学級を最高のチームにする極意
信頼感で子どもとつながる学級づくり 協働を引き出す教師のリーダーシップ 中学校編

学級を最高のチームにする極意信頼感で子どもとつながる学級づくり 協働を引き出す教師のリーダーシップ 中学校編

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主体性と協働力を伸ばす!AL時代の中学校学級経営の極意

アクティブ・ラーニング時代の主体性を育てる学級経営は教師と生徒の信頼感がスタート!中学校における協働を引き出す学級経営のポイントを具体エピソードを豊富に交えて紹介しました。成功させるコツに加え、つまづきポイントとリカバリーの方法も入れた必携の1冊。


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ISBN:
978-4-18-186010-3
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年4月24日

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 1人残らずひいきする教師が学級を育てる
1 学級づくり方法論バブル
2 学級集団育成の道筋
3 学級崩壊の可能性はすべての学級に
4 機能する学級
5 協働的問題解決能力の基盤
「信頼感で子どもとつながる学級づくり〜協働を引き出す教師のリーダーシップ〜」の使い方
※第2章の実践編は,下記の項目を中心にして,各執筆者が,それぞれの主張を展開しています。
@子どもとつながる考え方
▲子どもと信頼関係をつくる上で大事にしている基本的な考え方,ポイントなどについてまとめました。
A学級づくりにおいて,子どもとつながり,協働を引き出す具体的な取り組み
▲子どもと信頼関係をつくり,成長をうながす具体的な実践を,はじめて取り組む方にも追試できるよう,わかりやすく解説しました。
▲成功させるコツ,また失敗しそうなところと失敗してしまった際のリカバリーの方法についても,ポイントをまとめています。
第2章 信頼感で子どもとつながる学級づくり 協働を引き出す教師のリーダーシップ
信頼感で子どもとつながる学級づくり 理論編
1 (1:1)35=2年1組
1 子どもとつながる考え方
2 子どもとつながる具体的な実践
(1) 胸中の温気〜プラスワンの言葉がけ〜
(2) 学級全員に対して一律に行う糸紡ぎ実践
(3) 子ども別糸紡ぎ実践
2 問題解決能力を育てる基盤は,生徒を信頼すること
1 子どもとつながる考え方
(1) 親になってわかったこと
(2) 信頼関係づくり,それは相手を信頼すること
(3) 生徒と教師の距離感
(4) 生徒と教師? それとも人と人?
2 生徒を信頼し委ねる具体的な実践
(1) 学級と生徒会長と修学旅行
(2) 学級と生徒会と朝会議
(3) 学級と生徒会と生徒会組織
(4) 生徒会エピソード@:モス作戦
(5) 生徒会エピソードA:ポジティブキャンペーン
(6) 生徒会エピソードB:生徒会3役の関係
(7) 生徒1人1人のために
3 教師の確かな理念が生徒との信頼関係をつくる
1 教育には理念が大切!
2 理念@:すべての子どもはよりよくなりたいと願っている
3 理念A:すべての子どもは教師より優れている
4 理念B:中学校は生徒を「大人」にする場である
5 生徒を認める教師のかかわりが,信頼関係をつくる
(1) ほめることは結構難しい
(2) 「ほめる」から「認める」へ
(3) とにかくたくさん認める
(4) 伝え方の工夫(応用編@)
(5) 伝え方の工夫(応用編A)
(6) 生徒を大人にする
(7) 生徒を大人として扱う
(8) 「なりたい大人」のモデル(のひとり)になる
4 教師が「やわらかい壁」になる
1 安心感に裏打ちされた秩序が教師と子どもをつなぐ
(1) 教室に秩序をもたらす教師になる
(2) 私の失敗
(3) 「やわらかい壁」になる
2 「やわらかい壁」として指導する〜「置き勉」の指導から〜
3 心に余裕をもって指導にあたるために
(1) 学年(できれば学校)がチームとなって指導にあたる
(2) 指導の経緯を保護者に知らせる
(3) 指導内容を説得力のあるロジックで説明できる
(4) 「即座に,完璧に」を目指さない
5 「同じ」を求めて「違い」を引き出す学級づくり
1 学級づくり〜「凡人」から「変人」へ?〜
(1) 目指すのは「変人」集団
(2) それでもまずは「凡人」集団〜「同じ」から「違い」へ〜
2 教師がルールとシステムを敷く
3 私が求める「同じ」
(1) 時間をそろえる
(2) 行動様式をそろえる
4 形から価値へ
5 「同じ」から「違い」への価値転換
6 行事〜「こなす」から「活かす」へ〜
6 教師と子どものつながりと「情」の育ち
1 信頼関係を実感する「つながり」
(1) なぜ生徒とつながる必要があるのか
(2) 「つながってくれぇ!」
(3) 「○○先生! 結婚おめでとう!」
2 「あたりまえ」を「ありがとう」に
(1) 日々のかかわりを生む関係づくり
(2) 教師の多様な視点の重要性
(3) 「誰一人として見放さない」という姿勢が生む生徒からの信頼感
3 「情」を育む学校組織
7 教師が黒子に徹する!
〜教師と生徒の関係性を高めるには,生徒同士をつなげばよい!〜
1 なぜ,生徒同士をつなぐのか?
2 生徒同士をつなぐ実践で教師への期待感UP
(1) 出会いから生徒をつなぐ
(2) 短冊つなぎで,心もつなぐ
(3) 学級だよりで必ず拡散
(4) 行事でつなぐ
8 限られた時間で生み出すかかわり
1 学級づくりって何?
2 学級目標と個人目標
3 かかわらざるを得ない仲間
4 生徒とかかわる量を増やす〜お出迎えとお見送り〜
5 班長会で決める班と席
6 「道徳の時間」でかがやく女王
7 1人も欠けてはならない仲間
8 今日のMVP
9 「子どもに聞く」を大切にする
1 子どもとつながる3つの考え方
(1) 「教室のオーナーは子どもたちです」
(2) 通訳者になる
(3) 私はどうしてこれを選ぶのか
2 子どもと対話し続けるための具体的な実践
(1) 教室に置きたいものアンケート
(2) ホワイトボード面談
(3) 情報の共有
10 生徒は共に生きる仲間
1 仕事の時間は人生の時間
(1) 「なにか」
(2) 学校は人生,生活そのもの
(3) 若かりし頃の私
2 生徒とつながる
(1) 本音で話す・動く
(2) 口ではなく実行する
(3) 論理的結末を教える
(4) 理由を尋ねる
3 学級をチームにする
◆ 痛みと弱みを共有する
4 チームになった思春期たち
あとがき

