基幹学力シリーズ10
低学年の国語“言葉のきまり&漢字”の授業づくり

基幹学力シリーズ10低学年の国語“言葉のきまり&漢字”の授業づくり

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「言葉の力」とは何かを具体的な授業づくりを通して提案する

新指導要領で、小学1年の国語では、週9時間教えることになった。小1プロブレムということが言われる中、どう指導していけばよいのか。知的な国語授業、特に言葉と漢字に焦点を当てた低学年国語授業づくりのノウハウを1年と2年の低学年について詳述。


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ISBN:
978-4-18-606039-3
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T あなたも“言葉のきまり”(言語事項)を取り扱う授業はやっぱりキライ?
一 単元「ことば」の授業で大切にしたかったこと
二 「ことば」の授業の概要
U 一年生の「ことば」の授業をこうつくる
一 ひらがな・カタカナとの出合いのポイント
二 ひらがな・カタカナの由来となったもとの漢字と比べる授業
三 ひらがなをノートに書く前に、友だちの○○○に書く
四 「。」(句点)と「、」(読点)と「 」をつけよう
五 漢字との出合いのポイント
いっぱい書く
六 漢字でお絵かきをやってみる
V 二年生の「ことば」の授業をこうつくる
一 つくことば(助詞)のひみつ〜「も」のふしぎ〜
二 主語と述語って何?@〜主語を知ろう〜
三 主語と述語って何?A〜述語を知ろう〜
四 つなぎことばを知ろう〜順接と逆接〜
W 漢字の学習について
一 子どもたちは漢字が好きですか?
二 子どもが好きになる漢字カードづくり
三 子どもが漢字を好きになる漢字テストの具体例
1 何のための漢字のテストですか?/2 漢字テストは正解することが大前提/3 子どもが漢字に興味をもつ問題とは?
四 漢字の点画を正しく覚え、楽しむ授業 文字の点画って知っている?
五 漢字のなぞなぞ遊びの具体例
六 学年最後の授業はこう締めくくった!〜「三まいの手紙」の実践例〜
X 基幹学力を育てる授業の必要性
一 基幹学力とは何かを考える
二 自分の考えを表現することを大切にする
三 友だちと考えを話し合う・交流し合う力
四 「みんなで学ぶ」から「みんなが学ぶ」へ〜基幹学力の授業〜
五 新学習指導要領と言葉のきまりの授業
おわりに

まえがき

 教職についてかれこれ二〇年がたとうとしています。その間、何度となく授業を行ってきたのですが、その中で、ほんの数回ですが、「今日のはうまくいった」と思う授業がありました。振り返ってみると一つの共通点があることに気がついたのです。それは、子どもたちが、問題を解決しようと一生懸命“思考している”瞬間がある授業でした。

 “わかって欲しい!”“理解させよう!”と丁寧に教え込もうとすればするほど、理解の速い一部の子どもだけが、私のほうを向いてくれるのですが、そうではない多数の子どもたちは、“何か前でやっているな”ぐらいで、顔をあげようとはしません。

 ところが、教え込むのではなく、ヒントや手がかりをチラチラと見せ、答えが見え隠れするようにしていくと、子どもたちの多くが“んっ”と前を向きだし、答えを探そうとし始めるのです。そうして、「わからない」と頭をかいている様子や「う〜ん」とうなっている様子、それから、以前に取り組んだ問題から解くための手がかりを探している様子など、一生懸命に問題解決へ向かおうとする姿が生まれるのです。

 そうしたひたむきに問題解決へ向かう子どもの姿を前にしたとき、とても居心地のよい思いがしました。

 もちろん、「できた」「うまくいった」と解決した姿を見る場合も“うまく教えることができた”という満足感はあるのでしょうが、そうした“達成した”“解決した”姿より、解決に向けて取り組んでいる子どもと向き合っているときのほうが、教師として、心に充実感があるように思われるのです。きっとそれは、どの子どもも本来もっている、わかりたい、できるようになりたいという学習へ素直に向き合う姿が見られるからだと思うのです。

 もしかしたら、わかってもらいたいと教え込むことは、子ども自身を本当に信用していないのかもしれません。もちろん何も手だてを講じなければ、子どもは伸びも高まりも見せはしないでしょう。でも、どの子もわかるようになりたい、できるようになりたいと願い、そうした力をもっていると信じて、解決への道筋をほんの少し見えるようにしていく中で、子どもたちは問題解決への意欲をわかして、学習へ取り組み始めるのではないでしょうか。

 その取り組み始める瞬間こそ、「あっわかった」というつぶやきが子どもから出るときだと思うのです。

 では、解決の道筋をどのように見えるようにするのでしょうか? それは教師から出されるべきなのか? 子ども自身が見つけるのか? 迷うところです。いつも教師から手がかりが出されるようになるならば、子どもは教師の指示なくしては動かないということになってしまいます。また教師と一人の子どもとのかかわりだけで授業をつくろうとすると、一問一答式の授業になってしまいます。

 迷う私に対して、手がかりを与えてくださったのは、高知附小の先輩である体育科の先生からの次の一言でした。「逆上がりをできるようになりたいと思っている子どもは、指示しなくても、逆上がりができる子どもの動きを一生懸命見る」。なるほどそうです。課題解決に真剣に向かう子どもは、友だちへの関心が高くなる、教師は、友だちとのかかわりが深まるように仕向けていけばよい、これが私が得た結論でした。

 授業は、一人の教師と一人の子どもとでつくるのではないのです。子どもどうしが、「こうしたらどう?」「そうかもしれない」「でも、こっちのほうがいいんじゃない」などと頭をひねっているときに、「こんな道もあるんだけれど…」と教師が少しの手がかりを匂わせるぐらいでちょうどいいのかもしれないのだと。

 子どもどうしがかかわり合い、教師が少し手助けをする、そんな授業の一端をご紹介させていただきます。

著者紹介

田中 元康(たなか もとやす)著書を検索»

1964年東京に生まれる。

高知大学教育学部卒業。

鳴門教育大学大学院修士課程修了。

高知県下の公立小学校を経て,現在高知大学教育学部附属小学校に勤務。

日本国語教育学会所属

全国国語授業研究会理事

基幹学力研究会理事

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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