- まえがき
- 第1章 子どもを理解する
- [1] 子ども理解の方法
- [2] 子どもの育ち
- *上杉・提言のまとめ「子どもを理解するということ」
- @「子ども理解」の移り変わり
- A「ガイダンス」の考え方に学ぶ
- B先の展望をもてる教師に
- *園田・提言のまとめ「子どもを理解するということ」
- @「子どもに好かれる教師」になるために
- A「子ども理解」は子どもの話に耳を傾けることから
- 第2章 学級は汗を流して創り上げるもの
- [1] 学級の組織化
- [2] 子どもの世界
- *園田・提言のまとめ「学級は汗を流して創り上げるもの」
- @子どもがつながるには「ボンド」が必要
- A子どもは本来「ハラハラ・ドキドキ・ワクワク」体験が大好き人間
- *上杉・提言のまとめ「学級の組織化をどうするか」
- @「学級」はわが国に固有の教育文化
- A「学級を創る」ということ
- B「あなたがいたからよかった」という実感がもてる学級
- 第3章 教師としての成長
- [1] 教師の成長
- [2] 自己研修から授業へ
- *園田・提言のまとめ「教師としての成長」
- @教師は言葉を出し惜しみするぐらいがよい
- A教師もまた実践力を磨いて「なる」もの
- *上杉・提言のまとめ「教師としての成長」
- @子どもから学ぶ
- A同僚から学ぶ
- B相対的存在であることへの自覚
- 第4章 学力問題への対応
- [1] 学力問題への対応
- [2] 子どもの学び
- *上杉・提言のまとめ「学力問題への対応」
- @いわゆる「基礎・基本」と応用力の関係
- Aみんなで伸びるための学力
- B「知・情・意」の三分法から見えてくること
- *園田・提言のまとめ「学力問題への対応」
- @学習意欲を呼び覚ます教育活動を
- A共通基礎学力重視と反復主義の次に吹く風
- 第5章 保護者との関係を築く
- [1] 保護者との関係をどう築く
- [2] 保護者と一緒に
- *園田・提言のまとめ「保護者との関係を築く」
- @懇談会で子どもを熱く語れる教師に
- A保護者と相互信頼の基盤を築くには
- *上杉・提言のまとめ「保護者との関係を築く」
- @風評にまどわされない
- Aモンスターになりたくてなったわけではない
- B子どもを中心に据えて,保護者とつくる
- 第6章 生徒指導上の問題への対応
- [1] 不登校への対応
- [2] 「いじめ問題」への対応
- *上杉・提言のまとめ「生徒指導上の問題への対応」
- @ノートレランスの考え方
- Aトーキング・サークルという方法
- B問題行動には根っこがある
- *園田・提言のまとめ「生徒指導上の問題への対応」
- @まずは「楽しくてしかたがない学級」づくりを
- A建設的な学級づくりを愉しむべき
- 第7章 学校を変える教師の力
- [1] 教師としての力を付ける
- [2] 教師集団の力
- *園田・提言のまとめ「学校を変える教師の力」
- @「何でもやってやろうじゃないか」精神を
- A「子ども像」より「子ども観」の磨き合いを
- *上杉・提言のまとめ「学校を変える教師の力」
- @学校改革の担い手になる
- A経済産業省が考える「社会人基礎力」
- Bフットワーク,ネットワーク,チームワーク
- あとがき
まえがき
本書は,教壇に立って間もない若い先生方にエールを贈ることを目的として編纂されました。そして,それはただひたすらがんばれと励ますことではなく,教育者としてのキャリアを的確に積み重ねるための道筋をお伝えすることによって可能になると考えています。
二人の著者の共通点は,小学校教員を長い間務めてから大学教員に転じたことです。そして,現在もなお,教育の現場に足繁く通い,教育の在り方を先生方と一緒に問い続けていることです。大学といえば,世間では理論的な研究が中心だと思われています。その重要性は疑いようもありませんが,実践の創造的展開に資することのない理論や高説は無用だと思う点も,二人の重要な共通点です。
世の中には不思議な縁というものがあります。さしずめ,私にとって園田雅春先生との関係はその典型だと言えます。
もう20年近くも前のことでしょうか。今回も出版の機会を与えてくださった明治図書の仁井田さんから,「関西に面白い(「おもろい」と言ったかもしれません)先生がいる」との情報がありました。早速,書かれた文章などを読んでみると,確かに並はずれて面白いのです。その後も,読めば読むほど園田先生が描く圧倒的な世界観に引き込まれていきました。情報は限られていましたが,それでも同じにおいのする同年代の先生が大阪にいるという事実だけで,私は大変勇気づけられました。かといって“遠距離恋愛”をするわけでもなく,しばらくは園田先生の書かれた書物や文章を読んでは,百万の援軍を得たような気分で実践に打ち込んでいました。
私が大学教員に転じたばかりのことでしたが,改めて仁井田さんから書評の依頼が届きました。園田先生の著書『ふだんの授業からつくる総合学習〜園田流教師Ka業のたのしみ方〜』でした。出版年は2000年で,総合学習関連の本としてはかなり早い出版でした。とりたてて「総合的な学習の時間」などが学習指導要領に掲げられなくても,そのスピリットはとっくに折り込み済みでした。むろん,依頼は二つ返事で引き受けました。そのときの原稿はすでに手元になく,正確に再現することはできません。しかし,園田先生もまた大学の教員になるというタイミングでもあったので,「大学教員にするにはもったいないくらいの実践者」というようないささか失礼な形容をしたことを記憶しています。
このあたりから,急に園田先生に会いたくなりました。そこで一計を案じ,当時私が主宰していた千葉総合的学習研究会の夏期セミナーにお招きすることにしました。仁井田さんから最初に情報をいただいてからざっと10年。これが,園田先生との初対面でした。でも,なぜか旧知の仲間と再会したような不思議な気分でした。
園田先生と私の共通点はかなりあります。お互いに典型的な団塊世代で,共に小学校の教壇に立ち,子どもたちと正面から向かい合ってきました。その後,大学教員に転じました。しかし,そうした経歴上の共通点を超えて,教育という仕事へのスタンスまでもがほとんど同じことに驚いています。大阪と千葉という遠く離れた場所で仕事をしていて,まったくつながりもなかった二人が,ほとんど同じように思考するのはなぜでしょうか。この興味深い分析は,いつのことかは分かりませんが,お互いにこの仕事から身を引く時期までとっておくことにしましょう。
その園田先生から,仁井田さん経由で今回の企画をもちかけられました。むろん,ここでもまた二つ返事で引き受けました。園田先生には千葉までお運びいただき,長時間にわたる議論を通してできあがったのが本書です。混迷する教育の状況を切り拓くためのビジョンとパワーを,読者のみなさんと分かち合えればこんなにうれしいことはありません。
2010年1月 /上杉 賢士
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明治図書
