まえがき

 「よい授業をすればよい学級ができる」と長らく言われてきました。私が小学校の教師として採用された平成元年頃は,先輩方からそう指導されてきました。恐らく私と同世代あたりの先生方は,同様の指導を受けてきたと思われます。

 しかし,それまでのそうした常識が通用しなくなったことを世間に知らしめたのが,いわゆる「学級崩壊」という現象です。「よい授業をすれば……」のテーゼが成り立つのは,子どもたちが授業という土俵に乗ってくれた時です。複数が立ち歩き,私語をし,最初から寝そべり,学習用具を一切出さない,大声で関係のない話をする,教室から出て行く……という状況では,授業しようにもそれができません。よい授業かどうかを問う前に授業そのものができない状況です。

 学級崩壊というと小学校特有の現象かと思われがちですが,中学校ではこれが授業崩壊として現れます。ある教科,ある教師の授業になると授業が成り立たなくなる現象です。それにもかかわらず,今も「よい授業をすれば……」の指導は,あちこちの現場でなされています。

 学級崩壊も授業崩壊も,そこには共通の原理が見られます。それは,


 教師の指導力の解体


です。学級や授業を成り立たせるには,言うまでもなく教師の指導力が必要です。

 しかし,だからといって教師の指導力を強制力や圧力のような力技に求めるのは,危険なことです。強制力の強い教師に出会うと子どもたちは,言うことを「聞いたふり」をします。表面上,学級では穏やかな日々が流れます。しかし,子どもたちの中では,破壊的なことが起こっています。それは,


 やる気の消失


です。子どもたちの成長のエネルギー源は,言うまでもなく,やる気であり意欲です。意欲があるから挑戦し,それが成長となるのです。

 学級を育てることができる教師は,子どもたち1人1人のみずみずしい意欲を育てています。それができる教師は,学級をまとめていますが,それを目的として学級づくりをしているわけではありません。彼らの目的は,個の育成です。そして,最も重要なことは,その指導力の源泉を,強制力や圧力ではなく,子どもたちとの信頼関係に求めていることです。それも


 子どもたち1人1人との個別の信頼関係


なのです。子どもたちをまとまりとして見るのではなく,1人1人と向き合うことによって高い凝集力のある学級をつくっているのです。

 本書では,小学校編,中学校編でそれぞれ10人の執筆者が,子どもたちとの個別の信頼関係づくりについて,どう考え,具体的にどのように実践するかを述べています。各地でセミナーを開催したり,指導的立場になっていたりする実力あるメンバーの主張は,具体的で説得力があります。

 力のある教師は,実践も素晴らしいですが,注目すべきはその考え方です。うまくいく考え方でうまくいく方法を選択しているからこそ,成果をあげることができるのです。また,さらに大事なことは,彼らが完成された教師ではなく,今まさに成長著しいその過程の真っ只中にいるということです。

 名人や達人の主張や実践は確かに素晴らしいです。しかし,誰にでもできるわけではないから,彼らは名人や達人になっているわけです。本書の執筆者は,そうした名人や達人,また,学術的研究から学び,それを目の前の子どもたちが適用できるように試行錯誤しながら実践を生み出しています。

 力をつける時に本当に大切なのは,その試行錯誤のプロセスではないでしょうか。知ったことを,目の前の子どもたちに還元できた時に初めて,プロの教師の学びが成立するのです。


   /赤坂 真二

著者紹介

赤坂 真二(あかさか しんじ)著書を検索»

1965年新潟県生まれ。上越教育大学教職大学院教授。学校心理士。19年間の小学校勤務では,アドラー心理学的アプローチの学級経営に取り組み,子どものやる気と自信を高める学級づくりについて実証的な研究を進めてきた。2008年4月から,即戦力となる若手教師の育成,主に小中学校現職教師の再教育にかかわりながら,講演や執筆を行う。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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