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今月のメッセージ
世代を越えた“同僚性”を磨き、学校づくりを楽しもう。
常任委員 浅見 慎一
職場に若い教師が増えてきた。私の勤める埼玉西部の小学校でも、二十代〜三十代前半の人が学年に一人ずつぐらい配置されるようになった。やっぱり“若さ”は魅力。エネルギーがあふれる。必然的に職場に活気が生まれ、学校全体が明るくなる。
そういう私自身は職場で“最年長”となり、相当ボケまくっているのだが、これがまた楽しい。とりわけ、若い人たちとのやりとりは新たな刺激になる。私の息子より年下世代の彼らだが、いっしょに仕事を進める“同僚”として、何より自分が“元気”をもらう。
若い人たちから学ぶことはたくさんある。発想の新鮮さ(運動会のダンスの創作性はすばらしかった!)。子どもとの距離の近さ(教師くさくないから子どもが寄りつく)。すぐにやってみようとする柔軟性(ちょっとしたアイディアを気軽に取り入れ、またやめる)。……そんな姿を見ると、忘れかけていたものを思い出す気分で、こっちもうれしくなる。
けれども、職場によってはそうでもないらしい。異世代間の意思疎通がうまく図れない。たがいにギクシャクしあう。時に孤立関係に陥ることもある。子どもや保護者とのトラブルが生じると、さらに困難な状況に置かれる教師も多い(昨年末に報道された文科省発表によれば、全国の公立学校職員の「心の病」は「10年間で3・3倍」に急増。「うつ病などの精神性疾患で昨年度中に休職した公立校教員は、前年度比497人増の4675人に上り、過去最悪を記録」という)。
私の身近な仲間にも、病休等に入る人が目立つ。共通して言えることは、子どもの事情や気持ちを尊重する対話型の優しい心根の教師である。だがいまは、子どもたちが待てない。保護者も分かってくれない。何より同僚の支え合いが弱い。どうやら、カギは“学校づくり”にありそうだ。
ところで、私が若い同僚に語るときの柱は三つある。一つには、冗談を交わすこと(=ものごとを相対化して見る余裕)。二つには、批判的な学び(=いつも複眼的な視点で)。そして三つ目は、共感と共同のスタンス(=子ども、保護者、そして同僚に……)。
最近また、若い人たち(気持ちだけでも若い人?も含め)を前に話をさせてもらう機会が増えた。生活指導サークルの「学級づくり講座」とか、教職員組合の「センセのがっこ。」などである。中味は薄いが、これまで身体で学んできたことを「ベテラン教師」として精いっぱい伝えたいという思いは強い。そうした学習会のまとめに、私は次のようなことを呼びかけてみる。
*自分流の「非勝つ三原則」(「否ガンバリズム」)を!
*やたらとメモしない。マジメに伝えない。
*子どもの事情は子どもに取材してみないと分からない。
*モタモタする子・メソメソする子ゆえの優しさと尊さ
*モノマネするゆとり・パロディ化するセンス
*「時ネタ」「流行語」「お笑い芸人」もワザのうち
*「日替わり目玉商品」を持って教室へ
*「鼻唄」を歌いながら廊下を歩こう。
「これってどういうこと??」……世代を越えて語り合い、“同僚性”を高めたい。
これからも、しなやかに、したたかに“学校づくり”を楽しみたいと思う。
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