- プロローグ
- 第1章 国語科授業の現状と課題
- 第1節 国語科に求められているもの
- (1) 学力調査の結果から
- (2) だんだん国語を「きらいになる」わけから
- (3) 社会から
- 第2節 教える側から
- 第2章 求められる「伝え合う力」の育成
- 第1節 国語科の学力
- (1) 「コミュニケーション力」「伝え合う力」「人間関係形成力」
- (2) 国語科で育成すべき学力「伝え合う力」
- 第2節 学ぶ力として
- 第3節 人間関係を構築する力として
- 第3章 「伝え合う力」を育てる授業の構想
- 第1節 「伝え合う力」とは
- 第2節 「伝え合う力」と評価
- 第3節 「伝え合う力」の授業
- (1) 個の学びを保障すること
- (2) 着地点が明確になる学習
- 第4節 単元構成
- (1) 単元を作る
- (2) 単元に向かわせる力,興味関心の持たせ方
- (3) 単元計画
- 第4章 「伝え合う力」を育てる授業の実践事例
- 第1節 言葉とかかわるよろこび(1年)
- (1) 平仮名の指導T(一筆書き)
- (2) 「あいさつ」の指導
- (3) 学んだことをいろいろアレンジして
- 第2節 伝え合いを生かして基礎・基本の定着を図る
- (1) いろいろな車ブック(1年)
- (2) まつりブック(2年)
- (3) たからさがし(2年)
- 第3節 読みを広げる
- (1) 雪の日の本をたくさん読もう(1年)
- (2) 「たんぽぽ」(2年)
- (3) 「むかしばなしのおもしろさを」(2年)
- 第4節 自分を見つめる・自分を広げる・伝え合う
- (1) 自己紹介(5年)
- (2) 「身近な人を紹介しよう」(6年)
- (3) 自分史(12歳の記録)(6年)
- 第5節 総合的な学習に生きることばの力
- (1) 「そうべえ ごくらくへゆく」
- (2) 狂言「末広がり」(6年)
- エピローグ
プロローグ
これからの時代に生きて働く力として,国語科では「伝え合う力」が,平成11年度版の学習指導要領「解説」で,次のように示された。
人間と人間との関係の中で,互いの立場や考えを尊重しながら,言語を通して適切に表現したり正確に理解したりする力でもある。これからの情報化・国際化の社会で生きて働く国語の力であり,人間形成に資する国語科の重要な内容となるものである。 (第4節 国語科の目標)
学習指導要領には,具体的な言語活動例が示されている。
各学校では,「伝え合う力」を高める学習の実践が取り組まれ,言語活動の最後の場面が多い。そこでは,手順の学習になったり,交わされる言葉のやりとりも一般的になっているものが多い。
人が言葉を発する時,話したい聞きたいことの内容が必ず存在している。話し手の中に話したい内容がいかに充実するかにより,伝え合う力を発揮しなければならない必然性が生まれてくる。そのことが重要である。
伝え合う力は,言語活動の習得というコミュニケーション技術やプレゼンテーション技術の習得ではないのではないか。しかし,残念ながら,伝え合うことの内容をいかに充実させるかという手立てに主眼をおいた実践が,問題になっていないことが多い。自分の実践を振り返っても,どうしてこのように豊かに伝え合うことができたのかということに主眼をおいた実践を記録するという点において不十分であった。
「伝え合う力」の育成にあたっては,もちろん,伝え合う相手の存在と,伝え合う目的に応じた適切な方法を選択し,選択した方法の良さを最大限生かすことも大変重要である。
相手意識と目的意識を明確にして,目的にあった方法を選択し,充分に伝え合うことができたかどうかを,話し手と聞き手が相互に確認しあうという一連の方法を学ぶことは,国語科が育成すべき学力の主要な役割でもある。それぞれの話し手に伝えるべき充実した内容をいかにもたせることができるかということが指導上重要なのである。言いかえれば,自らがどのように課題に関われば充実した内容を持つことができるかという,課題に積極的に関わっていける力を身につけることも「伝え合う力」の一部分になるのではないかと考える。課題を見つけ,積極的に関わっていこうとする力は,他教科における基礎的基本的な力に通じる。すなわち,国語力は,「伝え合う力」の育成によってつけることができるということ。「伝え合う力」は,人間関係を形成する力であり,他教科の基礎的基本的な力であるということ。
このように考えるに至って,実践に取り組んできた。しかし,充分にその意図が反映された実践例になっているとは言えないものもある。今後も,実践を通して検証をしたいと考えている。
2005年11月 /木下 美和子
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明治図書
















