カウンセリングの新時代3学校教育相談と保健室―臨床心理士との連携による活性化―

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スクール・カウンセラー活用で学校教育相談と保健室の新しい関係を探り、養護教諭の仕事を明確化させ、養護教諭と臨床心理士との連携の必要性を説く。事例編でその具体化。


復刊時予価: 2,673円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-129804-3
ジャンル:
教育学一般
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 176頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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第1部 基礎編
第T章 学校教育相談と保健室
1 はじめに
2 文部省スクール・カウンセラー活用事業の現状
1 単独校方式
2 拠点校方式
3 巡回方式
3 学校教育相談と保健室
4 学校臨床心理士との連携の可能性
5 おわりに
第U章 養護教諭の仕事
1 はじめに
2 養護教諭の職務
1 学校の組織のなかでの養護教諭の職務
2 保健室経営
3 Plan-Do-See
3 心の健康問題を抱える児童生徒への支援
1 養護教諭の行う健康相談活動(ヘルス・カウンセリング)
2 保健室登校生徒とのかかわり
3 スクール・カウンセラーとの連携―スーパーバイザーとして―
4 養護教諭の役割
4 子どもが抱いている保健室のイメージと望む養護教諭像
1 保健室のイメージ
2 生徒の望む養護教諭像
5 おわりに
第V章 保健室で聞いた不登校児の声
1 はじめに
2 インタビュー調査の概要
1 欠席し始めた時期と不登校の期間
2 欠席のきっかけ,理由
3 周囲に望んでいたこと
4 学校に復帰したきっかけ
5 不登校の生徒にとって「不登校」とは?
6 保健室・養護教諭とのかかわり
3 不登校を経験した生徒の声
1 「先生とうまくいかない」「なんとなく」夏休みの延長で欠席し始めたA君
2 「クラスメートがいや」「学校に行っても居場所がなくて…休むしかなかった」Bさん
3 「一度休み出したら行きづらくなって,ずるずる休んでしまった」Cさん
4 「集団の雰囲気がいや」D君
4 考 察
第W章 ヘルス・カウンセリングと教育行政
1 はじめに
2 養護教諭と保健室
1 養護教諭の歴史
2 養護教諭の法的位置付け
3 学校保健
4 保健室の法的位置付け
3 養護教諭の資格と職務
1 養護教諭の資格
2 養護教諭の職務
4 養護教諭と保健主事
5 健康教育行政の推移
6 養護教諭への期待
1 ヘルス・カウンセリングの必要性
2 保健室登校
3 教育相談係としての養護教諭
7 おわりに
第2部 事例編
第X章 養護教諭,臨床心理士との連携の必要性
─高等学校における事例をめぐって,教師カウンセラーの立場から─
1 はじめに
2 事 例
1 A子との出会い
2 状態の悪化
3 臨床心理士によるコンサルテーション
3 養護教諭の役割
1 問題を抱えた生徒の保護者との対応
2 担任・学年団の教師との対応
3 校外の医療機関(精神科医)との対応
4 臨床心理士と保健室との連携
5 おわりに
第Y章 学校教育相談活動の専門性と臨床心理士
─養護教諭の立場から─
1 はじめに
2 事 例
3 指導の経過
1 不可解な行動の始まり
2 臨床心理士によるコンサルテーション
3 問題を抱えたままの卒業
4 10後の再会
4 考 察
5 学校教育相談活動の専門性
第Z章 養護教諭との連携を生かした学校臨床心理士の役割
─臨床心理士の立場から─
1 はじめに
2 事例1 中学生になってから急に不登校になった服子の事例
1 学校臨床心理士がスクール・カウンセラーとして赴任するまで
2 スクール・カウンセラーとしてかかわってから
3 考 察
3 事例2 小学校のときから不登校だったひとみの事例
1 学校臨床心理士が赴任するまで
2 スクール・カウンセラーとしてかかわってから
3 考 察
4 まとめ
1 学校内での連携と役割分担
2 小中学校での児童生徒の心のケア
第[章 養護教諭との連携による不登校児の援助
─臨床心理士の立場から─
1 はじめに
2 事 例
3 援助の経過
4 考 察
1 不登校の背景
2 援助の経過
3 保健室との連携
第\章 保健所での「集える場」づくりの実践
1 はじめに
2 フリースクール活動の背景と主旨
1 背 景
2 活動の主旨
3 フリースクールの活動状況とメンタルフレンドの役割
1 参加者および活動状況
2 参加状況
3 メンタルフレンドの役割
4 学校復帰に至るまでの経過
事例1:イラストによる自己表現が自信につながったLさん
1 事例の概要
2 フリースクールでの活動状況
3 事例の考察
事例2:長い不登校期間を経て高校に進学したB君
1 事例の概要
2 フリースクールでの活動状況
3 インタビューの結果
4 現在の状況
5 事例の考察
5 考 察
1 フリースクール活動の成果
2 心の問題を持つ子どもへの支援モデルとして─学校現場で─
あとがき

はじめに

 文部省が平成7年度から始めた「スクール・カウンセラー活用調査研究委託事業」は,現在(平成11年度)のところ,まだ「調査研究」として試行の段階である。よりよい形でのスクール・カウンセラーの活用が慎重に模索されている。そして,いずれ,なんらかの形で制度化されるであろうことが期待されている。これまでに筆者らは,この事業の意義と,この事業によって学校教育相談の実践がさらに深まっていくであろうことを指摘し(平松・藤井 1996),また,この事業を推進していくための組織づくりの課題についても考察を行ってきた(平松 1998)。さらに,今回は,養護教諭と保健室の観点から,学校臨床心理士の学校現場への導入と,教師カウンセラーや養護教諭との連携による学校教育相談の活性化について考えてみたい。

 文部省のスクール・カウンセラー試行事業が始まってから,この主題に関連した研究物がいくつか刊行されるようになったが,養護教諭と保健室の観点を中心に取り上げたものは,今のところほとんどみられない。本書では,学校臨床心理士が教師カウンセラーと連携するのと同じように,学校教育相談の推進には養護教諭との連携も必要であると考える。

 なお,本書では,村山(1995)らにならい,学校現場に派遣されている臨床心理士のことを「学校臨床心理士」,校務分掌として教育相談・生徒指導を担当する教師を「教師カウンセラー」と呼ぶことにする。これは,文部省の試行事業以前から一部の私立の中学・高等学校などにすでに導入されていたスクール・カウンセラーと区別することと,一般論としてスクール・カウンセラーについて論じるのではなく,文部省の試行事業によって新しく生じてきたスクール・カウンセラーの仕事について論じようとしているためである。

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