- まえがき――ひと流れの動きに生命ありと―― /松本 千代栄
- 1章 舞踊発想と音楽
- 幼稚園 小学校
- 学校ダンスの伴奏曲集
- 基礎練習 1/基礎練習 2/基礎練習 3/基礎練習 4/基礎練習 5/基礎練習 6/基礎練習 7/基礎練習 8/基礎練習 9/基礎練習 10/創作練習 1(即興)/創作練習 2(たねまき)/創作練習 3(よろこび)/創作練習 4(思い出)/創作練習 5(正直くつや)
- リズム遊び・身振り遊び・リズム運動レコード 第一集
- 1.リズムや身振りの遊び(低学年)
- 動物園/かりにいきましょう/花と蝶/不思議な国
- 2.リズムや身振りの遊び(中学年)
- 遠足/汽車
- 3.リズム運動(高学年)
- お友達/花園/とりいれ/波/機械/かげふみ
- リズムと身振り遊び リズム運動レコード 第二集
- 1.幼稚園向
- なんでしょう/おてつだい/しゃぼん玉/クリスマス
- 2.小学校低学年向
- たんじょうかい/お山のどんぐり/すいれんと蛙/海の生活
- 3.小学校中学年向
- 空のお話し/仲よし行進
- 4.小学校高学年向
- こん虫の世界/四季のスケッチ
- リズムと身振り遊び リズム運動レコード 第三集
- 1.幼稚園・小学校低学年向
- 動物と楽隊/ねん土細工/のりものごっこ/てんとう虫ときのこ/仲よし会/つぎたし話
- 2.小学校中学年・高学年向
- 生活のスケッチ/ネオンサイン/建築作業/雪の結晶
- 3.幼稚園と小学校低学年のための基礎リズム
- 仲よしこよし
- 4.小学校中学年・高学年のための基礎リズム
- 二人の力
- リズムと身振り遊び リズム運動レコード 第四集
- 1.幼児・小学校低学年向
- 影絵/みつばちの旅行/花火/楽しい日曜日/人形ごっこ/ばったとり
- 2.小学校中学年・高学年向
- 探険隊/子供の四季(その一春)/動く漫画/虹の物語
- リズムと身振り遊び リズム運動レコード 第五集
- 1.幼児・小学校低学年向
- まつりばやし/やまびこ/じょうずにできますか/小川のできごと/買物ごっこ/かぼちゃの花
- 2.小学校中学年向
- まほうのきれ/ゆかたすがたで/いたずらこぎつね/夏のたのしみ
- 3.小学校高学年向
- 立体画/造園
- リズムと身振り遊び リズム運動レコード 第六集
- 1.幼児・小学校低学年向
- おもちゃやさん/動物ごっこ/小鳥ごっこ/スキップ遊び/お母さんとわになって/蜂や蝶になって/お話し遊び/模型つくり
- 2.小学校中学年・高学年向
- さくら踊り/遠足
- 3.小学校中学年・高学年・中学校向
- 海/機械
- 小学校 リズム遊び・リズム運動レコード 第一集
- 1.第2学年向
- ことりごっこ/かわいい虫たち
- 2.第3学年向
- 遠足/わたくしたちの村や町
- 3.第4学年向
- 探検隊/花火
- 4.第6学年向
- 六年の想い出(一)/六年の想い出(二)/貝がらの夢/大昔の生活
- リズム遊び・リズム運動 ダンスレコード 第2集
- 1.小学校第4学年向
- バチスカーフ/写生
- 2.小学校第6学年向
- 子供オリンピック/すきな歌で
- リズム遊び・リズム運動 ダンスレコード 第3集
- 1.小学校中学年・高学年向
- 夢の旅行/オートメーション工場
- 小学校リズム運動表現例伴奏レコード
- 1.小学校第1学年向
- どうぶつごっこ/どうぶつえんめぐり/どうぶつの一日/ちょうの一日/すいれんとかえる/買物ごっこ/汽車ごっこ/遊びましょう
- 2.小学校第2学年向
- 小鳥ごっこ/かわいい虫たち/おもちゃやさん/たのしい日曜日/おてつだい/仲よし遊び
- 3.小学校第3学年向
- 花と虫たち/ありのくらし/模型つくり/私達の村や町/おまつり/お話しつくり
- 4.小学校第4学年向
- 鳥たちの生活/花火/探検/おもしろいお話
- 5.小学校第5学年向
- 自然の威力/建築作業/不思議な国/こん虫の世界
- 6.小学校第6学年向
- 機械/季節だより/六年間の思い出/大昔の生活/貝がらの夢/すきな音楽で
- 小学校ダンス
- イメージとリズミカルな動きをひきだすために
