- 序 /高橋 俊三
- 声に出して文章を読む大切さ /後藤 米治
- まえがき /藤本 好男
- 第T章 声のパワー
- 一 いつでも、どこでも、だれにでも
- 1 あいさつは、子どもができる町づくり
- 2 田口小学校あいうえお
- 二 音読と子どものやる気
- 1 学習の原動力はやる気
- 2 音読とやる気
- 三 響き合う子どもたちの声
- 1 教室から
- 2 学校から
- 3 町の中から
- 四 声のもつ不思議な力
- 1 声を出させない社会
- 2 声のもつ不思議な力(日本テレビの番組『報道特捜プロジェクト』から)
- 第U章 教室からの響き合い
- ―国語学習からの発信―
- 一 『サラダでげんき』でサラダ記念日を祝おう
- 1 『サラダでげんき』を、音読で楽しもう
- (1) 音読の楽しさを味わうために
- (2) 音読したら、分かったよ
- (3) アフリカぞうになりきろう
- 2 お母さんたちと「サラダ記念日」をしよう
- (1) 『サラダでげんき』の劇をしたいな
- (2) 「なかよし十二人のサラダ記念日」をしよう
- 二 『かさこじぞう』で音読の会をひらこう
- 1 大年の市って、どんな感じ?
- (1) むかし話ってほかの本とちがうね
- (2) 大年の市を再現する(全体での話し合い)
- (3) 大年の市を再現する(グループでの話し合い)
- 2 できた、できた学級群読!「里いもの会」で発表しよう
- (1) 録音して聴いてみよう
- (2) さあ、学級群読をつくろう
- (3) 「里いもの会」で学級群読を!
- (4) 里いものおやきを作ろう
- (5) 学級群読が始まった
- 三 『サーカスのライオン』でお年寄りに感謝しよう
- 1 じんざの叫びに迫って
- (1) 劇から音読へ
- (2) 音読が生きる『サーカスのライオン』
- (3) 奮い立つじんざに声で迫る
- (4) 二十人のじんざ
- (5) じんざのすごさを表した声
- 2 お年寄りと「音読ふれあい会」
- (1) おじいさん、おばあさんに感動してもらおう
- (2) 大成功だったよ!「音読ふれあい会」
- 四 『ごんぎつね』で町に出かけよう
- 1 ごんと兵十の分かり合えた気持ち
- (1) 外に目を向け始めた子どもたち
- (2) 『ごんぎつね』の世界へ
- (3) 『こんぎつね』と音読
- (4) ごんは悪いきつねなの?(第三場面から)
- (5) 兵十の気持ちの変化を考える(第六場面から)
- 2 町のお年寄りに音読を届けに行こう
- (1) やすらぎの里へ
- (2) 田口の町へ音読を届けよう
- (3) 遠藤澄子さんからの手紙
- 五 『注文の多い料理店』で宮沢賢治の世界を声で届けよう
- 1 声で表す物語のおもしろさ
- (1) 音読で楽しむ『注文の多い料理店』
- (2) 紳士に同化した音読
- (3) 声の届け先を考えて場面を再現
- 2 じいじ、ばあばと広げた賢治の世界
- (1) じいじ、ばあばとの出会い
- (2) じいじ、ばあばの語る賢治の世界
- (3) ばあばに励まされてがんばった『注文の多い料理店』の音読
- (4) じいじが紹介してくれた『雨ニモマケズ』の音読
- (5) 聞いてよ! じいじ、ばあば
- (6) 子どもを包み込んでくれる優しさに支えられて
- 3 お年寄りとの「やすらぎ音読の会」
- (1) 「五年生のいい声を聞かせて。」というお誘いが来た
- (2) 「やすらぎ音読の会」を開こう
- (3) お年寄りと子どもの心が一つに
- 六 物語の群読にチャレンジ!『海のいのち』
- 1 「海のいのち」って何だろう
- (1) 『海のいのち』の群読を創りたい!
- (2) さあ、群読創りを始めよう(千びきに一ぴきしかとらない与吉じいさに迫る)
- (3) 太一はなぜ瀬の主を殺さなかったのか?
