知的障害養護学校・特殊学級 改訂指導要録記入の実際と文例集

知的障害養護学校・特殊学級 改訂指導要録記入の実際と文例集

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「総合的な学習の時間」欄の新設,「養・訓」を「自立活動」,「指導上参考となる諸事項」と「総合所見」の統合が主な改訂点であり,本書は記入にすぐ役立つ具体的文例集。


復刊時予価: 2,563円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-107319-X
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
13刷
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 指導要録改善の基本方針等
(1) 指導要録の改善等についての通知
(2) 指導要録の性格
(3) 指導要録改善の基本方針
(4) 特殊教育諸学校の指導要録
(5) 評価の観点と記入方法
第2章 「様式1 学籍に関する記録」
(1) 「児童生徒」の欄
(2) 「保護者」の欄
(3) 「入学前の経歴」の欄
(4) 「入学・編入学等」の欄
(5) 「転入学」の欄
(6) 「転学・退学等」の欄
(7) 「卒業」の欄
(8) 「進学先」の欄
(9) 「学校名及び所在地(分校名・所在地等)」の欄
(10) 「校長氏名印」「学級担任者氏名印」の欄
第3章 「様式2 指導に関する記録」
1 記入上の一般的留意事項
2 各教科
1 各教科の記入上の留意事項
◇小学部・特殊学級
2 生活科の文例
基本的生活習慣/ 健康・安全/ 遊び/ 交際/ 役割/ 手伝い・仕事/ 決まり/ 金銭/ 自然/ 社会のしくみ/ 公共の施設
3 国語の文例
話す・聞く/ 書く/ 読む
4 算数の文例
数と計算/ 量と測定/ 図形/ 数量関係/ 実務
5 音楽の文例
身体表現/ 歌唱/ 鑑賞
6 図工の文例
造形あそび/ 絵画/ 粘土/ デザイン・工作/ 鑑賞
7 体育の文例
基本の運動/ ゲーム/ 器械運動/ 水泳/ ボール運動/ 表現運動/ 保健
◇中学部・特殊学級
1 国語の文例
話す・聞く/ 書く/ 読む
2 社会の文例
役割/ 仕事/ 社会のしくみ/ 公共の施設
3 数学の文例
数と計算/ 量と測定/ 図形・数量関係/ 実務
4 理科の文例
動植物とその環境/ 物質とエネルギー/ 地球と宇宙
5 音楽の文例
身体表現/ 歌唱/ 器楽/ 鑑賞
6 美術の文例
絵画/ 粘土/ デザイン・工作/ 鑑賞
7 保健体育の文例
基本の運動/ ゲーム/ 器械運動/ 水泳/ ボール運動/ 表現運動/ 保健
8 職業・家庭の文例
生活に必要な実際的な知識/ 生活に必要な実際的な技能/ 実際の生活に生かす態度
3 特別活動
1 特別活動の記入上の留意事項
2 特別活動の文例
◇小学部・特殊学級
学級活動/ 児童会活動/ クラブ活動/ 学校行事
◇中学部・特殊学級
学級活動/ 生徒会活動/ 学校行事
4 自立活動
1 自立活動の記入上の留意事項
2 知的障害以外の障害を併せ持つ場合の文例
情緒障害・自閉/ 学習障害(LD)/ 注意欠陥/ 多動性障害(ADHD)/ ダウン症/ 肢体不自由/ 弱視/ 難聴/ 病弱・虚弱/ てんかん/ 感覚・知覚
5 総合的な学習の時間
1 総合的な学習の時間の記入上の留意事項
◇中学部・特殊学級
2 総合的な学習の時間の文例
国際理解/ 情報/ 環境/ 福祉・健康/ 生命/ 行事/ その他(交流)
6 領域・教科を合わせた指導を行った場合
1 領域・教科を合わせた指導の記入上の留意事項
2 日常生活の指導の文例
食事/ 排泄/ 清潔/ 衣服の着脱/ 健康/ 睡眠/ 遊び/ 挨拶/ 交際/ きまり/ 安全/ お金/ 自然/ 社会のしくみ/ 公共の施設/ 役割/ 手伝い・仕事
3 遊び学習の文例
水遊び/ 砂遊び/ 粘土遊び/ 紙遊び/ 色遊び/ 積木・ブロック遊び/ リズム遊び/ ボール遊び/ 屋内体育遊具遊び/ 屋外遊具遊び/ ごっこ遊び・伝承遊び
4 生活単元学習の文例
楽しい学校・学級・歓迎会・友達・交通安全・学級園/ 春の野山・家族・校外学習/ 丈夫な体・健康診断・体力測定・つゆと生活・時計・歯/ 遠足・修学旅行・宿泊学習・合宿・キャンプ・○○狩り・ハイキング・林間学校・臨海学校・友達の家泊まり/ 子供の日・母の日・父の日・敬老の日/ 夏休み・夏のくらし・七夕・プール・夏祭り/ 運動会・体育祭・陸上競技会・駅伝・スキー・スケート・マラソン・ランニング・親子運動会/ 劇活動・音楽会・バザー・作品展・鑑賞会・展覧会・書初め/ 親子調理・家族の役割/ 当番活動・職場見学・職場実習・進路相談/ 秋の登山・稲刈り・秋祭り・みかん狩り/ こいのぼり・もちつき・たこあげ・年賀状・冬の遊び・クリスマス会・節分・ひな祭/ 乗り物ごっこ・お客様ごっこ・電話ごっこ/ お楽しみ会・誕生会・親子のつどい・餅つき大会・凧上げ大会・カルタ大会/ ○○遊ぼう・○○ランド・○○祭り・○○フェスティバル/ お別れ会・送別会・文集・思い出・進級
5 作業学習の文例
紙工/ 木工/ 農耕/ 園芸/ 窯業/ 印刷/ 縫工/ 洗濯/ 調理/ 織物/ 委託加工,その他
7 「行動の記録」
1 「行動の記録」の記入上の留意事項
2 「行動の記録」の文例
基本的生活習慣/ 健康,体力の向上/ 自主,自律/ 責任感/ 創意,工夫/ 思いやり,協力/ 生命尊重,自然愛護/ 勤労,奉仕/ 公正・公平,公共心,公徳心
8 「入学時の障害の状態」
1 「入学時の障害の状態」の記入上の留意事項
9 「総合所見及び指導上参考となる諸事項」
1 「総合所見及び指導上参考となる諸事項」の記入上の一般的留意事項
2 総合所見の文例
各教科/ 特別活動/ 自立活動/ 行動の記録
3 指導上参考となる事項の文例
児童生徒の特徴/ 奉仕活動・受賞/ 知能・学力等の検査結果/ 進路指導の記録
10 「出欠の記録」の欄の扱い
(1) 「授業日数」の欄の扱い
(2) 「出席停止・忌引等の日数」の欄の扱い
(3) 「出席しなければならない日数」の欄の扱い
(4) 「欠席日数」の欄の扱い
(5) 「出席日数」の欄の扱い
(6) 「備考」の欄の扱い
11 重複障害者等についての指導に関する記録
【改訂指導要録記入の実際例】
○ 小学校知的障害特殊学級指導要録例
○ 知的障害養護学校小学部指導要録例
本文中の「自立活動」「領域・教科を合わせた指導」「行動の記録」「総合所見・指導上参考となる諸事項」は,「T」を養護学校小学部,「U」を養護学校小学部・小学校特殊学級,「V」を養護学校中学部・中学校特殊学級として表している。

