楽しい体育の授業 2011年12月号
子どもの歓声あがる“体力向上運動”の秘訣

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楽しい体育の授業 2011年12月号子どもの歓声あがる“体力向上運動”の秘訣

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2011年11月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 子どもの歓声あがる“体力向上運動”の秘訣
特集の解説
子どもの歓声あがる“体力向上運動”の秘訣
根本 正雄
実践事例
(1)多様な動きをつくる運動遊び(低学年)
体ほぐしの運動/変化のある繰り返しで行う氷鬼
夏井 圭太郎
走の運動遊び/変化をつけたり、組み合わせたりする
前川 淳
跳の運動遊び/友だちと関わり、主体的活動を生む「跳の運動遊び」
川田 剛
固定施設を使った運動遊び/運動場の遊具を効果的に利用する
橋本 有弥
鬼遊び/ルールの工夫で楽しさ倍増! 汗びっしょりの鬼遊び!
脇坂 浩之
ボールゲーム/汗びっしょり! 子どもが夢中になる「ボール投げゲーム」
千原 一弘
(2)多様な動きをつくる運動(中学年)
体ほぐし/ルールの工夫で運動量倍増 ジャンケンを使った体ほぐし
豊永 友則
かけっこ・リレー/“体力向上の秘訣”は局面の限定にあり! 初めての周回リレー
浦木 秀徳
マット運動/みんな楽しく参加! マット運動(前転)
浅川 剛
鉄棒運動/変化のある繰り返しでほめ続ける鉄棒運動
石坂 陽
跳び箱運動/「連続跳び」と「シンクロ跳び」で跳び箱運動でも、運動量が格段に上がる!
早川 揮一朗
リズムダンス/子どもが多様な動きをつくりだすリズムダンス
戸ア 恵
(3)体力を高める運動(高学年)
体ほぐし/変化のある繰り返しで運動量を確保する体ほぐし 壁タッチ・ドンタッチ
山下 好剛
体力を高める運動/フラフープを使って楽しく体力を高める
大貝 浩蔵
短距離走・リレー/トリオ学習で体力UP!
浜條 信彦
走り幅跳び/教師が観点を示し個別評定をすることで子どもは成功体験を味わう
沖平 和生
ボール運動/「ならべっこベースボール」でみんなで走る!
辻 和彦
表現/見た目以上の運動量“エア和太鼓”
塩苅 有紀
ミニ特集 12月 すぐに授業ができる!今月の単元計画
低学年/基礎感覚・基礎技能をつくる跳び箱遊び
太田 健二
中学年/跳び箱 きれいな跳び方・回り方を指導する
辻岡 義介
高学年/パーツで構成する持続走と走り幅跳びの指導
本吉 伸行
ライブで体感!TOSS体育講座
見せろ東北魂! 体育で被災地の子どもを笑顔に!
村田 斎
〜第9回TOSS体育東北フレッシュセミナー(第6回杜の都のTOSS体育全国セミナー)〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
「技の美しさ」と、「誠実に努力する姿の美しさ」美しさを追求する指導には二つの側面がある
平山 勇輔
マンガで見る楽しい体育指導 (第141回)
TOSS体育直伝マンガ(長なわコンビネーション!)
石橋 健一郎
図解・単元を貫く学習の場作り (第9回)
向山型実践「スタンディングスタートの授業」U
平山 勇輔
図解・運動量豊富なミニゲーム (第9回)
長時間の運動を保証する風船遊び
竹森 正人
私にもできた子どもを熱中させる授業 (第9回)
誰でもヒーローになれる持久走の授業
郡司 崇人
〜自分の力を客観的に判断して目標設定をすることで、授業と大会で熱中させることができる〜
初任者必見!体育授業ちょっとしたコツ (第9回)
「よい動き」を紹介すると、他の子もできるようになる
本宮 淳平
体育Q&A・体育授業の悩み解決します! (第9回)
準備楽々、苦手な子も力いっぱい持久力ができる場作り
木村 正章
私の失敗体験記 (第9回)
高学年サッカー授業は、成功体験の機会を確保する
東條 正興
プロスポーツから学ぶ最新の体育指導 (第9回)
長友佑都選手の体幹とおしり
村田 淳
子どもの体力向上!運動の日常化 (第9回)
誰も何度も挑戦したくなるなわ跳びの裏技あれこれ
臼井 俊男
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第53回)
「天高くして馬肥える秋」は来るのか?
木村 修一
ライフスキルと健康教育 (第117回)
放射能被害防止教育
武田 敏
特別支援に対応した体育授業 (第9回)
若手教師の授業を見て
間嶋 祐樹
短時間にできる「運動会種目」 (第9回)
逆転現象も起きる「運命の分かれ道」
光川 崇
体育主任の部屋・仕事チェックリスト (第9回)
教材教具の整備で運動量・技能量UP!
村越 亘
TOSS体育ときめき情報 (第9回)
体育で授業がうまくなる!―杜の都のTOSS体育セミナーから
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
なわ跳び遊び(低学年)
阿部 梢
〜できない子もできる子も、どの子も満足して取り組む『なわ跳びチャレンジカード』―向山氏の『なわ跳び級表』修正追試―〜
なわ跳び(中学年)
土信田 幸江
〜「挑戦!二十跳びカード」 一目で練習の仕方が分かる〜
なわ跳び(高学年)
小路 健太郎
〜ターナーを育てれば、誰でもダブルダッチに挑戦できる〜
授業の腕を高める論文審査 (第236回)
水泳指導の視点をどこにおくか
向山 洋一
体育科における学力保障 (第105回)
岡麻知子氏の「体ほぐしで扱う伝承遊び」@
根本 正雄
〜ボールを操作する感覚が身に付く まりつき〜
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第119回)
12月号
東條 正興
授業の腕を上げる体育クリニック (第9回)
お手本の示し方@
佐藤 泰之