- 1年─1
- 1.動物のカーニバル/2.ステップ・ステップ・ステップ
- 1年─2
- 1.コントロール・タワー/2.けんぱの歌
- 2年─1
- 1.お池のともだち/2.のりもの博覧会
- 2年─2
- 1.小鳥のくらし/2.仲よし2人組
- 3年─1
- 1.海のしごと/2.ロボット製作
- 3年─2
- 1.雪ふり/2.お祭りコーラス
- 4年─1
- 1.時計屋さん/2.キッチン・マーチ
- 4年─2
- 1.大雨の町/2.私の観察
- 5年─1
- 1.変化する自然/2.ダムの建設
- 5年─2
- 1.二つの力/2.山びこ
- 6年─1
- 1.海底火山/2.流れ作業
- 6年─2
- 1.冬から春へ/2.動きのくふう
- 文部省学習指導要領準拠 小学校ダンス
- 選曲と構成にあたって
- 低学年向1
- あそびましょう/ステップ・ステップ・ステップ/のりものごっこ/お話つくり
- 低学年向2
- おもちゃやさん/動物のカーニバル/たのしい日曜日/いいものできた
- 低学年向3
- 動物園めぐり/コントロール・タワー/えにっき/お池の友だち
- 低学年向4
- 海の動物たち/買いものごっこ/魔法のマント/小鳥ごっこ
- 中学年向1
- 二人で組んで/模型つくり/わたしの観察/ちょうの一日
- 中学年向2
- まつり/ありのくらし/かげえ/海のしごと
- 中学年向3
- わたしたちの村や町/鳥たちの生活/汽車ごっこ/雪ふり
- 中学年向4
- 時計屋さん/花火/キッチン・マーチ/探検
- 高学年向1
- 山びこ/季節だより/動きのくふう/写生
- 高学年向2
- 大昔の生活/夢の旅行/流れ作業/自然の威力
- 高学年向3
- 機械/みのり/海底火山/立体画
- 高学年向4
- 製作・結晶/昆虫の世界/生命/二つの力
- 中学校 高等学校
- ダンスレコード(第一集)
- 中学校向
- 人形の幻想/輪舞/律動
- 高等学校向
- 流れ/空と土/働く人
- 「リズムと身振りあそび」リズム運動レコード(第三集)
- 中学校・高等学校向
- 私のデザイン/いけ花/海底の幻想/郷土のかおり/人間の生涯(上・下)
- 「リズムと身振りあそび」リズム運動レコード(第四集)
- 中学校・高等学校向
- 動きのコーラス/日本の姿/お国自慢/私たちの詩集/現代の表情
- 中学校・高等学校・一般向
- 春の幻想/美容体操
- 「リズムと身振りあそび」リズム運動レコード(第五集)
- 中学校・高等学校向
- 絵画の印象/動きの抽象/水の点描/うたごえ/若きつどい
- 「リズムと身振りあそび」リズム運動レコード(第六集)
- 中学校・高等学校向
- 現代感覚/舞踊詩/動きの群像/音楽によせて
- ダンスレコード(第3集)
- 中学校・高等学校向
- 二つの世界/動きの変奏曲
- 文部省学習指導要領準拠 中学校ダンス
- 選曲と構成にあたって
- 自然風物詩/雲三題/日本の姿/動きの抽象
- 水の点描/労働のリズム/友情(1〜5)/春の幻想/花/絵画の印象(1〜5)/大雨の町/私たちの詩集/歌とともに/現代のリズムT/海底の幻想/冬から春へ/人間の感情(1〜5)/うたごえ/対話/現代のリズムU/音楽に寄せて
- 中学・高校及び大学・一般のための 創作ダンス―ダンスイメージと創作過程―
- 解説
- [T] 舞と踊り〈間のリズム=時間〉
- [U] 出会い〈間のスペース=空間〉
- [V] 情調・抽象・所作〈フィーリング・パターン=形態〉
- [W] うねり〈ダイナミックス=構成〉
- (習作)祭り〈コンポジション〉
- (習作)栄光の春の日に〈コンポジション〉
- (習作)愛〈コンポジション〉
- (習作)幻想曲『静』
- 舞踊創作と学習法
- 舞踊創作のためのエチュード
- 「舞踊創作のためのエチュード」の構成にあたって
- 舞踊創作の練習体系
- 動きのフィーリング・パターン(感情型)◎動きの表現的性質を知る練習◎
- [1] やわらかい動き〈柔軟感〉
- [2] はりつめた動き〈緊張感〉
- [3] はずむ動き〈弾力感〉
- [4] ねばる動き〈求心性〉
