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イントロダクション
小3担任の学級経営 5つの鉄則
静岡県公立小学校 /金子 真弓
1 学級経営の根底に「相手を思う心」を置く
思いやりは,「相手を思う心」です。学校でのすべての教育活動において大切にしたいのは,この相手を思う心です。教師は1年間を通して毎日たくさんの言葉を子どもたちに伝えています。行動の指示だけでなく,行動の支えとなる心を育てるという視点をもって,日々言葉を伝えていくことが大切だと考えます。
例えば,目を見て話を聞いてほしいときに,「目を見て話を聞きましょう」という指示だけでなく,「目を見て話を聞いてくれると,話を聞いてくれているんだなということが伝わるから,先生はうれしいよ」と言うことで,話を聞くことも相手を思う心からくる行為だと伝えることができます。
同じように,「相手に聞こえる声の大きさで話をすること」も「スピーチの後に拍手をすること」も「友だちの発表に反応すること」も「教室を掃除すること」も「給食を一生懸命食べること」も,相手を思う心からくる行為だと伝えることができます。
学級経営の根底に「相手を思う心」があってほしいと願っています。芯の通った(心の通った)学級経営をすることで,必要のない場面で強い叱責をすることもなくなるはずです。心の通った温かな学級づくりは,子どもたちとの信頼関係をさらに強めてくれるでしょう。
2 指示や説明に理由を添える
当たり前のことを当たり前にすること,そしてそれを継続することは,たやすいことではありません。教師の丁寧な説明と根気が必要です。
私は1つの手段として,指示や説明に理由を添える,ということをしています。例えば,「廊下は歩きましょう」という言葉には,「廊下を走ったらけがをしたり,させたりするかもしれないから」「みんながけがをしたら先生は悲しいから」などの理由を添えます。また,「名前は丁寧に書きましょう」という場面では,「名前はおうちの方が一生懸命考えてくれた,人生最初のプレゼントだからね」などと,どうして丁寧に書いてほしいのかをつけ加えて伝えます。一つひとつの話は長くなるかもしれませんが,理由をつけ加えることで,より子どもの心に残る話になるはずです。どれが正解,ということではなく,教師が自分の言葉で語れる話をもっていることが理想です。また,当たり前のことを当たり前にできたときには,その言動を認めたりほめたりして価値づけることも忘れずに。
3年生になると,低学年のときには理解が難しかったような話も伝わるようになります。また,すぐに伝わらなくても,何度も言い続けることで,教師の伝えた言葉が子どもの心の中に蓄積し,いつか必ず実感を伴って伝わる日がくると信じています。
3 子ども自身が考えられるようなきっかけをつくる
「○○しましょう」「○○してはだめです」と伝えるだけでも,3年生の子どもたちは素直に聞き,行動してくれることでしょう。しかし,教師から子どもたちへの一方的な指示だけではなく,子どもたち自身が自分の頭で考えるきっかけとなるような言葉を選びたいものです。
例えば,忘れ物をしたときに「先生,消しゴムを忘れました」と子どもが言いに来たとします。消しゴムを教室にストックしておけば貸し出しをすることもできます。ですが,そこでひと言「それで,どうする?」とまずは子ども自身に考えさせます(言い方によっては冷たく聞こえてしまうので,気をつけましょう)。忘れ物はだれにでもあります。大切なのはその後です。「忘れたので貸してください」「忘れたので,○○さんに貸してもらいます」など,自分で考えて言えたときには「自分で考えることができたね」と,ほめてあげるとよいですね。
また,友だちとのトラブルが起きて指導をする場面で,「何がいけなかった?」「これからどうすればいい?」などと投げかけることで,子どもは一生懸命考えます。すぐに言葉が出てこないかもしれません。ですが,何も言えない=何も考えていないわけではなく,一生懸命考えているはずです。考えを促す言葉を使うことで,「先生は自分たちの考えを大切にしようとしてくれている」ということも伝わります。
よくないことが起きたときこそ,考えてほしいと思っています。頭ごなしに叱っても,「怒られて怖かった」という記憶しか残りません。教師と児童である以前に,人と人です。私たちは心でつながっています。
即効性はなくても,ちょっともどかしくても,たとえ多少遠回りをしたとしても,自分で考えるという習慣を身につけることが,必ず成長につながります。
4 新しいことへの挑戦を支える
1,2年生のときには,担任に言われたことや決められたことをするだけで精いっぱいだった子どもたちも,3年生になると,学校生活にすっかり慣れ,エネルギーを持て余してきます。決められたことをしっかりとやることももちろんとても大切なことですが,決められたことだけでなく,新しいことに挑戦する機会を投げかけてみましょう。この中学年での経験が,高学年での委員会活動など,学校全体を動かす活動に生きていきます。
例えば,学級をより楽しくするような係活動をスタートしてみるのもよいでしょう。自分たちで必要な係や内容を考えることで,「自分たちの学級は自分たちの手でよりよくしていく」という自治の心が育っていくことにつながります。学期末や年度末のお楽しみの企画を考えてもらうのもよいですね。自主学習を始めてみるのもよいでしょう。自分の興味のあることをとことん調べたり,自分の力を伸ばせる学習法を模索したりすることで,可能性が広がります。はじめからうまくいくことはありません。もどかしくてもほめて励まして,ほんの少し「こうするともっとよくなるよ」とアドバイスをしてあげましょう。
新しいことに挑戦するのはとても勇気がいることです(大人と同じです)。そのためには,日ごろの教師との信頼関係,温かい学級づくりがカギとなります。土台をしっかりとつくってから,「よいと思うことにはどんどん挑戦してみよう」という声かけを日ごろからしていきます。そして「やってみようかな」という心を育てることから始めてみませんか。
5 思いを伝える
私は,「相手に心を開いてほしかったら,まず自分が心を開くこと」をモットーとしていて,自己開示は人間関係をつくるうえで大切な第一歩だと感じています。
具体的には,朝の会を使って子どもたちに思いを伝えたり,学級通信の中でおうちの方に向けて自分が大切にしている言葉を綴ったりしています。
その1つとして,私は,子どもたちに「あなたたちのことが大好き」という言葉をときどき伝えます。大好きだから悲しくなったり虚しくなったり,頭にきたりすることもあります。担任になると,いろんな気持ちに日々振り回されます。そこに気持ちがあるからです。言葉は心を超えません。口にしないと伝わらないのです。「言わなくてもわかるよね」と思わずに,「あなたたちのことが大好き」という言葉を,ここぞというときにぜひ口に出して伝えてみてください。ちょっとはずかしいですけれどね。
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内容 | ファイル名 | サイズ | |
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イラストカット (主に小学校低学年) |
illust_tei.zip | 19,393KB | |
イラストカット (主に小学校中・高学年) |
illust_chukou.zip | 21,778KB | |
イラストカット (カラー、グレー、ぬり絵) |
illust_cut.zip | 35,270KB |
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