生活指導 2006年8月号
他者と出会い共に生きる世界を地域・学校に

L632

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生活指導 2006年8月号他者と出会い共に生きる世界を地域・学校に

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2006年7月7日
対象:
小・中
仕様:
A5判 124頁
状態:
絶版
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目次

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特集 他者と出会い共に生きる世界を地域・学校に
他者と出会い共に生きる世界を地域・学校に
大和久 勝
論文
地域生活指導運動との再会―「構造改革」の生活破壊に抗して―
竹内 常一
実践
地域で育ったポラン農業小学校
谷内 博司
知的障がい者を対象とした大学講座
平井 威
地域に立ち上がる子どもネットワーク
豊田 健三郎
幸せですか?
佐藤 由香
第2特集 全生研第48回全国大会基調提案
基調の課題
栗城 順一
第48回全国大会基調提案
他者と出会い、生きる世界をひらく子ども集団づくり
基調提案委員会
関連論文
他者・対話・公共性の集団づくり〜新たな集団像の探究〜
折出 健二
今月のメッセージ
全国大会に集う
高原 史朗
若い教師のための子ども集団づくり12か月 (第5回)
小学校8月/子どもがつながる夏休みをつくる
古関 勝則
中学校8月/生活の規律を作り出そう
中川 晋輔
実践の広場
私の教室
「平和を伝えよう会」の取り組み
小池 清
学びの素材
「学習」は権利だ!
植松 ともみ
すぐ使える遊び・ゲーム
準備・移動のいらないかんたんゲーム
高井 寛文
部活動・クラブ活動の工夫
私の部活指導を振り返って
林 孝一
子どもの文化事情
ペア学年で活動する「わくわくまつり」
柳田 良雄
手をつなぐ―親と教師
昔も今も通信で
小笠原 健三郎
心に残る子どもとの対話
さやかのかかわり・さやかとのかかわり
秋葉 徹
掲示板Y・O・U
若草 いずみ秋桜 佑子川畑 涼子
案内板 集会・学習会のお知らせ
北から南から
各地の基調提案 岩手
基調提案起草委員会
〜〈二〇〇六年度岩手県生活指導研究協議会基調提案〉子どもの生活台に丸ごと挑む実践の創造'06〜
教育情報
教育基本法・憲法改悪は現代の「刀狩り」
藤井 啓之
ホッと一息・コーヒータイム
私のオフタイム
冨永 謙一
マンガ道場
濱武 準子おおかわ かつや
夏休み特別企画
のんちゃん先生の楽しい実践講座
野口 美代子
〜2学期を楽しく迎えるおすすめ手品一挙公開!〜
読者の声
6月号を読んで
全生研第48回全国大会案内
編集後記
大和久 勝

今月のメッセージ

全国大会に集う

全生研常任 高原 史朗


 いつのレポートだっただろうか。わたしは「好きなもの同士の班替え」の是非をめぐる話し合いを報告した。

「最後に余りが出たらどうするのか」

 この論議の中で「好きなもの同士」を中村君が強く主張していた。山田君の、勇気をふりしぼった

「余った人の傷は深いと思う。ぼくはそういう経験がある」

という発言にも、「俺ぜったい好きなもの同士」としか彼は言わない。「おい、今さら意見変えるなよ」「いいじゃん、採決で」「そんなの大丈夫、大丈夫」と彼は言い続けた。わたしは、「好きなもの同士」の作り出す課題がうやむやになる気配を感じ、論議の時間を延ばさざるを得なかった。わたしは中村君にいらいらしていたのだと思う。

 レポート分析の担当者から次のような指摘をいただいた。

「なぜ、中村君はそれほどまでに好きな者を主張するのか」

 わたしにはまるで考えの及ばない視点だった。私には中村君が、人の気持ちの分からない、自分の主張ばかりを繰り返す生徒に見えていたのだ。それが急に、「好きなもの同士」を切実に必要としている、友だちとうちとけるのに時間のかかるさびしがり屋に見えてきたではないか。

 こんなことを思い出したのは、今日が支部の大会だったからかもしれない。

 二〇年以上いっしょに活動してきた同い年の仲間のレポート分析だった。彼女は転任一年目で、大荒れに荒れた中三に遭遇していた。クラスの役員を決めるにあたっての「最初に学級委員を決める」という彼女の宣言が暴言の嵐に見舞われるのである。

「なんでそんなことすんだよ」「そんなのどうだっていいじゃん」

「さっさと決めようぜ」「馬鹿じゃん」

「うざ!」「死ね!」

 リーダーとして見込んでいた京子までもが暴言を浴びせる。この当然とも思える宣言への、リーダー候補の暴言に彼女は唖然とする。しかし、それでも彼女は決して譲らず、何時間かをかけてリーダーを選出するのである。その姿勢が大きな意味を持つことは言うまでもない。しかし、以前のわたしのレポートのように問題設定をし直してみる。

「なぜ、京子は暴言を吐いてまで、最初にリーダーを決めることを拒否したのか」

 すると、荒れに荒れた集団の中で、素直に「はい」と立候補できない京子の苦悩が見えてくる気がする。と同時にそのしたたかさも。京子は係りや委員をいっぺんに決めてうやむやのうちにリーダーを決める形でしか、この集団の中ではやってこられなかったのかもしれない。


 いよいよ全生研岩手大会をむかえる。

 全国各地からの実践を仲間とともに分析するということは、このように、さまざまな自分ひとりでは持つことのできなかった視点を手に入れることができるということでもある。つくづく「学び」とは自分ひとりで作り出すものではない。そしてわたしたちは決してひとりではない。わたしは、そのことを何度でも確かめたくて大会に来ているのかもしれない。

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