楽しいクラスづくりフレッシュ文庫77社会科とクロスする“総合学習”を創るこれでもっと授業は面白くなる

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社会科が培ってきた「方法」を生かし、社会科がこだわってきた「テーマ」をより広く学ぶことができる“総合学習”を、実践例を盛り込んで提案。


復刊時予価: 2,442円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-699709-8
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき―初めの一歩
T 「生きる力」をパワーアップする総合的学習を創る
一 「生きる力」を問い直すことから始まる総合学習
1 「生きる力」は生きているか?
抽象論から授業づくりへ
2 「生きる力」を育てる社会科の教材開発
「学習を楽しむ力」を!
二 社会科は総合学習を指向していた!
1 「生きる力」を育む総合学習
「総合学習」への期待と要請
2 社会科における「総合学習」の教材開発
教科の枠をこわさない総合学習
三 総合学習が生活科から学ぶこと
1 生活科は総合学習に拡大できるか?
「テーマ性」の違いと生活科的な教育法
2 学習技能を「体得」する体験活動をつくる
「調べ学習」によって学ぶ
3 実際にやってみる(体験)調べ学習をつくる
「体験」で学ぶ総合学習
U 「方法」を学ぶ総合学習を創る
一 「総合学習」の方法
1 社会科と総合学習をクロスさせる
「方法」を示した総合学習
2 調べ学習を「裏文化」の中で創る
「学び方」を学ぶ総合学習
3 みんなちがってみんないい
「選択する」調べ学習
二 学習技能としての情報教育と総合学習
1 手紙を書こう
学習技能としての情報活用能力
2 ニュースが生きている教室
すわっ、阪神大震災
3 情報を「読み取る」から「読み破る」へ
ニュース批判、まかり通る!
三 体験によって学ぶ総合学習
1 体験で知識と技能を総合化
「方法」としての体験活動
2 「本物の聴衆 Rial Audience」を教室に!
異質「体験」の場
3 体験も「いろいろ」
学習活動の工夫
V 「内容」の統合としての総合学習を創る
一 心と頭とからだを「総合」する福祉教育
1 生きることの意味
「福祉教育」のめざすものは何か
2 福祉教育をどう取り込んでいくことができるか
「福祉教育」の方法
実践例 六年・くらしの中に生きる憲法 「豊かさ」とは何か
3 福祉教育の実践課題は何か
「福祉教育」の観点
実践例 四年・手話の授業 心のミスアメリカ
実践例 四年・Yくんに近づきたい みんないい人
二 「違い」と「よさ」を総合する国際理解教育
1 黒柳徹子さんに学んだこと
だれでも、どこでもできる国際理解教育
2 身近に国際化、「モノ」から「ヒト」へ!
教室と世界を結ぶ
世界と結びついているわたしたちの町
不理解を理解する国際化
三 「つながり」と「共生」を学ぶ環境の総合学習
1 「元気」が出る環境学習
環境教育の可能性
2 「〜しない」環境教育から「〜する」環境教育へ
「参画する」環境教育
実践例 四年・住みよい暮らしをささえる 教えて空き缶くん
3 自然環境としての国土
富士山の見える日
富士山をどう教材化するか
富士山の見える日

まえがき―初めの一歩

 中央教育審議会で「横断的・総合的な学習」を設けることが答申されて以来、にわかに総合学習への関心が高まってきた。

 しかしこれを「大上段」に構えられると、わたしたちは身動きが取れなくなる。難解な理論構成がなされ、一糸乱れぬプランがあって、学習にふさわしい場を整備する。そんな「環境づくり」で、こころある者は肝腎の授業以前に精魂つきてしまうのである。

 とてもそんなことはできそうにない。

 果たしてそうだろうか。

 もっと身近に、あたりまえのところから始められる「総合学習」が創造されてもいい。

 「やれというからやる」という受け身で、総合学習の一歩目を記すというのは子どもたちに申し訳ない。

 そこに、「子どもたち」を学習の中心におくこと。学習の主体が子どもにあるとすれば、総合学習こそあるべき学習活動のすがたに違いないからだ。

 あたりまえのことを、あたりまえにしていくことほど難しい。

 そうした視点で、実践を見直してみる必要がある。

 加藤幸次氏は、総合学習をいくつかに類別しているが、なかでも「学際的」総合学習というのが、私たちにとって一番わかりやすく、また実践可能なアプローチだ。   と述べておられる。

 教科を意識しながらも、いくつかの教科を横断的にひとつのテーマにせまるあり方は、まさに「総合」社会科  (ここは、あえて「総合」とつけたいところだ。)のめざした方向そのままである。

 つまり社会科とクロスさせることによって、社会科が培ってきた「方法」を生かし、社会科がこだわってきた「テーマ(内容)」をより広く学ぶことができるのだ。

 学習するということは、本来、頭だけによるものではない。手や体を使った体験的な学習であり、同時に心を動かした学習であるべきである。

 ここに「総合学習」の初めの一歩がある。

 格好つけずにやれる、まずはふだん着の「総合学習」を実践者自らがつくり出していくことだ。

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