自閉スペクトラム症のある子の「できる」をかなえる!構造化のための支援ツール 個別編

自閉スペクトラム症のある子の「できる」をかなえる!構造化のための支援ツール 個別編

好評5刷

環境・時間・活動の見える化アイデア34

構造化のための支援ツールを物理(環境)・時間・活動別に紹介しています。写真が大きく、とってもビジュアル!カームダウンエリア設定から数々のスケジュール管理グッズまで、子どものつまずきにあわせて、こんなとき、こうできたらいいな!を実現するアイデアが満載。


紙版価格: 1,760円(税込)

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ISBN:
978-4-18-358710-7
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
5刷
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年5月7日

もくじ

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推薦の言葉
はじめに
準備編
支援ツールに活かせる身近な素材
支援ツール制作に役立つ基礎用具
第1章 構造化の利点とポイント
01 情報をわかりやすくするために
02 教育現場での構造化の意義
03 構造化の具体的な手立てとは
04 指導への活かし方
第2章 構造化のための支援ツール
物理的構造化
01 学習や活動に集中できる 個別の机上パーティション
02 自分の役割を遂行できる 水回りの布巾掛け
03 音の刺激を軽減できる 適材適所のテニスボール
04 整理整頓ができる 机の中のエリア分け
05 「好き」がかなう場 パーティションによるカームダウンエリア
06 活動の終わりを確認できる 完了したら放り込むカゴ
07 他者と適切な距離を保てるようになる 手繋ぎの代替・ゴムリング
時間の構造化
08 見通しをもって学校生活が送れる 上から下の流れによるスケジュール
09 見通しをもって校外で活動する 宿泊行事・校外学習用の携帯式スケジュール
10 見通しをもって活動できる 1つ提示−消去式−のスケジュール
11 注目しやすい&動機高まる ページめくり式のスケジュール
12 スケジュールへかえることができる 顔写真カードとポケット
13 見通しをもって乗車できる スクールバス・バス停の乗降者確認BOOK
14 なくなって終わりがわかる 体育的活動用のチップとボード
15 確認しながら自分でできる 忘れ防止のための指示書
16 行為を介して確認しながら自分でできる 左から右への操作式指示書
17 どうしても我慢しなければならないときを過ごすために 人生初の飛行機に挑戦するためのツール
18 自分で確認・管理できる 排せつの回数ツール
19 一人通学に挑戦できる 山手線の現在地確認BOOK
活動の構造化
20 複数の個別課題に取り組める 個別学習のワークシステム
21 作業場所への移動ができる 資源回収の可動式指示書
22 工程を理解して作業できる iPhoneのアプリを利用した指示書
23 順番に達成して報告ができる 個別課題用のワークシステム〈1〉
24 順番に自立課題を達成できる 個別課題用のワークシステム〈2〉
25 スキルを補って作業へ従事できる メモ帳用の紙束づくりの設定
26 作業の正確性を導く スタンプ押し作業の設定
27 こだわりを利用して作業できるようになる ペットボトルのラベル剥がしの設定
28 再構造化によってできるようになる ネジの封入作業の設定の改善
29 「終わり」の理解と成功体験を得られる プットイン教材
30 ジグを活用するスキルが身につく 型はめ教材
31 模擬的な実習場面で般化・応用できるようになる 作業学習への接続を目的とした教材
32 自分の思いや希望を伝えられる コミュニケート・絵カードツール
33 用途に応じて自分の物を管理できる 日常生活へジグの機能を応用した箱
34 手持ち無沙汰になったら触って安心できる 隙間時間の活動をつくるためのグッズ
第3章 支援ツールの作り方
個別の机上パーティション(→01)
水回りの布巾掛け(→02)
適材適所のテニスボール(→03)
机の中のエリア分け(→04)
パーティションによるカームダウンエリア(→05)
手繋ぎの代替・ゴムリング(→07)
上から下の流れによるスケジュール(→08)
宿泊行事・校外学習用の携帯式スケジュール(→09)
1つ提示−消去式−のスケジュール(→10)
ページめくり式のスケジュール(→11)
顔写真カードとポケット(→12)
スクールバス・バス停の乗降者確認BOOK(→13)
体育的活動用のチップとボード(→14)
忘れ防止のための指示書(→15)
左から右への操作式指示書(→16)
人生初の飛行機に挑戦するためのツール(→17)
排せつの回数ツール(→18)
山手線の現在地確認BOOK(→19)
個別学習のワークシステム(→20)
資源回収の可動式指示書(→21)
iPhoneのアプリを利用した指示書(→22)
個別課題用のワークシステム〈1〉(→23)
個別課題用のワークシステム〈2〉(→24)
メモ帳用の紙束づくりの設定(→25)
スタンプ押し作業の設定(→26)
ペットボトルのラベル剥がしの設定(→27)
ネジの封入作業の設定の改善(→28)
プットイン教材(→29)
型はめ教材(→30)
作業学習への接続を目的とした教材(→31)
コミュニケート・絵カードツール(→32)
日常生活へジグの機能を応用した箱(→33)
隙間時間の活動をつくるためのグッズ(→34)

