「主体的に学習に取り組む態度」を育てる社会科授業づくりと評価

「主体的に学習に取り組む態度」を育てる社会科授業づくりと評価

好評2刷

評価規準&指導案でわかる!主体的に学習に取り組む態度の育て方

「主体的に学習に取り組む態度」を育てる授業デザインとは?「既習知識の活用」「対話」「新たな問いの発見」の切り口から、各学年の具体的な単元における授業&評価プランを、評価規準と指導案を入れてまとめました。理論から授業デザイン、評価までがわかる1冊です。


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ISBN:
978-4-18-313455-4
ジャンル:
社会
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 176頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年6月10日

Contents

もくじの詳細表示

はじめに
1 「主体的に学習に取り組む態度」を育てる社会科授業の理論
1 問題の所在と本書の構成
2 「関心・意欲・態度」から「主体的に学習に取り組む態度」へ
@「関心・意欲・態度」導入の衝撃
A「関心・意欲・態度」から「主体的に学習に取り組む態度」へ
3 国立教育政策研究所が提案する「主体的に学習に取り組む態度」の評価方法の課題
@「学習問題に対する予想を立てている」について
A「学習問題の解決に向けて,見通しをもっている」について
4 「主体的に学習に取り組む態度」の評価理論
@「既習知識の活用」に着目した社会科授業
A「対話」に着目した社会科授業
B「新たな問い」の発見に着目した社会科授業
5 実践編をお読みいただくために
@授業仮説の理論と学習指導案への明示
A評価基準と評価規準
2 「主体的に学習に取り組む態度」を育てる社会科授業&評価プラン
1 既習知識の活用により「主体的に学習に取り組む態度」を育てる社会科授業&評価プラン
1 既習知識の活用により「予想」を「仮説」へと高める社会科授業&評価プラン@
―第3学年 工場のひみつ―
2 既習知識の活用により「予想」を「仮説」へと高める社会科授業&評価プランA
―第5学年 米作りがさかんな地域―
3 既習知識の活用により「予想」を「仮説」へと高める社会科授業&評価プランB
―第5学年 これからの食料生産―
4 既習知識の活用により合理的意志決定を行う社会科授業&評価プラン
―第6学年 わたしたちのくらしと政治―
2 対話により「主体的に学習に取り組む態度」を育てる社会科授業&評価プラン
1 対話により単元の「見通し」をもつ社会科授業&評価プラン
―第3学年 火事からくらしを守る―
2 対話により「予想」を「仮説」へと高める社会科授業&評価プラン@
―第3学年 店ではたらく人びとの仕事―
3 対話により「予想」を「仮説」へと高める社会科授業&評価プランA
―第4学年 自然災害から命を守る―
4 対話により「予想」を「仮説」へと高める社会科授業&評価プランB
―第6学年 源氏と平氏の戦い―
3 「新たな問い」の発見により「主体的に学習に取り組む態度」を育てる社会科授業&評価プラン
1 「学習課題の解決後」に「新たな問い」を発見する社会科授業&評価プラン
―中学校歴史的分野 江戸幕府の成立と対外関係―
2 矛盾から生まれた「新たな問い」を評価する社会科授業&評価プラン
―第4学年 ごみのしょりと活用―
3 「単元の終末」に「新たな問い」を立てる社会科授業&評価プラン
―第5学年 水産業のさかんな地域―
4 「単元の終末」に「新たな問い」を発見する社会科授業&評価プラン
―第5学年 気候の特色を生かした農業―
5 未来志向の「新たな問い」を立てる社会科授業&評価プラン
―第4学年 くらしをささえる水―
おわりに
執筆者一覧

はじめに

 授業における評価は,次の二つの機能をもっていると考えている。

 (1)評価の視点を定めて学習活動を分析し,子どものその後の学習への指針を示す機能をもつ。

 (2)教員の指導の在り方の反映が子どもの姿であるととらえ,目標達成のための手立ての有効性を検証するための鑑としての機能をもつ。

 (1)は,評定するだけが評価ではないことを示している。子どもに評定の烙印を押すために評価を行うのではない。評価対象から具体的に導き出された評価内容を子どもに示し,その後の学習への指針を示すことが大切である。そのためには,評価規準の研究が大きな課題となる。

 ワークシートやノート,定期テストで,期待する成果が得られないときは,自身の授業を振り返る必要がある。成果が得られないことは,子どもの責任ではない。(2)は,授業仮説の有効性を振り返る鑑となる評価の機能である。授業仮説の有効性の検討を,事後検討会の討議の柱にすることが大切である。

 本書のテーマである「主体的に学習に取り組む態度」の評価は,定量的に測ることになじまないとされ,教員の主観に委ねられてきた。態度の評価の誤認識である。「関心・意欲・態度」の評価研究の重要性は分かっていても,この分野の研究は進んでいない。また,学校教育現場の教員も,自身の実践と評価に疑問をもちつつも,明確な評価規準を作成することができず,根拠の乏しい評価を繰り返してきたことが現実である。

 本書は,西宮市社会科教育研究会と10年をこえる研究をともにしてきた成果の一部である。ここ2年間は,「主体的に学習に取り組む態度」の評価について,筆者の理論を中核にすえ,授業実践をとおしてその有効性を検証する授業研究会を繰り返してきた。実践編はすべて授業研究会の討議を通過したものである。また,ゼミ修了生からも実践をへた事例を論じていただいた。

 本書が,「主体的に学習に取り組む態度」の評価に,一石を投じることができれば幸いである。忌憚のないご意見をいただきたい。


   /米田 豊

著者紹介

米田 豊(こめだ ゆたか)著書を検索»

1955年12月生まれ。

小,中学校教諭,奈良県教育委員会,橿原市教育委員会指導主事を経て,2006年より兵庫教育大学大学院教授。授業実践開発コース長,教育実践高度化専攻長,副学長,理事・副学長,2021年4月より兵庫教育大学名誉教授。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      2022/12/3140代・教委
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      2022/1/3030代・小学校教員
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      2022/1/750代・中学校管理職
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