対談・中学校新教育課程国語科の授業をどう創るか

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新しい学習指導要領の告示を受け,改訂のねらい・重要課題は何かを明らかにしながら,教科目標・学年目標・指導事項をきめこまかく解説,これからの授業と研究課題を対談形式で詳述。


復刊時予価: 2,332円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-310812-8
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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はじめに
T 新しい国語科改訂のねらいは何か
1 「教課審」のねらい
2 中学校国語科としての重要課題
U 国語科改訂の重要課題は何か
1 言葉で「伝え合う力」の育成
2 話すこと・聞くこと、書くこと、読むこと、の三領域構成
V 国語科改訂の内容
1 目標
2 各学年の目標
3 各学年の目標の複数学年での表示
4 三領域一事項をどうとらえるか
5 なぜ「言語活動例」を示す必要があるのか
6 指導時数について
7 「選択教科としての国語」と「総合的な学習の時間」との関連
8 厳選の重点
9 指導計画の作成と内容の取扱い
(1) 古典の指導
(2) 文学史の扱い
(3) 漢字と書写の指導
(4) 「教材選定の観点」 と指導時数の目安について
W 改訂で求められる授業と研究課題
1 「指導と評価」の一体化
2 改訂で求められる研究課題
X まとめ
[資料1]実践事例
[資料2]新旧学習指導要領対照表
[付録1]中学校学習指導要領(総則)
[付録2]中学校学習指導要領(国語)

はじめに

 平成一〇年一二月一四日に、中学校の新しい学習指導要領が告示された。この新しい学習指導要領が全面実施される平成一四年は、二一世紀に入ってわずか二年目という時であり、そのような意味においても今回改訂された学習指導要領は、二一世紀の我が国の学校教育の進むべき基本的な方向を示しているものと言えよう。

 新しい学習指導要領は、学校週五日制のもとで各学校における特色ある教育を通して、ゆとりのある学習活動を展開し、生徒に[生きる力]を育成することを目指している。

 国語科は、今回の改訂において、言語の教育としての立場に立って、「互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う能力を育成することに重点を置いて内容の改善を図る。特に、文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方を改め、自分の考えをもち、論理的に意見を述べる能力、目的や場面などに応じて適切に表現する能力、目的に応じて的確に読み取る能力や読書に親しむ態度を育てること」を重視して改善を図った。そして、これらの能力や態度を調和的に養うため、教科の領域構成は、現行の「A表現」、「B理解」及び〔言語事項〕という構成が改められ、「A話すこと・聞くこと」、「B書くこと」、「C読むこと」及び〔言語事項〕から構成されることになった。現行学習指導要領における表現力重視という考えを継承するとともに、「話すこと・聞くこと」という音声言語を一層重視する構成ともなっている。また、指導内容の厳選を踏まえ、目標や内容を二学年まとめて示したこと、言語活動例や指導時数の目安を提示したこと、古典、漢字及び書写を含む〔言語事項〕などについての改善がなされたことなども、今回の改訂の特徴となっている。

 本書が、その作成経過をも含め中学校の新しい学習指導要領国語に対する読者の理解を深める上で、幾ばくかなりともお役に立てれば幸いである。

 なお、今回、対談していただいた金子守先生には、私の話がともすれば混乱しがちになるのをそのつど整理していただくとともに、内容の不足するところについては、「担当者が明かす改訂の本質」という本書の編集の趣旨に沿って適切に補っていただいた。金子守先生のお陰で、本書がようやくその体裁を整えることができたことに対して、改めて感謝の意をお伝えしたい。また、明治図書編集部の石塚嘉典、松本幸子の両氏には、対談及び編集に際し、何度も貴重なご指摘をいただいた。

 市川市立第六中学校教諭の五十嵐ふみ代先生には貴重な実践例をご提供いただいた。重ねて感謝申し上げる。


  平成11年6月

   文部省初等中等教育局中学校課教科調査官 /河野 庸介

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