- 序文 /小海 永二
- T 小学校の詩をどう教えるか
- ――技法をおさえつつ――
- U 詩の読み方指導・その最初から最後まで
- ――「ざんざん雨」(間所ひさこ)を例に――
- V 30編の詩・何を中心にして教えるか
- 1 「夕日がせなかをおしてくる」(阪田寛夫)は、擬人法を中心に
- 2 「ひみつ」(中江俊夫)は、リフレインを中心に
- 3 「水平線」(小泉周二)は、リフレインを中心に
- 4 「きりん」(まど・みちお)は、擬声語を中心に
- 5 「春の歌」(草野心平)は、擬態語・擬声語を中心に
- 6 「馬でかければ」(みずかみかずよ)は、動詞の多用を中心に
- 7 「土」(三好達治)は、比喩(たとえ)を中心に
- 8 「ゆうひのてがみ」(野呂昶)は、比喩(たとえ)を中心に
- 9 「わたしと小鳥とすずと」(金子みすゞ)は、構造よみを中心に
- 10 「川」(谷川俊太郎)は、擬人法を中心に
- 11 「シャボン玉」(ジャン = コクトー 堀口大学訳)は、比喩(たとえ)を中心に
- 12 「ぼくの家だけあかりがともらない」(野長瀬正夫)は、リフレインを中心に
- 13 「コブシの花」(新川和江)は、擬人法と比喩(たとえ)を中心に
- 14 「いのち」(小海永二)は、構造よみを中心に
- 15 「忘れもの」(高田敏子)は、題名よみを中心に
- 16 「故郷の空」(大和田建樹)は、対句を中心に
- 17 「われは草なり」(高見順)は、比喩(たとえ)とリフレインを中心に
- 18 「島」(高崎乃理子)は、文末表現の変化を中心に
- 19 「ふるさと」(室生犀星)は、リフレインを中心に
- 20 「北の春」(丸山薫)は、主題よみを中心に
- 21 「かなしみ」(大木実)は、同語反復を中心に
- 22 「ゆずり葉」(河井酔茗)は、呼びかけの語を中心に
- 23 「白い建物」(村野四郎)は、「連」と比喩(たとえ)を中心に
- 24 「生きる」(谷川俊太郎)は、構造よみを中心に
- 25 「かくれんぼ」(黒田三郎)は、主題よみを中心に
- 26 「風景─純銀もざいく」(山村暮鳥)は、視覚的構成を中心に
- 27 「からたちの花」(北原白秋)は、呼びかけの語を中心に
- 28 「イナゴ」(まど・みちお)は、比喩(たとえ)を中心に
- 29 「あいたくて」(工藤直子)は、同語句反復を中心に
- 30 「やしの実」(島崎藤村)は、五七調を中心に
- 付録(ファックス用)詩の技法 定義と基本的な効果一覧表
- あとがき /丸山 義昭
序文
日本言語技術教育学会・長岡支部の前著である『「詩の技法」をどう教えるか』(小海永二監修・明治図書 一九九七年)は、実践のための詩的技法の説明書であった。この前著の指導理論をさらに生かした応用編として、個々の詩の指導事例集を編む必要があった。それは、次の課題として一冊にまとめられることが望ましいと、わたしも前著の序文で期待を述べた。
この課題に取り組むべく、長岡支部の皆さんが、前著のときと同じように研究会を重ねて、二年近くの歳月を費やして出来上がったのが本書である。この本は、前著で解明されたさまざまな詩の技法を、具体的に個々の作品に適用して作り上げられた一冊である。
この本では、小学校で扱われる詩について、それぞれ中心的な技法を押さえながら、「授業化のポイント」と「指導の流れ」を分かりやすく示しており、現場での指導に直ちに役立つであろう。
小学校で扱われる詩ということだから、中学校・高校の場合には、また違った、あるいは一歩進んだ技法の適用を考えなくてはならないかも知れない。この本は、あくまでも小学校用であり、技法を押さえた詩の指導書として、広く現場で使われ、多くの教員諸氏の声や意見が寄せられることを望んでいる。
2000年3月 /小海 永二
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- 明治図書