子どもを軸にしたカリキュラム・マネジメント 教科をつなぐ『学び合い』アクティブ・ラーニング

子どもを軸にしたカリキュラム・マネジメント 教科をつなぐ『学び合い』アクティブ・ラーニング

インタビュー掲載中

各教科の授業づくりで実現するカリキュラム・マネジメント

「教科の枠組みを越えた力」はどうつける?カリキュラム・マネジメントで目指す力は、教科をつなぐ『学び合い』アクティブ・ラーニングで実現出来る!教科を横断した力をつける各教科の授業づくりについて、子どもを軸にしたカリキュラム・マネジメントの視点から解説。


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ISBN:
978-4-18-271925-7
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 168頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2024年4月25日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 カリキュラム・マネジメントとは何?
1 何をするの?ではなく何を達成するの?
1 何をするの?ではなく何を達成するの?
2 カリキュラム・マネジメントですべきこと
2 次期学習指導要領の特徴は
1 振り子
2 二項対立の解消
3 アクティブ・ラーニング/カリキュラム・マネジメント
1 アクティブ・ラーニングとは
2 カリキュラム・マネジメント
4 現状の学校で出来ること
1 校長
2 壁
3 子どもの姿
4 『学び合い』
5 算数,数学,物理,体育の素晴らしさ
6 我々に出来ること
コラム したたかに
第2章 子どもを軸にしたカリキュラム・マネジメント 教科別『学び合い』アクティブ・ラーニング
1 集団が織り成す幾何学模様
(小学校国語科)
2 言葉・文化の理解から「国民意識」へ
(高等学校国語科)
3 中学校社会科が目指す人格の完成とは
(中学校社会科)
4 合意形成能力を育む学びの場
〜教科の特性を生かした,明るい未来を担うヒトを育成する授業づくりのツボ(思想)〜(小学校算数科)
5 対話を通して,自分たちで「本当のこと」を見つけていく
(中学校数学科)
6 “数学を”“学校で”学ぶことの意味の中に隠された美しさ
(高等学校数学科)
7 よりよい「学びの場」,よりよい「生きる場」を形成しようとする子どもたち
(小学校理科)
8 つなげるということ
(中学校理科)
9 みえないものを見るために
(高等学校理科)
10 異なるものと力を合わせる能力
(中学校英語科)
11 みんなで一つのものを創り上げる
(小学校音楽科)
12 よいものはよいと言える力
〜お互いのよさを認め合う力を育てる〜(小学校図画工作科)
13 壁や枠を越えること
(小学校体育科)
14 主体性,やりがい,誰かの役に立つ喜びを実感する経験
(中学校保健体育科)
15 中学校技術科における子どもの工夫する力と協働する力の向上
(中学校技術科)
16 目立たないあの子の活躍
(小学校家庭科)
コラム みんな分かるが美しさ
第3章 『学び合い』アクティブ・ラーニングで学校づくり
〜教科の枠を越えた力をつける取り組みから〜
1 『学び合い』によって加速する「チーム学校」への歩み
2 担任が替わろうと,校長が替わろうとも,「将来にわたって学ぶ意欲をもち続けられる子どもたち」を目指して
3 集中している姿には美しい輝きがある
4 一教諭でも学校を変えられる!?
5 周りに気を配りながら行動できる子どもたち
6 仲間を思いやる心〜不登校未然防止の取り組み〜
コラム 未来で生き残る子ども,教師
読書ガイド

はじめに

 2014年11月20日に「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」が発表されました。その中で,多くの教師には馴染みのない「アクティブ・ラーニング」という言葉が前面に出ました。

 教育界では「アクティブ・ラーニングって何?」の状態になりました。最初は怖ず怖ずと,やがて嵐のように,その問いが問われるようになりました。研究会があれば,日本全国からアンテナの高い教師が集まります。書店にはアクティブ・ラーニングと銘打つ本が現れ始め,今では平積みの本の半数近くはアクティブ・ラーニング本が占めるようになりました。その様子は総合的な学習の時間が学習指導要領に導入される直前のときと同じです。

