母と仲間と人々と 情緒教育

母と仲間と人々と 情緒教育

子どもたちの柔らかい情緒教育のためのヒントが満載。

子どもの情緒教育をどのように進めたらよいのでしょうか?教育者・親・地域の人々それぞれの役割と責任について具体例を通して分かりやすく説明しました。「心をつなげる子」に育てるために、いろいろなタイプ・状況に応じた手立てのヒントを得られます。


紙版価格: 1,606円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-616813-X
ジャンル:
幼児教育
刊行:
対象:
幼児・保育
仕様:
A5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
予定なし

もくじ

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はじめに
T部 日常生活における情緒の役割
1 情緒とはなにか
行為を触発する情緒
恐れの恒常化と拡張
主観性としての情緒
学習される感情
人格と問題状況の関係
2 情緒が形成される時期
出発点は愛情
基本としての母子関係
3 情緒の発達
ほほえみの社会化
人見知りの発生
自分意識の形成
恐怖という心性
コントロールされる感情
学校害と挫折感
異なる感情の重複化
まとめ
U部 情緒を形成する上での家庭の役割
1 家庭のタイプ
はじめに
家庭の内部構造
A/1) 閉鎖的な家庭
A/2) 閉鎖的な家庭のバリアント
B) 開かれた家庭
措藤解決のタイプ
A) 消極的な一致をこととする家庭
B) 措藤、衝突を避けない家庭
各時期ごとの家庭の変化
A) 若い両親、子ども1人の時代
B) 2人目、ばあいによっては3人目の小さな子どもがいる時期
C) 学童がいる家庭
D) 思春期の子どもがいる家庭
E) 巣立ちを迎える家庭
2 情緒発達の条件
発達を左右する要因
情緒発達の阻害要因
A) 生活様式、生活秩序
B) 母子関係
外向的と内向的
4つの節目と努力目標
V部 情緒教育における教育者の役割
1 親と教育者の違い
偏愛する権利
将来への予測
2 意識的な教育
最も人間的な情緒とは
内的賞与への期待
3 情緒形成のつまずき
問題が生じる原因
目標のない許容
4 家庭状況と教育者
親の経済力と教育程度
片親や関係障害のある家庭
情緒的発達の遅れ
5 教育者の課題とは
ふるまいの原因を探る
子どもの反応を探る
改善のための計画
6 家庭の雰囲気への対応
温かくて許容的な家庭
温かくて制限的な家庭
冷たくて制限的な家庭
冷たくて許容的な家庭
7 家庭との協力
望ましい教育者の性質
“子ども”を考える2つの詩
注1
注2

はじめに

 トルダ・イロナさんは『ハンガリー教育原理の基礎』の著者です。一度目に来日されたとき、この本の中から第4章と第5章について講演していただきましたが、昨年2度目の来日の際には、「情緒教育」について講演して下さいました。この小冊子は,東京での講演をもとに、トルダさんご自身が、より詳しい実例などを追加されてまとめられたものを、あらためて訳出したものです。

 子ども、ないしは人間の情緒のあり方や発達について、理論的背景を明らかにしながら、年齢にそってこれほど具体的に説明している論文は、まだ世界でもごく僅かの文献しかないと思われます。

 ことに今、家庭教育の大切さがあちこちで強調されているとき、この本を少しでも多くの保母さん、学校の先生方、そして父兄に読んでいただきたいと思います。家庭と、保育園、幼稚園、学校の連けいが必要だといっても、私たち現場の者には、今までひとつも、具体的で、真に教育的なすじ道や方法が示されたことはありませんでした。

 また、コダーイ・システムを実践している音楽家や音楽の先生方にも、ぜひ一読をおすすめしたいと思います。コダーイの考えた、うたを中心とした音楽教育の背景にある、人格形成の中での情緒、感情の役割がきわめて系統的に説明されているからです。

 この小冊子の内容を理解するためには、『ハンガリー教育原理の基礎』の第3章――人格の発達の課題――のU「人格発達の情緒的関連」を合わせてお読み下さるようお願いいたします。


  1989年5月   /羽仁 協子

著者紹介

トルダ イロナ(TORDA ILONA)著書を検索»

1941年ブダペストに生まれる。

大学で教育学と図書館専門員のためのコースを学ぶ。

ブダペスト市の児童図書館主査、保母養成校の図書館兼実習主任を経て、1976年以降、ブダペスト教員養成大学助教授として「教育原理」と「応用心理学」を講義・指導する。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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