現代教育科学 2005年9月号
「学力低下論争」は何を提起したか

A588

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現代教育科学 2005年9月号「学力低下論争」は何を提起したか

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2005年8月3日
対象:
小・中
仕様:
A5判 116頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「学力低下論争」は何を提起したか
提言・「学力低下論争」の成果と問題点
教育の流れを変えた
菱村 幸彦
教育論争としての「学力低下論争」とその影響
市川 伸一
論争を終息させてよいのか
中嶋 哲彦
教育への関心を喚起した「学力低下論争」
岩田 一彦
学力の核心部分の論争はこれからである
大森 修
国語の学力は低下したのか―論争の受け止め方
「子ども天使観」幻想の克服を
野口 芳宏
教師の指導力こそ問題
井上 尚美
教師の指導力が向上していないのだから学力は低下するに決まっている
椿原 正和
「学力低下問題」は果たして〈教育問題〉なのか
堀 裕嗣
算数・数学の学力は低下したのか―論争の受け止め方
“学力低下”に立ち向かう“草の根”教育改革の展開を!
鈴木 正彦
「学力低下」は教育課程切り下げと内容不備の産物
菊池 乙夫
学力低下をもたらす三つの原因と対策
木村 重夫
教師が授業の腕を上げなければ、生徒の学力向上はない
月安 裕美
理科の学力は低下したのか―論争の受け止め方
校種間を連携した指導要領改正を
森 一夫
知の領域固有性と学力
遠西 昭寿
論争の行き着くところは、授業力向上の一点にある
小林 幸雄
学力低下を嘆くより生徒を変えよう
小森 栄治
「学力低下論争」を現場教師はこう見る
ゆとりはたるみを生んだ
大谷 和明
授業力向上が学力低下の歯止め
渡辺 喜男
向山型は、学力低下論争と無縁である
谷 和樹
学力を付ける指導法は「向山型」である
垣内 秀明
学力の基礎基本を再認識させられた
瀧沢 広人
教育ニュース・ズームアップ
1)中教審の部会が「審議経過」を報告 2)文科相が「新時代の生涯教育」諮問
安達 拓二
「授業批評の力」を鍛える (第6回)
明確な発問・指示
齋藤 勉
授業を変える学習集団づくり (第6回)
学習集団論の技術的展開
柴田 義松
校長が学校を変える (第6回)
公開スクリーニング研修
大森 修
TOSS授業技量検定受検のドラマ (第6回)
プロ教師としてのドラマの序章に過ぎない
吉川 廣二
続・TOSS授業技量の検定 (第6回)
中教審議事要旨に示されたTOSS技量検定
向山 洋一
なぜ検定外・算数教科書を創ったか (第6回)
先生・子供・授業・教科書(上)
横地 清
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

◯…「学力低下は現在の教育を語る時のキーワードになった」と市川伸一氏は書かれていますが、「学力低下」というキーワードによって、かつてないほどの社会の関心が学校教育に集まっていることも事実のようです。これをマスコミや社会全体のヒステリック現象と見るかどうかは論者によって異なってきますが、「学力低下論争」が「ゆとり教育」批判から始まっていることに注目する必要があります。

◯…すでに平成十七年度予算案が国会で年度内成立をみていますが、文部科学省の初中関係では学力向上対策になんと八二億円計上されていることが目立ちます。前年度の一・五倍ですから驚きです。国も地方も学力向上に取り組んでいるわけですが、これまでのフロンティアスクール、スーパーサイエンスハイスクール、学習指導カウンセラーの派遣、理科大好きスクール、国語学力向上推進事業などさまざまな施策が打ち出されてきました。これに加えて、十七年度予算で「学力向上拠点形成事業」などが盛り込まれているわけです。

◯…いま国も地方も「確かな学力」の向上に向けて取り組んでおり、「これは学力低下論争の思わぬ成果である」と菱村幸彦氏は解説されています。さらに菱村氏は「学力低下論争」の成果として次の三点を上げています。第一は教育の流れを変えたこと、第二は学力調査の重要性を再確認させたこと、第三は地方主導による学力向上の取り組みが活性化したこと。

◯…今ごろになって、「学力低下論争」とは何だったのかという反省も見られますが、ある研究者の方が言われるように、「論争を考えるということは、次の展望を考えること」でもあります。本号は、これまでの論争を振り返り「学力問題」を総括したいと思いました。

〈江部 満〉

◯…「自分と意見が違うとアカ∞サヨ∞プロ市民≠ニレッテルを貼って議論をごまかす。こうやって人間の思考力って退化するんだな。人間からサルへの逆ダーウィンの進化論を実証できそう」

朝日の地方支局記者のこのブログを読んだ人たちから数百の批判コメントが殺到して、ブログは炎上、消滅したという記事を読み、なるほど≠ニ思いました。

どこが?って。

だってその昔は、オモテの側がアカ′トばわりすることはあっても、ウラの側がサヨ≠ネどとヤユすることはなかった―からです。

社会主義の崩壊以降、日本ではかえって反転現象が顕著になったのかも…。

よい方向に反転したかどうかはともかく、「ネット右翼」の噴出は、ジャーナリズムの表舞台から、締め出された世論のマグマ…って気もしないではありません。

私も9月からブログ参入することと相成りました。撃沈炎上は、かなわぬ夢としてもせめてムシされぬよう…。

〈樋口雅子〉

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