国語教育 2011年10月号
障害児の読み書き指導の改善

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国語教育 2011年10月号障害児の読み書き指導の改善

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ジャンル:
国語
刊行:
2011年9月7日
対象:
小・中
仕様:
A5判 136頁
状態:
絶版
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目次

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特集 障害児の読み書き指導の改善
提言・障害児の読み書き指導・どこに注目するか
「読む/書く」領域の指導が困難である児童・生徒の読み書き指導―特別支援教育の考え方を取り入れて―
佐藤 明宏
特別支援教育の専門性に注目―つまずきの原因に応じた指導を―
上岡 一世
言語発達障がいのある子どもは、言語活動のどこに困難を抱えているかを知らなければ始まらない
大森 修
二次元の文字情報を三次元に変換して指導すること
谷 和樹
読み書きに困難を示す子ども達の認知特性を踏まえた適切な支援を
井坂 行男
感覚や運動の視点から
立松 英子
学習環境の整えと教師の正しい知識が、読み書き指導法の向上を支える
桑原 和彦
障害児の読み書き指導はこうする―低学年
意欲的に取り組む指導法の工夫
森川 敦子
個が生きる言語活動と指導
大月 さゆり
脳の回路を正しく使った学習が必要不可欠
小野 隆行
変化のある繰り返しで楽しく多読させ、直写や視写で名文を暗唱させる
千葉 雄二
障害児の読み書き指導はこうする―中学年
教えて褒めて、自己肯定感を持たせる 直写から視写、そして作文へ
師尾 喜代子
スモールステップで、教えてほめるの繰り返し
板倉 弘幸
三ステップの工夫で生き生きさせる
宮本 貴志
小学校の視力検査では見つけにくい苦手さがある。学習の問題以前に、ちゃんと見えていないことがある!
伊藤 寛晃
障害児の読み書き指導はこうする―高学年
その子の「強み」を活かした学習材
中島 由美
具体的に教室の中で指導できるのが教師の仕事である。小さな事実こそ学ぶべき点である
甲本 卓司
発達障碍児の特性を理解することから始める
松崎 力
出力の「型」が見える学習活動を
岩下 修
障害児の読み書き指導はこうする―中学校
視点の移動を減らし、何度も練習をする
進士 かおり
できるから楽しくなる英単語スキル
清水 陽月
障がいに正対した授業へと変革する
長谷川 博之
脳科学から学び全体の中で対応する
小川 晶子
「伝え合う力」を育てる教室づくり (第103回)
塩谷 直大
「読書に親しむ」授業づくり (第103回)
国語科が大好きになる三つの方法
柳谷 直明
書評
『子どもたちの対話が激変する「質問力」アップワーク』低学年/中学年/高学年(村松賢一ほか編著)
大熊 徹
『基礎学力の保証―どこに重点を置くか』低学年/中学年/高学年(甲本卓司ほか編著)
岩下 修
国語教育人物誌 (第246回)
岐阜県
西田 拓郎
静岡県
中村 孝一
愛知県
佐藤 洋一
三重県
守田 庸一
国語教育時評
常用漢字が少しずつふえて行くことの末路
渋谷 孝
表現力の開発 (第7回)
論理的な記述力をどう開発するか(1)
花田 修一
言語活動例の開発 (第7回)
「自分の考えの形成及び交流」と「小学校国語B」
小森 茂
〜思考力・判断力・表現力を育成できるか〜
これからの「論理」の話をしよう―今を幸せに生きるために― (第7回)
三角ロジックには、さらにご用心!
難波 博孝
論理的思考力&表現力の評価 (第7回)
小論文の指導・評価の実際(1)
市毛 勝雄
〜構成指導〜
続「伝統と文化」の授業での扱い方 (第7回)
伝統的な言語文化に親しむ言語活動10のアイディア
水戸部 修治
編集後記
江部 満

編集後記

○…特別支援教育の中で読み書き指導を取り上げた香川大の佐藤明宏氏は、LD児童・生徒に指導する場合、その専門的な別の知識が必要であると説いておられました。LDの定義について、『特別支援教育基本用語一〇〇』には次のように示されています。LD(学習障害)という概念を、わかりやすく説明するなら「LDとは、知的発達に大きな遅れはないのに、脳の働きに特徴があって学習面でつまずきや習得に困難を招きやすい状態」となる。それは知的な発達全体の遅れではなく、認知発達の部分的な遅れや偏りから起こる。ここで言う認知とは、人間が見たり、聞いたり、さわったり、運動をしたりするときに感じる様々な刺激を脳の中に取り込む高次な知的活動を指す。推理や思考等も認知過程の一部でありLDは聴覚的な認知、視覚的な認知、さらに高次な言語認知に関係する発達の障害である。

○…そこから佐藤明宏氏は「我々は読み書きを行うときに、脳のそれぞれの処理パートを連合させながら、脳をぐるりと前から後ろ、下から上、そして分派・結合しながら情報処理・情報発信を行っていることが分かる」としています。

○…「読み書き」指導のつまずきは、「読めない」「書けない」という症状は同じでもその脳の障害の特徴によって、指導の方法が変わってくるのであるから、まずは、その子の脳の中の障害部位を探っていく必要がある、と訴えています。さらに「読み書き習得」の困難さを克服していく多くの考え方と方法は、特別支援学級でも活用できるから普通学級の子どもを担任されている教師にも活用できるものだ、と強調されていました。本号は障害児の読み書き指導の改善を提案していただく特集です。(江部 満)

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