国語力をつける発問づくり 小学3・4年

国語力をつける発問づくり 小学3・4年

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学習意欲を高め、みるみる力をつける発問づくりを提案。

基礎・基本の国語力をつける発問づくりの構想を中学年の「話す・聞く」「書く」「読む」の力をつける発問づくりの具体例で示した。例えば司会の力をつける発問、伝え合いながら書く力を伸ばす発問、文章構造の作成から生まれる発問づくりなどすぐ使えるよう示す。


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ISBN:
4-18-325611-9
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 序論・国語力をつける発問づくりの構想と視点
――学習目標の到達度を高める実践のために――
一 「目標・指導・評価」の一体化に立つ発問の目的と役割
1 基礎・基本の国語力をつける発問づくりの構想/ 2 「観点別学習状況の評価」を生かした発問づくりの構想/ 3 「言語活動」における発問づくりの構想/ 4 目標・指導・評価の一体化を図る発問づくり
二 国語力をつける発問づくりの発想と視点
1 子どもの学習支援となる発問づくり/ 2 学習過程に応じる発問プロセス
三 授業展開における発問づくりの実践的視点
1 発問づくりの実践的視点としての一〇観点(国語力をつける発問の角度づけ)/ 2 発問により子どもが書く活動をする(音声のみの発問・応答ではなく、読みと書く活動の一体化を図る)=読みの例/ 3 領域相互の学習関連を図る発問づくり
U 提言・中学年の国語力をつける授業の発問
一 「話すこと・聞くこと」の力をつける発問
――「司会の力」を育てる発問
1 はじめに――高学年で身につけているべき望ましい姿/ 2 司会の基礎の指導は中学年から/ 3 学習の実際/ 4 おわりに
二 「書くこと」の力をつける発問
――「伝え合いながら書くこと」 で書く力を伸ばす
1 生活の広がりを書く力の伸びにつなげるには/ 2 ポイントを押さえた発問で「書くこと」の学習をつくる/ 3 「伝えようとしたこと」と「伝わったこと」の確認を
三 「読むこと」の力をつける発問
――発問は「文章構造」の作成から生まれる
1 人はどう学ぶのか〜学びに対する仮説/ 2 発問は文章構造図の作成から生まれる/ 3 子どもの学びの仕組みと文章構造図
V 授業実践例・中学年の国語力をつける発問の展開
一 伝えたいことを選び、筋道を立てて、「話す力」をつける発問の工夫
1 はじめに/ 2 単元名/ 3 学習目標/ 4 指導計画/ 5 授業展開と発問
二 話の中心に気をつけて「聞く力」をつける発問の工夫(四年)
1 単元名/ 2 学習目標/ 3 指導計画/ 4 授業の実際
三 相手や目的に応じた言葉遣いで話す力をつける発問の工夫
1 単元名/ 2 単元目標/ 3 学習の内容/ 4 指導計画/ 5 具体的な授業展開(第一時)/ 6 おわりに
四 聞き手を育て、進んで「話し合う力」をつける発問の工夫
1 聞き手を育てる意識/ 2 個々の課題を共通の課題とする/ 3 提案解決会
五 相手や目的に応じて適切に書く力をつける発問の工夫
――三年生単元 学芸会のことを二年生に知らせよう(「つな引きのお祭り」東京書籍)
1 学習目標/ 2 指導計画/ 3 指導の実際
六 書くことに必要な事柄を収集・選択する力をつけるために
1 はじめに/ 2 単元について/ 3 指導の実際/ 4 考察/ 5 おわりに
七 自分の考えが明確になるように、段落相互の関係を考える力をつける発問の工夫
――段落のつながりに気をつけて「ツバメがすむ町」そのあとで
1 単元名/ 2 学習目標・内容/ 3 指導計画/ 4 授業の実際
八 書こうとすることの中心を明確にしながら、段落と段落との続き方に注意して書く力をつける発問の工夫(四年)
――作例の組み立てを読み取る発問、構成・推敲を促す指示で書く力をつける
1 はじめに/ 2 作例の組み立てを読み取る発問、構成・推敲を促す指示の実際/ 3 まとめ
九 目的に応じて、中心となる語や文をとらえて段落相互の関係を考え、文章を正しく読む力をつける発問の工夫
1 単元/ 2 教師の思いや願い/ 3 単元の目標/ 4 学習活動の展開と支援(一六時間扱い)/ 5 本時の学習活動
一〇 場面の移り変わりや情景を、叙述をもとに想像しながら、読む力をつける発問の工夫
1 教材/ 2 教材について/ 3 学習目標・内容/ 4 指導計画(一〇時間)/ 5 第四の場面の学習
一一 「文章のまとまり」と「文章の細部」に着目しながら読むための発問づくり
1 はじめに/ 2 教材化にあたって/ 3 単元の目標/ 4 指導計画/ 5 指導の実際(四/ 一三)/ 6 終わりに
一二 書かれている内容の中心や場面の様子がよく分かるように、声に出して読む力をつける発問の工夫
1 題材名/ 2 学習目標/ 3 指導計画/ 4 本時の授業の目標/ 5 発問の具体例

