- まえがき
- T 「ユーモア教育」で子どもとクラスを変えよう
- 一 「うんこのホテルにはプールがあるよ?」
- 二 暗示(評価)をかけて変える
- 三 性格は変えられる!
- 四 ユーモアのセンスを鍛える
- 1 面白い話をたくさんインプットする
- 2 交代でユーモア小話をさせる
- 五 「快の笑い」を毎日したい
- U ユーモアは「笑いの練習」から
- 一 一番大事なことは笑うこと
- 二 わたしのネアカ修業
- 三 一年生のユーモア
- V 子どもの「明るい面」を伸ばす
- 一 人間には必ず二つの面がある
- 二 子どもの明るい面を伸ばす
- W すぐ笑えるのは能力のある証拠
- 一 すぐ笑えない子ども
- 二 ユーモアと学力
- 三 すぐ使ってみる
- X ユーモアのセンスの鍛え方
- 一 ユーモアのある文を沢山読んで聞かせる
- 1 面白い文を沢山インプットする
- 2 子どもたちへの波及効果
- 二 授業でユーモアのセンスを鍛える――岡崎一実氏の手紙をもとに――
- 1 岡崎一実氏の手紙
- 2 岡崎一実氏の授業分析
- 三 一時間に一度以上笑いのある授業を
- 1 笑いのある授業を
- 2 手紙でもユーモアを鍛える
- Y 「ユーモア力」をアップするいくつかの方法
- 一 教師が変わること
- 二 ユーモアは対応の技術だ
- 三 笑いながら基礎的力をつける
- Z 「子どものユーモア力」をアップする技術と教材の開発を
- [ 生活面でもさりげなく鍛える
- 一 病気で休んだ子に面白い電話をかけなさい
- 1 休んだ子に電話をかけなさい
- 2 憲法づくりでユーモア度テスト
- 二 ふつうの出来事を面白く見せる
- 1 ものごとを面白く見る目
- 2 笑い話の拾い屋を育てる
- 三 手紙でユーモアのセンスを鍛える
- 1 「手紙を書く子」を育てる
- 2 手紙でユーモアを引き出す
- \ ユーモアを育てる教育
- 一 飛行機でのユーモア
- 二 ゆとりとユーモア
- 三 ユーモアは「快の笑い」から
- 四 スポーツアナウンサーの笑顔を
- 五 笑いは長生きの秘訣
- 六 「どうぞ」「ありがとう」の精神
- 七 プリント配りで「どうぞ」「ありがとう」
- 八 あの世でも「どうぞ」「ありがとう」
- 九 心のゆとりが大切
- 十 一年生のユーモア
- 十一 手持ちのジョーク話をたくさんもつ
- 十二 旅行先でもネタ収集
- 十三 孫とおじいちゃん
- 十四 子どもの集めた話
- 十五 偽札
- 十六 給料
- 十七 新聞にもジョークが大切
- 十八 馬の名前……
- 十九 話し方の秘訣は……
- 二十 アメリカの笑い話
- 二十一 お店のユーモア
- 二十二 面白い目で見る
- 二十三 近所のおばちゃんからも学ぼう
- 二十四 暗示で性格改善
- 二十五 有田も暗かった!
- 二十六 子どもの性格は暗示で明るくなる
- 二十七 龍馬と隆盛
- 二十八 最近の学生
- 二十九 お医者さんの話から
- あとがき
- 有田和正主要著書一覧
まえがき
今に限らず、いつの時代でも教育界に向けられる目は厳しい。それは、社会の人々が日本の将来のために有為な人材を育ててほしいと願っているからである。教育のあり方が、国の将来にかかっているからである。この社会の要請に、今の日本の教育界は応えているといえるだろうか。ちょっと心もとない感じがしている。
学力低下、学級崩壊、マナー不足の子どもの続出。それに何よりも授業の質の低下が指摘され、教師の研修も、初任研からとうとう十年研までしなくてはならなくなった。社会はどんどん変化しているのに、教育界は旧態依然としてなかなか変わらない。
子どもたちは、おもしろくもない授業に耐えかねて、小・中学生まで新聞に投稿するまでになっている。ある高校生は、「教師の質の悪化はすさまじい。もっと生徒本位の授業を考えてほしい」と、悲鳴とも思えるような投稿をしている。これは、子どもたちの「声の代表」とわたしは受け止めた。これとの関係か、大阪では学力不足と認定された教師が分限免職になった。
こうした社会的状況を「社会からの要請」と受け止め、「指導力アップ術シリーズ18巻」を、この機に出すことにした。今ほど教師の指導力が注目されている時代はないからである。
まず、「授業とは何か」ということを明らかにしながら、今求められている「真のプロ教師像」を究明してみた。それはただの指導技術ではダメである。プロ教師は、深く確かな内容と、子どもに対する深い愛情の裏づけのある人でなくてはならない。
保護者たちは、担任教師の実力を、いろいろな面から常に観察している。昔ながらの授業をしていたのでは、たちまち「指導力不足」のレッテルをはられる時代である。こうならないよう、教師は常に研修にはげまなくてはならない。そのお手伝いを本シリーズでしてみたいと考えたのである。
授業を面白くし、子どもに実力をつけるには、教材の把握はもちろんであるが、学級の質が大きくものをいう。学級づくり、それも楽しい学級づくりをしながら、子どもが「はてな?」を発見し、それを追究することに熱中し、ひいては「追究の鬼」といわれる子どもを育てたいのである。
長年の経験を生かして、学級づくり、授業づくり、授業がうまくなるレシピを書いた。教材開発のしかた、子どもに調べる力のつけ方なども明らかにした。平成一四年度から総合的学習が本格的に実施に移された。これについても今までいろんな提案をしてきたが、今回のシリーズの中でも、「こうすれば必ずうまくいく」という内容と方法を明らかにし、それを提案している。やり方によっては、総合は実に面白い。力もつく。
今の教師たちに足りないのは、実力だけではなくユーモアも足りない。ゆとりがない。もちろん、保護者にも足りない。このギスギスした社会を乗り切ってほしいと願い、この面の提案もした。
要するに、本シリーズは、授業論、学級経営論、教材開発論、総合的学習論、指導技術論、そして、ユーモア教育論等々、現時点での私の総力をあげて総合的に取り組んだものを提案したものである。一読されて御指導いただければ幸いである。
二〇〇三年六月吉日 /有田 和正
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- 明治図書