5分でクラスの一体感をつくる!山ちゃんの 導入deボディパーカッション&ボイスアンサンブル
ボディパ教育考案者の山田俊之先生が、みんなの心が一瞬でつながる活動とスキルを伝授!
ボディパ&ボイス(7)
大人数&異年齢集団も絶対盛り上がる「みんなでグー・チョキ・パー」
九州大谷短期大学山田 俊之
2021/12/15 掲載

動画1 親子ふれあい学習「リズムでコミュニケーション」の一場面

時期:2021年12月
場所:福岡県内の小学校体育館
参加者:小学校中学年の児童と保護者
指導者:山田俊之
内容:リズム遊びやボディパーカッション、ボイスアンサンブルを用いて親子で楽しくふれあう活動を実施

子どもを一気に引き付けるじゃんけんパワー

 じゃんけんを使った遊びやゲームは、小学校低学年から大人まで手軽に楽しむことができます。本日ご紹介した動画も、小学校中学年の児童とその保護者が参加したふれあい学習の取り組みですが、このように、大人数でも異年齢の集団でもみんなで参加することができます。
 そこで本日は、特別活動の異学年交流におすすめの、じゃんけんをつかったボイスアンサンブルをご紹介します。
 集団でも盛り上がるじゃんけんを、さらにボイスアンサンブルでリズムに乗って行うと、通常のじゃんけんと違いリズミカルに声と動作が入るので、全体の雰囲気も一つになって一体感を得ることができます。特別活動の目標である「望ましい人間関係づくり」を縦割り集会で行うことができます。

集会委員会の子どもと行った実践を紹介!

 それでは、具体的なやり方を説明しましょう。以前、私が小学校で集会委員会の子どもたちと一緒に行ったときの実践になります。

1. まずは、グー・チョキ・パーの3つにパートに分け、それぞれのパートに集会委員会の子を1人か2人、選んでおきます。集会委員会の子は、各グループの1番前に立って指示をします。
図

2. 動画では伴奏音源がついていますが、伴奏なしで問題ありません。ボイスアンサンブルは、まずは「グー」のパートから始まり、「かえるのうた」の輪唱のように、4小節ごとに「チョキ」のパート、「パー」のパートとリズミカルに言葉を重ねていきます。

3.「グー・チョキ・パー」のすべての声が重なり合うと合唱のようになるので、子どもたちもだんだん盛り上がってきます。そこで最後に「最初はグー、じゃんけんポン」と言って、3名(あるいは6名)いる集会委員会の子どもの中から1人が前に出て、全員とじゃんけんをします。

4. 勝負がついたら、じゃんけんをした集会委員会の子どもは、全体に「勝った人は手を挙げてください!」と言い、手を挙げた人に対して「みんなで拍手!」と言って1回戦が終わります。

5. 集会委員会の子どもが「続いて2回戦行きます!」と言って、先ほどの逆で「パー」のパートから始まり、「チョキ」のパート、「グー」のパートと言葉を重ねていきます。このときも、1番前にいる集会委員会の子どもは、ボイスアンサンブルに合わせてグー・チョキ・パーを出しながら元気いっぱい声を出します。

一工夫でさらに盛り上げてみんなの気持ちを一つに!

 上記ご紹介したので約5分です。
 時間があれば、3回戦、4回戦と繰り返すことができます。私が実施したときは、4回戦まで行い、終わってから「4回勝った人は手を挙げてください!拍手!」(みんながパチパチパチパチ)。「3回勝った人は手を挙げてください!拍手!」(みんながパチパチパチパチ)としました。
 4回続けて行う場合は、サバイバルゲームのように最初は全員立って、負けたら順に座っていく方法もよいかもしれません。
 また大人数の時は、全員の前でじゃんけんをする子どもは、グー・チョキ・パーを書いた画用紙を用意して掲げると、みんなによく見えるのでよいでしょう。
 全校朝会や児童集会など、大人数、異年齢集団でも手軽に取り入れられますので、ぜひ試してみてください。その場のみんなの気持ちが一つになると、その後の集会行事もスムーズに進むと思います。

※本日ご紹介したボイスアンサンブル「みんなでグー・チョキ・パー」の楽譜は、『ボディパーカッションdeクラスづくり』(明治図書)の書籍に収録しています。

※2022年1月10日(月・祝)に、リモートで「第10回ボディパーカッション研究会」をインクルーシブ教育をテーマに実施します。ゲスト講師に兵庫県教育委員会の田中裕一先生(前教育課程調査官…特別支援教育:発達障害)と国立音楽大学の津田正之先生(前教育課程調査官…音楽教育)をお迎えしてボディパーカッション教育と学習指導要領の整合性についてお話ししていただきます。全国どこからでも参加できますのでぜひお越しください。詳しくは、研究会情報をご覧ください。

導入を成功させるポイント

  1. 大人数の行事をスムーズに進めるには、委員会の子どもが事前に動作や声出しの練習をして、準備をしっかりしておきましょう。
  2. 各パートの前に委員会の子どもが立つことで、他の子どもは真似をすることができるので安心です。
  3. 全体とじゃんけんする人はあらかじめ決めておき、よく見える場所でじゃんけんしましょう。

山田 俊之やまだ としゆき

九州大谷短期大学教授、福岡女学院大学非常勤講師(教職課程)。小学校、特別支援学校、九州大学(非常勤:教職課程)、九州女子短期大学(教授)勤務を経て現職。九州大学大学院博士後期課程修了(教育システム専攻)。
1986年小学校4年担任の時、ボディパーカッション教育法を考案し、現在まで活動を継続。
著書『ボディパーカッション入門』(音楽之友社)、『ボディパーカッションdeクラスづくり』『特別支援教育deボディパーカッション』『保育園・幼稚園deボディパーカッション&リズム遊び』(以上明治図書)他多数。研究テーマは「子どものコミュニケーション能力を高めるリズム身体活動」「ボディパーカッション教育」「特別支援教育」「発達障害支援」。
2005年ボディパーカッション曲「花火」が平成17年度「小学校音楽科教科書」(教育出版)に掲載。
2014年ボディパーカッション曲「手拍子の花束」が平成25年度「特別支援教育用教科書」(文部科学省編集)に掲載。

最近のボディパーカッション教育関連活動
2015年カンボジア教育支援を始め、2018年NHKBSワールドニュースで取り上げられる。
2017、2018年ウイーン国立歌劇場で作品発表。
2019年九州大学、国立音楽大学、広島大学学生合同のカンボジアスタディツアーを実施。
2019年ニューヨークカーネギーホールで作品発表。
2019年NHK「パプリカ」インクルーシブ教育プロジェクト「フーリン楽団」でボディパーカッション指導を行う。
この時、フーリンメンバーや様々なハンディ(聴覚、視覚、発達、ダウン症、自閉スペクトラム、小児がん他)の子どもたちへの指導に関わる。
コロナ禍のため、2020年大阪府立和泉高校の合唱に代わって「校内ボディパーカッションコンクール」を指導する。 

(構成:木村)
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