まえがき

 「発問なき授業はない」。これは、授業体験からの実感である。学習発問は、子どもの「疑問」「とまどい」などを解消し、子どもの「知りたい」「分かりたい」「上達したい」という学習への思いや考えを高め、言語を手がかりとして学習目的に応じる事柄や内容の「表現」「理解」「思考」「伝え合い」等により、「気づき・考え・発見し・活動する」学習をする国語力をつける契機・展開・成果となるための重要な指導方法・技術である。しかし、発問は子どもにとって国語力をつける魅力ある発問であり、学習意欲・言語活動・学習状況・到達度を高めるものでなければならない。

 本書『国語力をつける発問づくり』は、新しい教育改革の視点に立つ「目標・指導・評価」の一体化プランに立ち、新しい時代の新しい発問づくりについての提言と実践による書として、企画立案しまとめられたものである。したがって、学習指導要領に示されている観点別学習状況の評価を基本としての@「国語への関心・意欲・態度」にかかわる発問、A「話す・聞く能力」をつける発問、B「書く能力」をつける発問、C「読む能力」をつける発問、D「言語についての知識・理解・技能」についての発問についても検討・研究・工夫をして発問づくりを考えたり、学習する単元(題材)の目標を明確にするための「到達目標チェック」の発問づくり、そして「言語活動における」発問づくり等により、子どもが「気づき・考え・発見し・活動する」学習状況として国語力の育成を図ることを願っている。

 『国語力をつける発問づくり』は、「国語を適切に表現する国語力」「国語を正確に理解する国語力」「伝え合う力を高める国語力」、そして、「思考力、想像力、言語感覚を養う国語力」「国語に対する関心や尊重を育てるための構想と視点」をもって提言や授業記録を生み出したものといえる。

 なお、具体的な発問づくりの角度づけとしては、言語を手がかりとして言語表現の「確認」「思考」「想像」「比較」「因果関係」「心情」「感想・意見」「言語と言語との関係」「調査」「図書・情報の活用」「評価」等、学習の目標を到達するための教材に応じて留意し、発問の具体化を図るように意図した。

 授業における学習過程のどの段階においても発問によって一問一答や数人の子どもと教師による断片的な応答ではなく、発問の応答が目指す国語力の学習になるための「伝え合い、高め合う」学習コミュニケーションの場となり、どの子も自分の思いや考えにとどまったり閉ざされることなく、学級の全体の子どもたちによる協力学習としての学び合いとなるようにして「到達度を高め合う学習」「国語力を保障できる授業」となる願いをもって執筆に当たった。

 本書の提言構成としては、第T章では序論としての提言、第U章での各巻ごとの領域別の発問における実践的提言を示し、第V章では、学年ごとの各領域の目標・内容に即して実践した発問展開について提言したものとなっている。

 授業実践展開の執筆者は、全国各地の優れた実践者であり、それぞれの魅力ある発問づくりにより工夫され、提示されていると考えるところである。

 なお、『国語力をつける発問づくり』は小学校低学年・中学年・高学年・中学校の全四巻となっていることを付言し、学年段階ごとの発問の実態・小学校と中学校の段階の実態についても国語力の系統性や各領域相互の関連性についてもとらえられる資料として活用されるよう、あわせておすすめしたい。

 終わりに、本書『国語力をつける発問づくり』(全四巻)の企画から刊行に至るまでの御高配をいただき、お世話くださった明治図書の江部満編集長さんに対し、厚く御礼を申し上げるしだいである。


  二〇〇五年六月一〇日   編著者 /須田 実

著者紹介

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1930年生まれ。群馬大学教育学部卒。公立,国立学校の教諭を経て,群馬県教育委員会義務教育課指導主事,前橋市立学校の校長,群馬県教育センターの部長,再び校長となり,退任後は前橋市教育研究所長,群馬女子短期大学講師等に当たる。この間,文部省の学習指導要領作成協力者として,その任に当たる。

現在は,「新しい国語実践の研究会」代表,「国語科授業方法研究会」主宰などに努め,国語力をつける実践的研究を継続している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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