- はじめに
- 第T章 創造のよろこび
- ─楽しみ
- 「よい」遊びとは? 「よい」絵とは?
- 没頭すること,丁寧な仕事
- 創造力
- 視覚的自己表現能力を育てる
- 様式(モダリティー)の転換─美術と他の芸術との関係
- 第U章 美術表現の教育学的
- ─心理学的意義
- 視覚的コミュニケーション
- 子どもの絵から子どもをよりよく知ることができる
- 治療に用いられる描画
- 治療目的の美術集団(アートグループ)
- 第V章 描画の発達
- 子どもの作品の発達
- 発達段階
- 発達心理学─描画の発達
- 満足感
- 第W章 美的教育
- 子どもの絵の美
- キッチュ
- 子どものための施設の装飾
- 第X章 美術教育における保育者の課題
- 保育者の役割・目的
- 保育園における美術の課業の計画
- 年間計画─見本
- 年間計画でのその他の大切な視点
- テーマのある描画
- テーマの提案
- 個々のテーマについての年齢別の指標
- 自由な作業と制限のある作業のバランス
- 技法に関して知っておくべきこと
- 子どもの絵を集める
- よく見られる保育者の悩みと疑問
- 自身の仕事と子どもの作業についての総括評価
- 第Y章 保育者のための美術教育研修
- 基礎的な研修
- 上級者への研修(選択肢,例)
- 見学
- ビデオの分析
- 第Z章 視覚芸術に対する感受性を発達させる練習
- ─保育者と子どものために
- 色と雰囲気
- 絵と文字
- 芸術を日常に
- 抽象的世界の魅力
- お礼の言葉
- 保育園での美術教育の目的とは?
- 視覚的に敏感な,洗練された人間を育てること
- 審美眼を備えた若者に育てること
- 美術教育を通して創造性の発達を促進させること
- 子どもの前に様々な自己表現の手段を用意すること
- 子どもが絵を通して教育者に心を開くこと
- 絵を通してその子どもを理解すること
- 没頭すること,緊張すること,ポジティブ,あるいはネガティブな感情を,子どもが絵画に反映させることができるように,その機会を与えること
- これからの子どもと大人が,単に視覚的な体験の受け手となるだけでなく,創り手ともなること
- 博物館と美術館に常に訪れる人が増えるようになること
- 趣味をよくし,日常生活に気品を与えること
はじめに
読者のみなさん!
今あなたが手にされているこの本は,日本の保育者の方々や保育園の子どもたちから与えられたきっかけによって生まれたものです。私のセミナーに参加された方々,保育見学を受けてくださったすべての方々にお礼を申し上げます。
本書の各章はそれぞれ個別に読むことができるようになっているため,最初から順次お読みになる方は,同じ考え方が繰り返し述べられていると思われるかもしれません。あなたのお読みになりたい項目からお読みください。
本書の執筆にあたり,依頼してくださった羽仁協子さんに感謝します。視覚的な教育と絵画表現が,子どもの成長においていかに大切であるかを伝える機会を与えてくださいましたし,また執筆そのものによって私自身の創造性を発達させる機会を得ることができました。
みなさんも絵の世界を楽しんでください。
2003年4月 教育心理学・臨床心理学 /セチェイ・ヘルミナ
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- 明治図書