- 2 『海のいのち』を町の人に聞かせに行こう
- (1) だれに聞いてもらおう
- (2) 四年生のときから聞いていただいたお年寄りの方々へ最後の音読を届けたい
- 第V章 全校での響き合い
- ―全校群読―
- 一 みんなが群読づくりの主役
- 二 みんなが主役になるために
- 1 一人一人の思いから始まる群読
- 2 題材選びもみんなで
- 3 みんなで群読台本づくり
- 4 みんなを生かす読み担いや群読練習
- 5 全校練習で思いをぶつけ合う
- 6 発表を振り返る
- 三 群読づくりのあしあと
- 四 やったよ! 全校群読『月夜の野ウサギ』
- 1 さあ! 今年も全校群読のはじまりだ!
- 2 『月夜の野ウサギ』で全校群読を創ろう!
- 3 全校で協力してください
- 4 クラスごとに担当場面の群読を創ろう
- 5 全校練習開始
- 6 本番を控えて
- 7 大成功! 『月夜の野ウサギ』
- 8 全校群読を伝統に
- 第W章 町の人との響き合い
- ―かかわる活動―
- 一 音読カードで家族と学ぶ
- 1 「ひばりカード」一年生
- (1) 家庭での音読練習
- (2) 学級での練習と発表の場「ひばりタイム」
- 2 「おがわカード」で家族と学ぶ
- 二 音読集『ひばり』は、声と心の架け橋
- 1 読むことって楽しいな
- 2 お母さんに聞かせてあげたい
- 3 親子ふれあいタイム
- 4 自分たちの音読へ
- 三 いざ、ゲートボール場へ!
- 1 「むかしのお話広場」の発展
- 2 お年寄りにお話がよく伝わるようにしたいな
- 3 いざ、ゲートボール場へ
- 四 国際交流員ベンさんと
- 1 グループで群読を創ろう
- 2 祖父母学級での発表、…でも…
- 3 ベンさんとの群読づくり
- 4 いよいよ発表会
- 五 朗読グループ「あ・うん」のみなさんと
- 1 「慣れ」の功罪
- 2 「あ・うん」の人たちから学ぶ
- 3 教室で落語?
- 4 落語に挑戦!
- 5 金田さんからの手紙
- 6 動き始めた子どもたち
- 六 夏の夕べの語りのひととき
- 1 わたしたちの声を聞いて
- (1) 子どもたちからのご案内
- (2) 「語りの夕べ」を開こう
- (3) 自分たちで創る
- 2 さわやかな声を届けた「語りの夕べ」
- (1) 子どもが主役
- (2) みなさん、ありがとう
- (3) 子どもの力ってすばらしい
- 七 古典の世界を音読で味わう
- 1 古典っておもしろいな
- 2 おじいちゃん、おばあちゃんと古典を読もう
- 3 『枕草子』を読む
- 八 PTA文化部読み聞かせ
- 田口小学校に「乾杯」 /遠山 久男
- あとがき /草野 健治
まえがき
廊下を歩いていると、教室から詩や物語を読む子どもの声が聞こえてくる。ふと足を止めて、しばしの間その声に耳を傾ける。今日も声が響いている。みんな元気だなとうれしくなる。教室を回る足取りも自然と軽くなる。
音読の声には、その日の子どもの様子や心が表れる。音読のはずんだ声、真剣な声が響く教室には、子どもの笑顔もあふれる。子どものはりのある音読の声が、教室から響いてくる、そんな学校づくりを日々めざしている。
三年生の子どもたちが、茶摘みに出かけ、お茶の加工場も見学させていただいた。そして、茶摘みの休憩時間、子どもたちは教科書を取り出し、「すいせんのラッパ」の朗読を始めた。子どもたちの元気な声に、居合わせたおじいさん、おばあさんはうれしそうにうなずいている。子どもたちの元気な「声」の発信は、高齢化の進行する過疎の町に明るさを醸し出すに違いない。子どもたちのはりのある音読の声が、家庭から、あちこちの施設から、そして、一人暮しのお年寄りの家からも響いてくる、そんな町づくりを日々めざしている。
平成十五年七月、私たちは、第五十二回読売教育賞国語教育部門で、最優秀賞受賞の栄に浴すことができた。このことは、これまでの実践への手応え以上に、私たちに、これからの実践への責任の大きさを実感させている。再度いただいた出版の機会を通し、これまで以上のご批正を賜りたい。
ここに改めて、平成九年度以来、継続してご指導をいただいている前群馬大学教授 高橋俊三先生、数々の便宜を図ってくださった明治図書編集長 江部満氏に心より感謝する。
校長 /藤本 好男
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- 明治図書