- まえがき
- 本書の使い方
- T) ここをこうする!エネルギー環境教育の進め方・実践のポイント
- 1.今,必要とされるエネルギー環境教育とは
- ◆エネルギーの問題に対応できる環境教育の必要性
- 2.エネルギー環境教育について大切なこと
- (1) 目標をどのように設定するか―未来へのまなざしをもった人間形成を図ること
- (2) 内容をどのように構成するか―認識内容の構造化を図ること
- (3) どのような学習をするか―探求型学習を通して子どもの主体性を発展させる
- 3.エネルギー環境教育の進め方
- (1) 学校としてのカリキュラムの作成
- (2) 関係機関との連携
- U) 自然・地理・環境的条件 Q&Aワークシート
- @ 化石資源はどうやってできたの?46億年の贈り物(化石資源の成り立ちと有限性)
- A エネルギー資源は,世界に偏って分布しているって本当?(備蓄と自然エネルギー)
- B 石油と灯油はどう違うの?(一次エネルギーと二次エネルギー)
- C 石油より天然ガスの方が環境にやさしいの?(CO2の排出と日本の火力発電)
- D 地球温暖化は,はたして防げるの?(メカニズムと対策)
- E 沖ノ鳥島が日本の温暖化研究の先端基地って本当?(エネルギー利用と温暖化)
- F ヒートアイランドってどこにあるの?(ヒートアイランドのメカニズムと原因)
- G 酸性雨は,今も降っているの?(酸性雨)
- V) 歴史的条件 Q&Aワークシート
- @ 江戸がエコシティーだったというのは本当?(江戸時代のエネルギーとリサイクル)
- A 産業革命がエネルギー革命というのはどういうこと?(人類のエネルギー利用)
- B 日本が太平洋戦争を始めた原因の一つが石油って本当?(太平洋戦争と石油)
- C オイルショックによってトイレットペーパーがなくなる?(中東戦争とオイルショック)
- D 湾岸戦争が起きた時,なぜパニックは起こらなかったのか?(現在のエネルギー事情)
- E 昔のくらしと今のくらし,どれだけ違う?(エネルギー利用の変遷)
- W) 政治・国際・社会的条件 Q&Aワークシート
- @ 日本ではどのようにエネルギーを使っているの?(日本のエネルギー事情)
- A もしも石油の輸入がストップしたらどうなる?どうする?(エネルギー自給率)
- B 日本にも「国家エネルギー戦略」はあるの?(国家とエネルギー)
- C 京都議定書で決めたことって何? 日本は守れるの?(国際的な取り組み)
- D 大気中の二酸化炭素が取り引きされるってどういうこと?(排出権取引)
- E 尖閣諸島の問題(領土問題)はエネルギー問題と関係があるの?(中国ガス田開発)
- F 東京都のディーゼル車NO作戦は効果あったの?(排気ガス規制)
- G 夜の地球が明るいって本当?(世界のエネルギー消費)
- H 中東諸国はどんなエネルギー戦略をとっているの?(中東のエネルギー戦略)
- I 脱原子力は世界的な傾向なの?(ヨーロッパのエネルギー戦略)
- J 日本の電力料金は世界と比べると高いの?(世界の発電形態)
- K どうしてドイツは環境先進国と言われるの?(ドイツの環境政策)
- X) 科学・技術 Q&Aワークシート
- @ エネルギーへの道 エネルギーって何?(科学史)
- A エネルギーをはかる単位ってどんなもの?(カロリー・ジュール)
- B エネルギーは形を変えるってどういうこと?(エネルギーの転化)
- C 原子力発電ってどんな発電なの?(原子力発電の長所と短所)
- D 身の回りに放射線が走っているって本当なの?(身近にある放射線)
- E 新エネルギーで未来はバラ色?(新エネルギーの長所と短所)
- F 植物が燃料になるの?(植物燃料とバイオマス)
- G 夢のエネルギーってあるの?(核融合とトリスタン計画)
- Y) 消費・日常生活 Q&Aワークシート
- @ 日常生活で私たちはどのくらいのエネルギーを使っているの?(家庭のエネルギー消費)
- A 待機エネルギーってどのくらいのエネルギーを使うの?(省エネの方法と効果)
- B きゅうりはいつ食べる?キウイフルーツはどこ産?(LCA)
- C エコラベルは効果あるの?(省エネラベル)
- D サマータイムに賛成する? しない?(サマータイムの効果)
- E エコハウスでどれくらいの省エネが実現できるの?(エネルギーロスと住居)
- あとがき
まえがき
21世紀の教育は,現実の社会に「生きる力」を育てていくことが求められています。最近では,「人間力」といったような言い方をして,この資質・能力を表そうとしています。現実の社会でしっかり生きていくためには,現実の社会へきちんと目を向け,問題や課題を関知し,その解決のために社会に参加していくことが必要です。
エネルギーの問題は,まさに現実の社会が直面している大きな問題です。この問題の解決なくして,私たちの生活をこのまま存続させることは不可能なのです。特に,エネルギー資源に乏しい日本においては,エネルギーの問題はまさに死活問題と言ってもいいのです。さらに,地球温暖化の進行がこの問題の重要性に拍車をかけています。極めて重大な局面をむかえつつあると言ってもいいと思います。
こうした問題に対応する教育が早急に必要であり,それがエネルギー環境教育にほかなりません。現在,学校においては,まだまだ十分とは言えませんが,環境教育は行われるようになっています。1996年の中央教育審議会答申においては,ひとつの章を設けて環境教育の重要性と必要性が述べられています。ところが,日本の環境教育は,最近までエネルギーの問題にほとんど対応できていなかったというのが実状です。1973年にオイルショックを経験しているにもかかわらずです。「持続可能な社会の構築」とか「持続可能な開発のための教育」という考え方が登場してきて,最近になりようやく環境教育としてエネルギーの問題の扱いは重要だと気付くようになったのです。
「エネルギーの問題」を中心とする環境教育,つまりエネルギー環境教育が今,求められているのです。
こうした状況を踏まえて,本書ではエネルギー環境教育の理念や進め方を述べるとともに,中学校でエネルギー環境教育を実践していくうえで活用できるワークシートを提供したいと考えました。エネルギー環境教育を進めていくためには,明確な理念に基づく具体的な実践が重要ですが,本書がそれに少しでも貢献したいと考えたからです。
エネルギー環境教育の重要性や必要性は理解できるのだけれども,実際にどのように進めていけばよいのか迷っている学校や教師の方々に,本書が実践の手がかりとして,また深化・発展の手助けとなればこのうえない幸いです。
平成20年2月 /山下 宏文

















解説ページの関連資料・エピソードが豊富なので、環境教育に取り組む際の参考テキストとしておすすめできる1冊です。