- [5] しずかな動き〈静謐感〉
- [6] 力のあふれた動き〈力動感〉
- [7] のびのびした動き〈遠心性〉
- [8] 鋭い動き〈尖鋭感〉
- 動きのフレーズ◎動きの一連の長さをつくる練習◎
- [9] 重厚な動きのフレーズ
- [10] 躍動的な動きのフレーズ
- [11] 流麗な動きのフレーズ
- [12] 断続する動きのフレーズ
- 動きのデザイン◎動きを変化していく練習◎
- [13] 個人の動きの変形
- [14] 集団の動きの変形
- 動きのデッサン◎創作のイメージを豊かにひきだす練習◎
- [15] 習作(1)
- [16] 習作(2)
- 動きのコンポジション◎作品のまとまりと表現性の強化の練習◎
- [17] 打楽器によるダイナミックス〈力性と発想〉
- [18] 劇性とまとまり〈ストーリーをもつ動きのはこび〉
- [19] 反覆性とまとまり〈ABAフォーム〉
- [20] ハーモニーとまとまり〈二群のためのカノン〉
- 「表現運動」・「ダンス」のための ダンス学習法
- ダンス学習法 Movement Lesson
- [T] みんなでおどろう
- [U] 身体の要素
- [V] 運動の要素
- [W] 群の要素
- 記念レコード・CD
- 第6回国際女子体育会議記念レコード―体育における伝統と近代化―
- 幼稚園・小学校低・中学年向
- 世界にひびけぼくらの足音(行進曲)/走れ走れ動物たちのお祭りだ(駈足曲)
- 小学校高学年・中学校・高等学校向
- 調和の美(行進曲)/輝かしき未来へのはばたき(駈足曲)
- 運動とイメージの連合の研究(動きの感情価)
- 舞踊創作のために 創造的芸術経験の累積と発展,1993
- ACCUMULATION AND DEVELOPMENT OF CREATIVE ART EXPERIENCE
- 「舞踊と音楽」によせて
- 宅孝二作曲 「私たちの詩集にそえて」
- 特別講演 運動と音楽
- 2章 ダンス活動に贈る
- 東京教育大学ダンス部 創作舞踊発表会
- [1] 第1回 ごあいさつ
- [2] 第2回 ごあいさつ
- [3] 第3回 発表会に際して
- [4] 第4回 クラブへのねがい
- [5] 第5回 夜明けを
- [6] 第6回 自己の真実を─
- [7] 第7回 リサイタルによせて
- [8] 第8回 生きること・踊ること
- お茶の水女子大学 表現体育学専攻・舞踊教育学科 創作舞踊公演
- [1] 第1回 創作舞踊公演を 初めてもつ若人たち
- [2] 第2回 第3回 生命の火よ 燃えたて
- [3] 第4回 舞踊を創り 踊ることは
- [4] 第5回 動きと,動き以上のもの─
- [5] 第6回 Im wunder sch nen Monat Mai
- [6] 第7回 この一刻の中に……
- [7] 第8回 この世紀末を刻む一瞬に
- [8] 第9回 人間存在そのものを……
- [9] 第10回 天と地の間に……
- [10] 第11回 世紀末芸術の回帰と新生……
- 関東学生舞踊連盟 発表会
- [1] 現代の発言
- [2] “if”の提言
- [3] 新しい空間を新しい独自で
- [4] 天と地と人の大いなる祝祭に
- [5] 舞踊の未来に“プラス・アルファ”を
- [6] 瑞々しい 萌しの風を
- [7] 「想像から創造へ」を掲げた公演に
- [8] Dance ─ Lifelong Participation の時代に─
- [9] 現代に切り込む新しい眼を─
- [10] 第30回を迎える舞踊公演に─
- [11] “可能性─ある願いをこめて─”の舞台におくる
- [12] 巨大なコンクリート社会の現在に
- [13] 美しい暗喩─その熱い人間宣言を─
- [14] 「空」を掲げて
- [15] 第35回の舞踊公演─創造のメカニズムに挑戦する─
- [16] ─個の思索と人間愛を─
- [17] 時代を掘りおこし, 自身を生かしめる刻に─
- [18] 脱様式の世界を期待して
- [19] 未来を拓く眼に期待しつつ
- [20] 言語─非言語のコラボレーション
