- はじめに
- Chapter1 ココがクラスの分かれ道! 授業場面:究極の選択
- 始まりはクラスみんなが揃ってから始めている? チャイムと同時に始めている?
- 時間に少し遅れて汗びっしょりになって戻ってきた子どもたち。 叱っている? ほめている?
- 授業中「先生、忘れ物をしてしまいました……。」 正直に言いに来たことをほめている? 授業前に言いに来なかったことを叱っている?
- 教師の説明中に「それって○○ですか!?」意欲いっぱいに質問する子ども。 注意している? 答えている?
- 「先生、雪が積もったからみんなで遊ぼうよ!」 遊んでいる? 遊んでいない?
- 授業中は赤鉛筆を使用すると指導しているのに「今日は忘れてしまったので、赤ペンを使います」という子ども。 認めている? 認めていない?
- 気合いを入れたい単元。 ワークシートを作っている? 作っていない?
- 授業中に教師にツッコミ!「先生、歳いくつ〜?」 受けている? 受けていない?
- 開始の挨拶。「しないといけないものだから」と続けている? していない?
- 熱中してノートに意見を書き込んでいる。でも姿勢が……。 姿勢の指導はしている? していない?
- Chapter2 信頼される教師になる! 子ども×教師の関わり場面:究極の選択
- 仲のいい子同士が教室で戦いごっこをしている。 やめさせている? 放っておく?
- 女子同士の手紙のやり取りを発見! その場で指導している? 後で指導している?
- 休み時間にけがをしたのに担任に言わずに保健室に。 指導している? していない?
- 「そろそろ席替えしようよ!」と要望が。 している? していない?
- 「休み時間だし、先生のことあだ名で呼ばせてほしいなぁ。」 呼ばせている? 呼ばせていない?
- 子どもが窓から身を乗り出して涼んでいる。 厳しく叱っている? 諭すように気付かせている?
- ガツンと指導! その後の授業では……。 余韻を残してしっとり授業? それとも忘れて楽しく授業?
- 授業中、親しみを込めて名前で呼んでいる? それとも名字で呼んでいる?
- 子どもの書いた社会見学の礼状、そのままの文章がいいので添削はしていない? している?
- Chapter3 時機を逃すと意味がない! 子ども×子どもの関わり場面:究極の選択
- 子どもたちが交換日記を始めていた。 やめさせている? 認めている?
- ケンカ発生!! サッと教師が入って解決している? 子どもに任せている?
- ケンカの仲裁中「そうじゃないよ!」と割り込む子。 そのまま聞いている? 「あとで」と待たせている?
- グループで発表の準備をしている場面で……。 「ちゃんとやろうよ!」いつもみんなに注意をしてくれる子。評価している? 心配している?
- 隣同士の机がわずかに数ミリ離れている。 つけさせている? つけさせていない?
- 「グループをつくりなさい。」 自分の学級に違和感がある? ない?
- 「最後に触った人がボールを片付けること。」子どもたちのルールに教師が入って指導している? していない?
- Chapter4 システムをつくれば安心! 給食&掃除場面:究極の選択
- 「先生、もう食べられません……。」あと二口で完食なのに……。 完食させている? させていない?
- 気になるクラスの残食。とはいっても無理に食べさせるわけにはいかない。 指導している? していない?
- 気が付いたら子ども同士でおかずの譲り合いをしていた。 認めている? 認めていない?
- 給食スタート。よく見るとある子だけがおかずが多い。 指導している? していない?
- 掃除指導の基本スタンス。 ほめている? 叱っている?
- 新年度の掃除の時間。教師は子どもたちと一緒に掃除をしている? していない?
- 熱心に掃除に取り組んでいるが、時間を少しオーバーして教室へ戻ってきた子どもたち。指導している? していない?
- 給食・掃除当番は1週間交替? 1か月交替?
- Chapter5 これで心をわしづかみ! 保護者との関わり場面:究極の選択
- 子どものことを親しみを込めて呼び捨てにするときがある? ない?