まえがき

 本書を作成するに当たり,指導要録40年の変遷を辿ってみよう。

 昭和37年版学習指導要領制定にともなう指導要録の様式は,知的障害養護学校の数が少なかったこと,また,特殊学級は軽度であるため通常の教育に準じた様式を使用していたため,ほとんど問題とされなかった。

 昭和45年度版の第1回改訂にともなう指導要録の主な改訂は次のようである。

 @「本籍」欄の廃止 A「健康の記録」欄の削除 B「転入学」欄の記入内容の変更 C「入学時の心身障害の状態」欄の新設 D「学習の記録」欄は,文章表現で,など。

 通常の教育と大幅に改めたのは,様式の裏の「学習の記録」欄で,相対評価は困難であるため個人内評価を文章で記述することにした。さらに,「養護・訓練」の領域が新設されたため,指導要録においても「養護・訓練」欄が新設された。

 昭和54年度版の第2回改訂にともなう指導要録の主な改訂は,次のようである。

 @訪問教育を行った場合の「出欠の記録」欄の記入上の注意事項 A領域・教科を合わせた指導を行った場合は,様式の適切な工夫を B教護院又は少年院の場合の指導要録の取扱に関する記述の省略,など。

 通常の教育の「各教科の学習の記録」の「T評定」欄は,5段階で評定することになっているが,知的障害の養護学校や特殊学級の場合は少人数であること,能力差が著しいことなどにより評定が困難。また,「各教科の学習の記録」の「U観点別学習状況」の欄は,「+印」「−印」を付けることになっているが,知的障害養護学校の場合は,文章表現のためにこの欄がない。

 知的障害養護学校の場合は,特に,「学習の記録」の欄は,領域・教科を合わせた指導を行っている場合は,教育課程に準じて枠をつくってもよいとし,養護・訓練を主とした場合は,ただ枠のみで,自由に記入できる枠のみでもよいとした。

 平成元年度版の第3回改訂にともなう指導要録の主な改訂は,次のようである。

 @「学籍の記録」は20年間保存,「指導に関する記録」は5年間保存に A「保護者の職業」と「児童生徒との関係」は削除 B「学習の記録」では「観点別学習状況」の重視に,など。

 観点別学習状況の観点は,基本的には,「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」である。知的障害教育は,当初から上記のような意図を踏まえた評価をしてきた。

 平成11年度版の第4回改訂にともなう指導要録の主な改訂は,次のようである。

 @「総合的な学習の時間」の欄の新設 A「養護・訓練」を「自立活動」に B「指導上参考となる諸事項」と「総合所見」を統合して「総合所見及び指導上参考となる諸事項」に,など。

 新指導要録の「学習の記録」欄は,「生きる力」「自ら学び自ら考える力」「個の伸長」などを考慮し,「新評価観」「新学力観」に基づき記入することになるが,このことは,生活中心の教育,児童生徒中心の教育をしてきた知的障害教育は,戦後一貫して考慮・実践してきたことである。

 本書は,日々実践している先生方に役立つように具体的な文例集として作成した。指導要録記入に役立てば幸いである。

 作成に当たっては,極めて忙しい時期の原稿依頼であったが,ご協力いただいた執筆者の皆さん,また,いつものことであるが,特別のご高配をいただいた明治図書出版株式会社並びに編集部の三橋由美子氏に心からお礼を申し上げる次第である。


  平成14年7月   編者 /宮崎 直男

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      明治図書

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