会社更生法を申請した英会話学校大手のNOVA。同社の経営破たんの影響は、学校現場にも押し寄せている。26日の時事通信の記事によると、NOVAと外国人講師の派遣契約を結んでいた大阪市教育委員会は契約解除を検討しているそうだ。

　同記事によると、大阪市では小・中・高校合わせて335校でNOVAの外国人講師の派遣を行っていたが、20日以降、講師53人が授業を欠席していたとのこと。同様の講師派遣については、すでに東京都品川区や栃木県足利市で契約を解除している。

　NOVAは6月に特定商取引法違反で、経済産業省からの行政処分を受けた後、売上げが3割以上落ち込むなど経営状況が悪化。猿渡前社長が資金調達や業務提携などを模索したが、資金繰りは改善せず、事実上の倒産にいたった。子ども英会話「NOVA KIDS」の受講者の話では、8月に外国人講師が総入れ替えしたり、月謝制だった授業料をキャンペーンと称して12カ月分集めたり、クレジット会社が短期間で2度も変わったりと、今までにない動きが見られていたようだ。

　NOVAのサイトには、「会社更生手続開始の申立に関するお知らせ」とともに、「受講者向けQ＆A（PDF）」が掲載されているが、授業料返還、授業再開などの見通しはたっていない。受講生は全国で約30万人。439億円にのぼる負債のうち、約半分が前払いしたまま未返還の受講料と言われている。今回の大阪市の講師派遣契約でも、今年度分として5850万円の契約金が支払われているなど、今後、負債額が広がる恐れもある。

　福田首相が26日の会見で、政府として支援を検討していく考えを示しているが、外国人講師や従業員への未払い賃金の支払いなども含め、今後の支援策の行方が気になるところだ。

• 小中高校で講師来ず＝NOVAとの派遣契約の解除も−大阪市（時事通信）
  http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date4&k=2007102600954
• NOVA破たん「大変なこと」＝福田首相（時事通信）
  http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date4&k=2007102601210