- [21] 有限の身体・無限の表現
- [22] 創造的思考と飛躍の上演に期待して
- [23] “Switch”の舞台に贈る
- [24] 「HUNGRY」に寄せて
- [25] バランスに寄せて
- [26] 『街』─人間存在を問うときに─
- オールジャパン・ダンス・フェスティバル・神戸
- [1] 第1回 ごあいさつ
- [2] 第8回 ごあいさつ
- [3] 第11回 ごあいさつ
- [4] 第18回 ごあいさつ
- フジ・羽衣シルフィード
- フジ・羽衣シルフィード'88 ──三保の松原での創作舞踊上演─
- フジ・羽衣シルフィード'95
- 研究と情報 フジ・羽衣シルフィード'97
- 「フジ・羽衣シルフィード」─三保に生まれた現代舞踊文化─
- アート─M─とやま ARTISTIC MOVEMENT IN TOYAMA
- [1] 表現の輪をひろげる壮挙
- [2] 第2回のARTISTIC MOVEMENT IN TOYAMA 開催を祝して
- [3] 第3回ARTISTIC MOVEMENT IN TOYAMA 開催を祝して
- [4] ごあいさつ
- [5] 開催を祝しつつ─
- [6] 新たな期待をもって
- [7] 新たなる出発「創作コンクール」
- [8] 少人数の舞台に期待する
- [9] 新しい飛翔のときに
- [10] 新しい飛翔のときに
- [11] オリジナリティに溢れる作演に期待して
- [12] 個の煌めきを希いつつ─
- [13] 個の開花に期待して
- [14] 一期一会の刻に
- 3章 芸術活動に贈る
- 小島章司フラメンコ'95 生命のトレモロを刻みつづけて
- 江口隆哉と舞踊教育回顧
- 研究と情報 伊藤キムと“おてんば ぷりちー ダンサーズ”
- 京都女子中学高等学校ダンス部 創部50周年記念公演 お祝いのことば
- 舞踊家へ
- 作品と作家─河野潤の世界─
- 本格的な海外交流をはじめる 作・演者 竹屋啓子・河野潤
- 心身の激する世界
- 生成と崩壊の過程の中に─
- 人間存在の生への啓示をもたらす舞台
- 松本千代栄 バイオグラフィー
- あとがき /安村 清美 /岩川 眞紀
まえがき
――ひと流れの動きに生命ありと――
舞踊文化を見つめつつ,人間発達と自主創造性の学習を求め続けた年月は,留めおく術もなく過ぎ去ったが,折々の思いをこめた筆跡は,今もその刻々の想いを鮮やかに甦らせる。
第1巻『舞踊論叢』には,創造的芸術経験としての舞踊の特質を問いつつ,体育科のなかに位置づけられた舞踊の存在を,その文化の本質のままに,人間教育に資するものとしようとする思索と努力の日々の論考が収められている。舞踊教育の核心を「ひと流れの動きに生命ありと――」と,見定めて求め歩いた年月の足跡でもある。
第2巻『人間発達と表現――幼・小期』には,奈良女子高等師範学校附属小学校で子どもたちと取り組んだ,初心の実践の記録が収められている。
1945年敗戦。教育の目的を見失った。翌1946年には奈良へ戻り,模索の中に「ダンス」――創作学習に取り組んだ。子どもたちの煌きに瞠目しながら,教育人生の根幹が育まれた日々の記録である。
他方に,幼児の遊びの中核にも,「身体表現」を置くべきだと考えた園との交流。東京都新宿区の幼稚園との長年の取り組みは,この巻にその成果を収めている。
第3巻『人間発達と舞踊創作』は,“大学へ移ることで,あなたと同じではなくとも,あなたの思想を受け継ぐ人が育つ――”と,恩師竹之下休蔵先生の勧めを享けて大学の人となり,広く人間発達と表現を考え,教育・研究を推進する立場に立った時――。
戦後初の「学校体育指導要綱」(昭和22年)で,作成委員として初めて「ダンス」(作品創作・作品鑑賞・表現技術)の名称を採り,創造的芸術経験を学習に採り入れた。その年月の足跡――「教える教育から,ひきだす教育への転換」――「問題解決学習」としての小集団学習の実証的研究と成果を,ここに残している。
また,教師としての自主研修の会――与えられた研修の機会だけでなく,教師は生涯,自発的に研修を続けるべきである――との信条を持し,会を興した日からの足跡もここに収めている。
