マルチメディア時代・教師のための情報教育8S−P表分析の活用事例−学習評価・個別対応・コンピュータ活用−

投票受付中

SーP表で分析した内容を活用し、指導の個別対応のための学習評価・授業構想・内容の改善、評価テストの改良等に成果をあげた現場の実践報告。


復刊時予価: 2,211円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-261809-2
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
対象:
小・中
仕様:
B5判 112頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

もくじの詳細表示

★小学校編
国語科
1 国語科におけるS―P表の活用事例―4年生「こそあど言葉」の指導と評価 /石川 尚敏
算数科
2 S―P表を活用した観点別学習状況の評価の実際―5年生 算数科「図形」領域の事例 /上島 正和
3 子どもの「学び」の視点に立った学習評価―小学校算数におけるS―P表利用システム /村松 久
4 小学校算数の学力テスト改良の取組み―児童一人ひとりの学力を正しく評価し、次の指導に役立てるために /丸山 三枝
★中学・高校編
数学科
5 個別学習指導におけるS−P表とコンセプトマップの利用 /多田 昭寛
6 高校受験のための大規模テストの問題点と改良―「模擬テスト」のS―P表分析に基づく改善作業を通しての提案 /斎山 勝政
英語科
7 生徒一人ひとりの特徴をとらえるためのS−P表の活用事例 /浜田 千鶴子
8 授業の改善に役立てるS―P表の活用事例 /清水 法幸
9 高校英語:個別指導におけるS―P表の活用 /諸岡 義次
○「情報文化教育研究会について」
○通巻目次

まえがき

 本シリーズ第5巻にて,『教育評価情報の活用とコンピュータ』を刊行しました。シリーズ第8巻の本書は学習評価のためのS−P表分析の活用に焦点をあてています。

 その内容は,テストデータの図表的分析法であるS−P表分析を活用して,指導の個別対応のための学習評価,授業の改善,およびテストの改良等に成果をあげている教育現場の実践報告です。教育現場へのコンピュータ導入の普及によってS−P表分析の利用が一段と広がってきています。

 ところで,学習評価に関して「従来の相対評価からの脱皮」「達成度評価」「観点別評価」などの考え方や概念の導入とその実施が勧められています。

 そのような考え方や概念の総論が示されてはいますが,実際にそれらを実施するとなると,従来のテスト結果の処理方法などとは別にそれらを具体的に実施していくための方法・技術が必要です。

 なぜなら,「達成度評価」「観点別評価」は,生徒を育成するための評価であるべきであり,従来の相対的位置を決めたり,選抜するための評価とは異なる方法・技術を必要とするからです。

 本書の実践報告で利用しているS−P表理論とその分析法は,そもそも学習指導の節目に実施する達成度テストデータや,演習・実習の生徒のパフォーマンス(学習結果)データから,教師の指導と生徒の学習結果の間の結びつきや関連をとらえて,生徒の学習状況・理解状況および指導法や設問にかかわる質的な評価情報を得ることを目的として開発された手法です。したがって,達成度評価や観点別評価にはうってつけの分析・評価法として用いられてきています。

 この分析法で用いるS−P表とは,テストの小問の得点を,縦と横がそれぞれ生徒(S)と問題(P)のマトリックス状に配列して,その上に,生徒の得点分布を表すS曲線と問題の正答率分布(正答数分布)を表すP曲線を構造的に表したチャートのことです。それは得点群に含まれている情報を読みとる上で,教師の洞察や柔軟な総合判断を助けるように工夫されています。

 S−P表分析法は,

・理論や分析法が分かりやすい。

・授業分析や学習診断のための有効な診断情報が得られる。

・分析手続きが比較的簡単で手作業でも行うことができる。

・分析結果を目で見て読みとることができる。

・分析のために統計学などの専門知識や技法の習得を必要としない。

・したがって,だれでも利用することができる。

などの特徴があり,実用性と有効性が高いことから日本国内ではいまや,学校教育および企業内教育の場で全国的に利用されています。最近のコンピュータの普及によって実用性が一段と高まりました。S−P表分析のコンピュータ処理の詳細については,小著『コンピュータ処理によるS−P表分析の活用法』(明治図書 1998)を参照してください。

 ところで,S−P表理論とその分析法は現在では米国をはじめ20か国以上に紹介され,筆者の著書も何か国で翻訳されています。そして,学習の診断情報を得るための新テスト理論として利用が広がっており,S−P表理論はS−P Chart Analysisと呼ばれています。

 筆者は,1969年にはじめてS−P表分析法の基礎的な考え方と方法について発表して以来S−P表理論や分析法および応用法に関する研究をすすめ,それらを数冊の著書*に表しました。本書はそれらの著書の内容を実践活用した報告集です。

 本書の出版の企画に関しては,『S−P表の作成の解釈』(明治図書 1975)の出版以来,S−P表理論・分析法に関する小著の出版を担当されてこられた明治図書出版株式会社の仁井田康義氏に感謝の意を表します。


  1999年8月   /佐藤 隆博


 *S−P表理論・分析法に関する著書

 ・佐藤隆博著『S―P表の作成と解釈』〜授業分析・学習診断のために〜,明治図書(1975)

 ・佐藤隆博著『授業設計と評価のデータ処理技法』〜ISM教材構造化法とS−P表の活用〜,明治図書(1980)

 ・佐藤隆博編著『S―P表の活用』小学校編,明治図書(1982)

 ・佐藤隆博編著『S―P表の活用』中学校編,明治図書(1982)

 ・佐藤隆博編著『S―P表の活用』高等学校編,明治図書(1982)

 ・佐藤隆博著『S―P表の入門』,明治図書(1985)

 ・佐藤隆博著『教育情報工学入門』,コロナ社(1989)

 ・佐藤隆博著『コンピュータ処理によるS―P表分析の活用法』〜学習指導の個別対応のために〜,明治図書(1998)

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