめてきた。「Yさんの言葉はよかったですねえ。それにひきかえ、教育委員会の祝辞はひどいですね。形式だけで何も伝わってきませんよ」と、何人かの職員が言ってくれた。

自分はどうなんだろう?子どもたちを現場の最前線で教育するプロとして、自分はどうなんだろう。

子どもたちに対して、保護者の方々に対して、地域の方々や関わりをもつすべての方々に対して………ふとそんなことを思った。

形式的で自分の気持ちの入っていない、ご都合主義の空疎な言葉を話していないだろうか………。

判断するのは相手である。自分の言動は、どのように相手に受け止められているのだろう。あらためて聞いてみたくなった。新学期になったら、まず子どもたちに聞いてみようと思っている。

もうひとつだけ。本物と偽物を見抜く力をもっとつけたい。原子力についても知らないことが多すぎた。今になって後悔している。マスコミや、ネット上などで様々な人のメッセージや「支援」の知らせが伝えられる。しかし、それが打算やカッコつけなのか、人としての本当の誠実さから出ていることなのか。では、自分はどうなのか………。

「自分」とは、「家族」とは、「人間」とは、「真実」とは……根底から揺さぶられている毎日です。

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