- はじめに
- 第1章 子どもの虐待のタイプと手がかり
- 虐待の定義
- 1 身体的虐待
- 虐待の概要
- 発見の手がかり
- 虐待する親の特徴
- 対応のポイント
- ダイジェストケース
- 2 性的虐待
- 虐待の概要
- 発見の手がかり
- 虐待する親の特徴
- 対応のポイント
- ダイジェストケース
- 3 養育の拒否・放置(ネグレクト)
- 虐待の概要
- 発見の手がかり
- 虐待する親の特徴
- 対応のポイント
- ダイジェストケース
- 4 心理的虐待
- 虐待の概要
- 発見の手がかり
- 虐待する親の特徴
- 対応のポイント
- ダイジェストケース
- 第2章 子どもの虐待はなぜ起きるか
- 1 虐待に関わる視点 ─子どもの味方としての教師
- 子どもは親の所有物ではない
- 先生は子どもの味方としての立場を堅持する
- 2 虐待の起きる背景
- 親の生育歴と虐待の世代間連鎖
- 虐待が起きやすい家庭の状況
- 地域社会と孤立する家庭
- 子ども自身の要因(発達障害・障害児の子育て)
- 親子関係
- 第3章 虐待発見から援助までの流れ
- 1 校内体制はチームでの対応
- 2 相談・通告窓口
- 3 関連機関の情報収集と連携(要保護児童対策地域協議会)
- 子どもを守るネットワークづくり
- 関係者を集める
- 関係者の役割
- 連携のポイント
- 4 緊急性の判断
- 一時保護をする場所
- 一時保護をした子どもの状況
- 一時保護後の保護者への支援
- 家族の再統合
- 緊急性が高くない場合
- 虐待を受けた子どもたち
- 5 学校での虐待の発見と対応のポイント
- 6 教育相談での発見
- 7 保護者や地域への啓発
- 第4章 授業で虐待防止に取り組む
- 授業で「虐待防止」をどう教えるか
- 1 いろいろな気持ちの顔を描こう(小学校低学年)
- 2 たたく・たたかれる(小学校中学年)
- 3 親からたたかれたとき(小学校高学年)
- 4 子どもの人権とは(中学校)
- 第5章 子どもの虐待事例
- 事例1 お腹を空かせたナツミの場合
- 担任からの訴え/ お腹を空かせたナツミ/ これまでの取り組み/ 栄養失調/ 万引き/ 健康診断/ 児童相談所への通告/ 孤軍奮闘/ ホットラインへの相談/ 援助とネットワーク/ 学校における早期発見
- 事例2 多産・生活苦・未熟な父の場合
- 11人家族/ きっかけはニュース/ ネグレクトの実態/ 幼稚な父親/ 不幸な母親/ 二度目の結婚/ 三度目の結婚/ 子どもたちの実態/ 援助とネットワーク/ 緊急一時保護/ 地域における早期発見
- 事例3 親と生活時間のズレのあるセイコの場合
- 離婚と再婚/ 転校/ CAPNAホットラインヘの通報/ 小学校の取り組み/ 夏休みまで/ セイコの生活/ 夏休み直前/ まとめ
- 事例4 虐待の末、命を失ったエミの場合
- 幸せな家庭生活を夢見て/ 虐待がエスカレート/ CAPNAホットライン/ 誰も助けない状況/ 悲劇の日/ 失敗の原因/ 母親の逮捕と弁護/ 判決/ 母親の生い立ち(面接のなかで)/ 最初の結婚/ 再婚/ 判決後/ 子どもの虐待防止ネットワーク・あいちの反省・どのような支援ができたのか
- 資料1 NPO法人 子どもの虐待防止ネットワーク・あいち(CAPNA)
- 資料2 虐待防止に関するウェブサイト
- 資料3 児童虐待の防止等に関する法律
はじめに子どもの虐待に教師としてどう関わるか
○見えなかった虐待
ちょうど十二年前、私は知り合いの児童福祉士に誘われ、子どもの虐待学習会に参加しました。それまで、「虐待」という言葉は知っていましたが、詳しいことは全く知らなかったのです。
子どもの虐待を学び、虐待の実態に触れ、私は見えなかった虐待に気がつきました。
教師生活の最初に、小学校に勤務し、一年目に不登校の子どもと出会いました。二年目以降、三十年間障害児教育を担当しています。
私のライフワークは教育相談です。相談の中でたくさんの子どもたちに出会うことができました。中学校に勤務していたころは、校内暴力の時期でさまざまな子どもたちに出会いました。また、小学校でも対応が難しい子どもたちと付き合ってきました。
これまで付き合った子どもたちの中に、いま思えばたくさんの虐待を受けた子どもたちがいたのではないかということに気付いたのです。
この思いがその後の、子どもの虐待防止ネットワーク・あいちの活動を支えている一つのきっかけとなっています。
教師はこれまで、非行・不登校・いじめなどの切り口で問題行動をみてきたのですが、これからは「虐待」というもう一つの切り口で、問題を持つ子どもたちをみてほしいと願っています。そうすることによって、これまで子どもの側に原因を求めてきた問題解決の方法が、社会的なネットワークによって解決できるという、新しい方法に気付くことができるのです。
○先生は子どもの味方になってください。
もともと、子どもの虐待は親がわが子に行うことです。子どもから見れば、最も信頼したい親から暴力やいじめを受けるわけです。そのとき誰に助けを求めればよいのでしょうか。昔なら、地域社会の「世話焼きおばさん」がいたのですが、今はその地域社会が崩壊しています。
子どもたちの一番身近にいる親以外の大人は誰なのでしょう。それは、学校の先生や幼稚園の先生、保育園の保育士さん、学童保育の指導員さんたちです。その人たちが、子どもの味方にならなかったら、子どもたちは本当に救われません。
学校・幼稚園の先生、保育園の保育士さん、学童保育の指導員さん、子どもたちを守るために、子どもの味方としての立場で関わってください。
本書が現場の先生方における虐待の発見と対応に少しでも役立ち、一人でも多く子どもたちが虐待から救われることを願っています。
本書の発刊にあたって、子どもの虐待防止ネットワークの仲間のみなさん、明治図書の真鍋恵美さんにご援助いただきました。ありがとうございました。
二〇〇六年四月 /兼田 智彦
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明治図書- 私のまわりに虐待されているのではないかと思う子どもがいます。通ってい保育園の先生に相談すると、うすうすわかっているようですが、行動にうつしてもらえません。子どものことを一番に考えた地域のチームワークが必要です。この本は教師の方に是非読んでほしいと思いました。もっと、意識することが大切なのです。また、誰が一番苦しんでいるのかをわかることが大切です。この本の事例を読んで涙がとまりませんでした。2006/6/11主婦
















