きょういくじん会議
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期待高まる「家庭内学習」のチカラ
kyoikujin
2009/1/28 掲載
どこまでも伸びていく子どもに育てる

 大学入試センター試験も終わり、これから高校、中学も本格的な受験シーズンに突入しようとしています。受験生本人はもちろんのこと、受験生のお子さんをもつ保護者の方も、ひょっとしたら本人以上にハラハラドキドキ、気もそぞろな毎日を過ごされているかもしれませんね。過熱する受験戦争、長引く不況…そういった社会情勢を反映してか、学校や塾にまかせっきりにするのではなく、家庭でも積極的に教育に関わっていこうとする動きがみられるようです。

 23日の読売新聞の記事によると、今、書店では、塾や学校ではなく、家庭内での学習に焦点を当てた本が売り上げを伸ばしているということです。なぜ今家庭内学習が注目されているのでしょうか?

塾のメリットとデメリット

 塾に通わせるメリットについては、豊富な受験情報やデータのもとに指導が行われること、習熟度別のクラス編成で、学校の授業の補習や受験対策など、個人に見合ったレベルの授業が受けられることなどがよく挙げられます。
 しかし一方で、それがデメリットとして取り上げられることも少なくありません。クラス替えが頻繁にあり、クラスによって進度も違っているため、重複して習う部分や逆に習わない部分が出てきてしまいます。また、子どもが「塾に通っている」という事実だけで満足してしまい、自主的に学習する意欲が減ってしまう、といった事例もあるようです。いくら塾に通っていても、習ったことを家庭学習の中で復習する習慣がなければ、本当の意味での学力は伸びてはいかないのではないのでしょうか。

見直される家庭内学習のあり方

 このように、塾に通っている子どもが増えているからといって、家庭内学習の重要性が減るわけではありません。近年、各地の教育委員会や学校でもそれぞれ独自の「家庭学習の手引き」を発行するなど、家庭内学習の重要性を見直そうとする動きが高まってきています。自分から学習する習慣づけとしても、また、家族のコミュニケーションの場としても、子どもにも保護者にもしっかりした指導が必要であると再認識されているようです。

家族で一緒に取り組む検定試験

 こうした家庭学習の見直しが広まってきたこともあってか、昨年12月25日の読売新聞の記事によると、日本漢字能力検定(漢検)が実施している家族受検表彰制度の受検者が増えているそうです。学力の向上だけでなく、家族で同じ目標に向かって学習することで家庭での会話も増えた、という意見もあるようです。
 子どもにとっては嫌なことかもしれない「勉強」も、家庭で楽しみながら取り組める雰囲気をつくりだせるといいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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