推薦の言葉

 私がはじめて佐々木先生にお会いしたのは,東京都教育委員会による「知的障害特別支援学校における自閉症教育の充実事業」において,都立港特別支援学校のコンサルテーションにおうかがいしたときでした。

 研究担当の先生から各教室を案内され,佐々木先生の教室を訪問したときに,作成された支援教材の多さに驚かされました。後で美大出身だとおうかがいし,「なるほど」と納得したのを記憶しています。

 あるとき,コンサルテーションを行う中で,言葉によるコミュニケーションが困難な一人の自閉スペクトラム症(以下ASD)の子どもがいました。彼はのどが渇いたときにお茶を飲みたいことを伝えたいのですが,うまく伝えることができませんでした。教室の壁にやかんの絵が描かれたカードが貼られていたのですが,そのカードをうまく使えることができませんでした。なぜ使えないのかを検討した結果,自分の机から離れたところに貼られているからではないかと考え,その子どもの机の上に絵カードを置くようにしたところ,お茶を飲みたいときに,その「やかんの絵カード」を佐々木先生に渡すことができるようになりました。

 このときに,佐々木先生と私の気持ちが通じ合えたような気がしました。

 その後,佐々木先生は本格的にASD児者の教育について勉強をされるべく早稲田大学大学院に内地留学され,ノースカロライナTEACCH Autism Programツアーにも参加されて,熱心に構造化の勉強をされました。

 本書ではそのような長年の実践経過を踏まえ,臨床の現場で生じた様々な問題を解決されている様子がわかりやすく説明されています。

 ドアノブ拭きと雑巾の違いや,音を遮断するためのテニスボールの使用などは,まさに現場の臨場感が伝わってきます。

 とりわけ,バスの乗降者確認Bookは,やることがない(わからない)ときに問題行動が生じやすいASDの子どもの特徴を見事にとらえ,素晴らしい教材となっています。

 本シリーズは,個別編と集団編に分かれていますが,いずれも構造化の実践における説明の後に,具体的写真が提示されているため,簡潔でわかりやすい流れになっています。

 一つひとつの事例が,まるで実際にASDの子どもとかかわっているような臨場感があり,単にわかりやすいだけではなく,専門的知識がいたるところにちりばめられており,初心者からベテランの先生方にまで参考になるものと思います。

 本シリーズは,知的障害を伴うASDの子どもの構造化による指導の基本的実践マニュアルとして,極めて参考になる良書だと考えます。私自身,本書を読みながら現場で使える構造化の考え方を再度勉強しなおすことができました。

 研究意識の高い臨床家としての佐々木先生の今後の実践がさらに楽しみになってきました。


   早稲田大学教授 /梅永 雄二

著者紹介

佐々木 敏幸(ささき としゆき)著書を検索»

東京都立港特別支援学校 研究主任。修士(美術/教職)。青年海外協力隊(エジプト・美術)を経て現職。

縄岡 好晴(なわおか こうせい)著書を検索»

大妻女子大学人間関係学部人間福祉学科 助教。修士(教育学)。社会福祉士,精神保健福祉士,臨床発達心理士。千葉県発達障害者センター係長などを経て現職。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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