- 気さくに話のできる保護者の方。親しみを込めて友達言葉で話している? 話していない?
- 勤務後、自宅に教頭先生から連絡が。「○○さんの親御さんがものすごく怒っている。今から番号を言うから電話をかけてほしい。」 かける? かけない?
- 連絡帳に「体育を見学します」のお知らせが。 サインだけにしている? 一言添えている?
- 休み時間に「頭打った〜」と言い保健室に行った子ども。とは言うもののいつも以上に元気に過ごしていた。保護者への連絡は連絡帳で? 電話で?
- 連絡帳に1ページびっしりとお便りを頂く。 連絡帳で返答している? 電話で返答している?
- Chapter6 学校は一つのチームだ! 職員室での関わり場面:究極の選択
- 「ちょっと来年は○○してほしいんだけど……。」自分の希望とは違う仕事内容。引き受けている? 引き受けていない?
- 研究授業の討議会も終わりほっと一息。 コーヒーを飲んでいる? 飲んでいない?
- 「学級通信は禁止です。」 こっそりでも発行している? していない?
- 放課後の職員室で子どもや保護者の愚痴を言う。 許される? 許されない?
- 仕事中にちょっと相談したいことが……。 相談相手とそのままの距離で話している? 近づいて話をしている?
- 歳の近い仲良しの同僚がいる。勤務中、友達言葉で会話している? 丁寧語で会話している?
はじめに
―教室での実践は選択の連続である
大げさに聞こえるかもしれないが、私たちは実際にそのような毎日を送っている。
次の時間は運動場での体育なのだが、雨が降り出してきた。すぐにやみそうな気配はするが、このまま降り続けば、もちろん運動場での体育はできない。しかし、今日はできれば運動場で行いたいのだが……。「あぁ、そんなときは確かに、選択を迫られるよなぁ」と思うだろう。
しかし、私たちの毎日は、そこまで大きな選択だけでなく、もっと小さな選択場面もたくさんある。あと二口残っている給食を手にする子どもに「先生、残してもいいですか?」と聞かれたとき、あなたはどう答えているだろうか。汗びっしょりになって男女一緒に外で大いに遊んできた子どもたちがほんの少し遅れて授業に参加したとき、どんな判断をし、対応をしているだろうか。
ふと考えてみると、私たちが、揺れたり迷ったりしながら判断する場面・選択をする場面は教室だけでなく、職員室でも……。
それら一つ一つの選択が間違いなく私たちの仕事をつくり出している。すなわち、教師には「選択力」が求められる。それも、迷う時間など実際はほとんどない。わずかな時間で適切な判断を下し、選択をしなくてはならないのである。つまり「よい選択」をし続けることこそ、私たちの仕事の質を高め、子どもたちの成長につながるのである。
本書では、教室や職員室で起こりうる選択場面を多く設定した。「場面設定→選択(問題+答え)→解説」と進んでいる。見開きページに問題があり、ページをめくると答えが書かれるように工夫をした。ぜひ、問題を読み、選択をしてから、答えと解説のページをお読みになっていただきたい。
ただし、それぞれの選択の答えはあくまでも筆者である「丸岡によるもの」であることを付け加えておきたい。私自身はそのような選択をすることを基本としているが、学級の実態や背景によって、当然選択が異なることもある。「そもそもこの判断・選択はおかしいんじゃないか」と思われることもあるかもしれない。そのときにはぜひ、ご批判いただきたい。
本書を通じて、「教師には選択力が求められている」ことを再確認していただき、何らかのお役に立てれば幸いである。
平成28年8月 /丸岡 慎弥
1 実践に基づく内容
2 具体例による選択場面の豊富さ
3 教師として備えるべき基本の資質に関わる内容
4 教育委員会規模の初任者研修等ではあまり取りあげられないと思われる、日常にある「究極の選択」
若手育成に必要な、日常にある選択の場面内容を、言語化・視覚化して6つの場面にまとめられているので、テキストとしてすぐに活用できる本のひとつです。
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