 ある人は,この状態を「アクティブ・ラーニング祭り」と表現しています。その祭りは今も進行中です。先に述べたように書店には数多くの本が並び,世には関連する研修が開催されています。しかし,百家争鳴の状態で多くの教師にとっては「アクティブ・ラーニングって何?」の疑問は深くなっています。ただ,以前と違って「ま,関係ないよ」とか,「ちょっとやればいいんでしょ」というような誤解は解消しているようです。それ故,より多くの人が,より深刻に「アクティブ・ラーニングって何?」を問い続けています。

 2016年8月26日に「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」が発表されました。そこでもアクティブ・ラーニングが前面に出されています。しかし,それと同時にカリキュラム・マネジメントというキーワードが前面に出されています。単純な比較ですが,次期学習指導要領の全体像を示す「第1部」においてアクティブ・ラーニングという言葉が15か所で使われているのに対して,カリキュラム・マネジメントは30か所で使われています。

 これは多くの教師にとっては「寝耳に水」だと思います。「アクティブ・ラーニングだけでも何が何だか分からないのに,カリキュラム・マネジメントまでも……。勘弁してくれよ〜」が正直な気持ちではないでしょうか?

 1年もたてば「カリキュラム・マネジメント」というタイトルの本が,現在のアクティブ・ラーニングの本と同じように山のように生まれるでしょう。

 おそらく,その多くは2つに分かれます。

 第一は,学術的なアプローチに基づく本です。例えば,ブルームの評価論から筆を起こし,PDCAサイクルを厳密に記述するような本です。ただ,このような本は学校現場に影響力をもちません。なぜなら,学校現場の教師がそれらを読み解く時間はないからです。理解し実践する教師がいなければ影響力はありません。

 第二は,多くの人が既に実践している手法をカリキュラム・マネジメントであると書く,変わらないことを合理化する本です。もちろん,今までと全く同じでは免罪符であることが露骨なので,装いを多少新たにしています。しかし,ほぼ同じなので新たに学ぶことは最小限で,読みやすいものです。だから,多くの教師が読むでしょう。しかし学校現場に影響力をもちません。なぜなら,今のままでいいのですから。

 本書は上記2つのタイプと異なる第三のタイプの本です。本書で紹介する『学び合い』(二重括弧の学び合い)は今までの授業と多くの点で違います。したがって,学ぶことはあります。しかし,既にかなりの教師が実践していることです。それ故,普通の教師であっても理解可能なことです。

 私は『学び合い』であろうとなかろうと,この第三のタイプこそが新学習指導要領で求めているカリキュラム・マネジメントを実現する道だと思っています。

 なお,本書の中では『学び合い』の具体的な手法は割愛しています。それは最後の読書ガイドをご覧ください。ただし,『学び合い』自体が分からなくても,子どもたちが主体的・対話的に学ぶとき何が生み出され,それがカリキュラム・マネジメントにどのようにつながるかは分かります。ご安心を。


  2016年12月   /西川 純

著者紹介

西川 純(にしかわ じゅん)著書を検索»

1959年東京都生まれ。筑波大学生物学類卒業,同大学院(理科教育学)修了。博士(学校教育学)。臨床教科教育学会会長。上越教育大学教職大学院教授。『学び合い』(二重括弧の学び合い)を提唱。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 著者の本は大変共感できる。
      2017/6/1650代・小学校教員
    • カリキュラムマネジメントが、たくさんの事例でわかりました。教科別になっているので、ピンポイントで読みやすいです。
      2017/6/2かん
    • たくさんの教科に渡って、カリキュラムマネジメントの実践例が紹介されており、自身の実践と照らし合わせて、大変参考になります。
      2017/5/20げんちゃん
    • 教科別に分かれて入れ、読みやすい
      2017/3/27アラレ
    • 具体的な教科指導の事例が載っているのでわかりやすいです。とても読みやすい本だと思います。
      2017/3/1950代・小学校教員
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