特集の解説 子どもの歓声あがる“体力向上運動”の秘訣

TOSS体育授業研究会代表 根本正雄


 文部科学省から「平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について」報告されている。小学校は第5学年、中学校は第2学年の調査である。

 男女とも、反復横とび、20メートルシャトルラン、体力合計点について、分布の広がりが大きい状況がみられたと報告されている。

 昭和60年度の体力水準との比較では、昭和60年度の各種目の平均値を下回っている割合が多い。

 男女ともに反復横とび以外の種目では、50%以上の児童が昭和60年度の平均値を下回っていると報告されている。

 なぜ、体力は低下しているのであろうか。その理由として次の内容が考えられる。

1 学校外の学習活動や室内遊び時間の増加による、外遊びやスポーツ活動時間の減少

2 空き地や生活道路と言った子どもたちの手軽な遊び場の減少

3 少子化や、学校外の学習活動などによる仲間の減少

 社会環境の影響によって、生活習慣の変化、運動を体験する場の減少

 対策としては、外遊びやスポーツ活動時間の確保、遊び場の確保、仲間づくりなどがあげられている。

 それでは、学校体育ではどのように対応したらよいのだろうか。

 学習指導要領の改定により、体育の時数が増えた。その増えた体育の授業の中で、体力向上のために、授業をどのように工夫したらよいのであろうか。

 2011年7月、TOSS体育全国セミナーIN東京が開催された。並木孝樹氏は、参加した教師がすぐに役立つ体ほぐしの模擬授業を行った。

 授業のポイントとして、次の3点を挙げている。

@ テンポをよくし、リズムをつくる。

A ほめ続ける。

B 変化のある繰り返し。

 並木氏の模擬授業に参加者の歓声があがった。歓声のあがる授業はよい授業である。なぜなら、それだけ授業に参加し、活動しているからである。

 ジャンケンゲームで勝ったらステージにあがりガッツポーズをする。負けたら壁を触ってくる。この活動は移動が伴うので運動量が増えるのである。

 変化のある繰り返しを通して、仲間づくり、体力づくりがなされていった。体育館一杯に活動させていた。

 村山浩康氏は、跳び箱遊びの模擬授業であった。跳び箱運動に必要な高さ感覚、跳感覚、バランス感覚、リズム感覚、視覚調整感覚が習得できる授業であった。

 跳び箱を1台、2台、3台と階段状にして、片足で踏み切り、ワン・ツー・スリー・ジャンプという運動を行った。

 普通は、1台の跳び箱での踏み越し下りである。それを2台、3台連結する人によって、1台の跳び箱より、2台、3台跳ぶことで基礎感覚が高められた。同時に体力も高められていった。

 空中での動きを工夫させることで、子どもの意欲化を図り、子どもが楽しく何回でもできるように行った。

 場作りと動きの工夫で体力が高められていったのである。最後は、シンクロ跳びで2人での仲間づくりがなされていた。

 友だちと動きを合わせることで、感覚づくりと体力づくりがなされていた。

 多様な動きづくりを通して、体力づくりを行っていくことが大切である。

 機械的なトレーニングではなく、楽しく活動する中で結果として体力が付くようにする。

 本特集では、並木氏や村山氏のような体力づくりの実践例が紹介されている。実際に授業を通して子どもの体力を高めてほしい。

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