第4巻『舞踊発想と音楽』――この巻には,人間発達と経験を考え,学習者の表現をより豊かに――と希い,創案・制作した多くの「舞踊発想と音楽」の創案を収集・提示している。
奈良女子高等師範学校附属高校時代の清田倫子先生の豊かな詩歌の教育,東京女子高等師範学校での音楽専攻の学恩,とりわけ,宅孝二先生の「演奏」への深いお導き,また,多くの作曲家の協力なくては,この舞踊音楽発想創案の研究は成し得なかった。想を湧かせ,想を手引きして,新しい創作を拓く先達の役割――こんなに楽しい仕事を続けることができたのは,何よりの幸せであった。
この楽しい豊かな出会いの機会をいただいたのは,日本コロムビアの足羽章・井上英二両氏からであった。
また,この巻には,思いがけない機会を頂いて,英国女王エリザベス二世陛下に捧げた「栄光の春の日に」の作演を収めている。陛下のご覧になるであろう日本の自然や文化を想像しながら,「In Spring Glory――栄光の春の日に」の創案を持ち,子どもたち・学生たちとともに作をまとめた。翌日の新聞には,女王様の美しい笑顔とともに,春の季節の「栄光」と,女王様をお迎えする「栄光」を重ねた発想を生かした作演の写真が大きく掲げられていた。解説者として後部座席に座した私の着物姿を,子どもたちは「先生も女王様みたい!」と喜んでくれた。序破急のはこびで,和楽器も加えての作曲は,演の心をより鮮明にして下さったと感謝している。数少ない洋と和の風情を備えた楽曲として心に残る。
また,「プログラム」には望まれて,多くの「ことば」を贈らせて頂いた。作品が「上演」される時,作者と観者は,初めて「出会いの時」を持つ。「プログラム」には,この「一期一会」の時を,一人でも多くの人に――と願い,“ことば”を贈る。贈る“ことば”は,言い換えれば,作者と主題を見詰める舞踊観であり,また作者・観者に贈る表現愛の心でもある。
第5巻『舞踊教育の開拓』――教職にあった長い年月は,変動の時代に立ち,多くの社会的役割を負う日々でもあった。
体育の中のダンスの在り方を問われつつ,海外での指導・視察の機を得て視野を開き,また,第6回国際女子体育会議東京開催を実現して,海外依存ではなく,自立の襟度を――と,理想とする将来を展望した時期でもあった。
(社)日本女子体育連盟の設立。長として歩き続けることは,研究者としては岐路に立つ日々も少なくはなかった。しかし,社会人としての「私」は,この人間集団の中で育くまれたと省みている。
更に,この巻に収められた,この長い道程の中で頂いた多くの讃辞や評価は,この年月を見守り,育んで下さった,数えきれない多くのお力の証である。お導きを得ての年月を思いかえし,よき見守りを得た人生の幸をあらためて噛みしめ,深謝している。
最後に,「松本千代栄撰集」5巻の編纂を企画・完成して下さった「舞踊文化と教育研究の会」の安村清美(編集代表)・中村恭子・野章子・岩川眞紀の皆様に,また,完成を見ることなく,逝かれた――大鋸桂子様を思い,ここに心からの謝意を表したい。
よき教え子たちに見守られて,共々に歩いた年月は,何よりの至福の時であった。
刊行の実現は,明治図書出版株式会社編集部の石塚嘉典氏,有海有理様をはじめ,編集部の皆様のお力添えによるものである。心細やかに原稿を見届けていただいて,全5巻がまとめられた。
本撰集が,人間発達と舞踊に関わる方々のために,ひとつの灯を点じることになれば,これ以上に嬉しいことはない。
この夏は,韓国忠北大学体育学科創立50年記念国際シンポジウム(実行委員長:下在京教授)に招聘され,英・仏・中国からの講師にお出会いし,記念講演「One Flowing Movement Contains the Total Essence of Human Existence」を終えて帰国。国を越えて師弟の縁を思う時であり,舞踊と舞踊教育の個と汎世界性を思う時ともなった。多くのお力を得て,本撰集が世におくられる――。
この世界の人間文化と教育の限りない充実・発展を願いつつ――。
2007年12月 /松本 千代栄
-
明治図書

















