- はじめに
- 1章 中学1年の学級づくりのポイント 1年で生徒と学級をここまで高めたい!
- 1 生徒をここまで高めたい!
- 1 中学生とは何かを理解させる
- 2 学ぶことに楽しみをもたせる
- 2 学級をここまで高めたい!
- 1 互いのよさを認め合える学級
- 2 問題を解決していこうとする学級
- 3 正義感あふれる学級
- 4 ユーモアがわかる学級
- 2章 中学1年の学級づくり 365日の仕事術&アイデア
- 1 出会いの日までに
- 担任としての心構え
- 第一印象が1年間を決定する!
- 生徒の顔と名前を覚えよう
- 出会いからの3日間で行うことの準備をしよう
- 2 出会いの一日
- トークのネタ 出会いの日の教室で
- 話し方・板書のチェックポイント
- 入学式の前に話しておきたいこと
- 3 新入生歓迎会
- トークのネタ 新入生歓迎会の前に
- いち早く校歌をマスターさせる手だて
- 4 学級組織づくり
- トークのネタ 学級の組織づくりを行う場面で
- 学級づくりアンケートでやる気アップ!
- 学級への帰属意識を高める教師の語り
- リーダーを選び,フォロワーの意識を高める手だて
- 5 健康診断・身体測定
- トークのネタ 健康診断・身体測定の前に
- 生活ふり返りカードで健康への意識を高めよう!
- 6 給食
- トークのネタ はじめての給食の前に
- 学級全員完食への勢いをつける手だて
- 配膳完了までの時間を記録しよう!
- 食物アレルギーへの理解を深めよう
- 7 家庭訪問
- トークのネタ 家庭訪問の前,生徒に
- 訪問の順番決めは生徒の力を借りて
- 8 はじめての定期テスト
- トークのネタ はじめての定期テストの前に
- 自分だけのテスト計画表をつくろう!
- テスト範囲を可視化する手だて
- 9 部活動
- トークのネタ 部活動への本入部の前に
- 部活動への思いをグラフ化しよう!
- 10 遠足
- トークのネタ 遠足の前に
- 遠足を成功に導く班決めとルールづくり
- 11 2回目の定期テスト
- トークのネタ 2回目の定期テストの前に
- 前回の振り返りを生かしたテスト対策
- テストに向けた学級の雰囲気づくり
- 1学期の通知表
- 12 夏休み
- トークのネタ 夏休みの前に
- 事前の計画づくりが夏休みを有意義に過ごすカギ!
- トークのネタ 夏休み中の出校日に
- 来てよかったと思わせる出校日の演出
- 13 2学期始業式
- トークのネタ 2学期始業式の日に
- 学級の団結を訴える担任のメッセージ
- 14 体育大会
- トークのネタ 体育大会に際して
- 学級の団結を強める種目決め
- 応援団長はオーディションで決めよう!
- 体育大会に向けた学級のムード盛り上げ術
- 15 生徒会役員選挙
- トークのネタ 生徒会役員選挙の前に
- もしも私が生徒会役員になったら…
- 16 美術・書写競技会
- トークのネタ 美術・書写競技会の前に
- 専門家にアドバイスをもらおう
- 17 学級組織づくり(後期)
- トークのネタ 学級の組織づくりを行う場面で
- 後期の組織づくりに生きる前期の振り返り
- 18 合唱コンクール
- トークのネタ 合唱コンクールの前に
- 合唱交流会でやる気に火をつけろ!
- 生徒の意欲を持続させる練習のアイデア
- 過去の1年生を活動の指標に
- 19 保護者面談
- トークのネタ 保護者面談の前,生徒に
- 保護者が安心できる雰囲気づくりの工夫
- 2学期の通知表
- 20 冬休み
- トークのネタ 冬休みの前に
- 家族の一員宣言をしよう!
- 21 3学期始業式
- トークのネタ 3学期始業式の日に
- サイコロ・トークを楽しもう!
- 22 学年末テスト
- トークのネタ 学年末テストの前に
- 万全の学習計画で学年末テストを乗り切ろう!
- 23 卒業生を送る会
- トークのネタ 卒業生を送る会の前に
- 感謝の気持ちを伝える掲示物
- 前年の記録で行事のイメージを高めよう
- 24 進路学習
- トークのネタ 2年先を見据えて
- 進路への意識を高める環境づくり
- 2年後の自分への手紙
- 25 修了式
- トークのネタ 修了式の日に
- お世話になったorなる先生へのメッセージ
- 3学期の通知表
はじめに
職員室の私の前に,教員歴4年目になる青年教師の机があります。目の前にいることもあって,何気ない会話をすることがよくあります。
2学期の始業式の朝のこと。
「いよいよ充実の2学期開始だね。学級できっちり話しなよ」
と話しかけると,
「わかりました!」
という元気のよい返事が返ってきました。そこで,
「どのような話をするつもりなの?」
と質問したところ,彼は,私に次のように言ったのです。
「2学期のはじめですから,今学期もがんばろうという話をしたいと思います。でも,『がんばろう』という言葉は出てきますが,話のネタがなかなか見つからないのです…」
おいおい…と思いながらも,「こうした悩みをもっているのは,目の前の青年教師だけではないな」と考えたのです。
1年間の学級づくりを考えてみるとき,学級担任として時期ごとに押さえておかなければならないポイントがいくつかあります。そこで,青年教師を育てる意味でも,それらに合わせたトーク例を示すことには大きな意義があるのではないかと考えました。これが,仲間と共にこの本を世に出そうと思う原動力となりました。
振り返れば,私自身が青年教師だったころは,ストーブを囲んで,先輩たちから様々な学級づくりのアイデアや仕事術を伝授されていました。今ではすっかり死語となった,いわゆる「ストーブ談義」というものです。
「学級目標を決めることを焦ってはいけないよ。まずはそれぞれが考える理想の学級像を書かせることだ。それらを発表させて,グルーピングしていくんだ。こうして徐々に徐々に,互いの思いをすり合せていく。ここが大切なんだ」
「合唱コンクールに向かって,日に日にまとまっていく学級があれば,バラバラになっていく学級がある。その違いはどこにあると思う? 担任が様々な練習方法を知っていることもその1つだ。練習方法を変えると,生徒たちの気持ちも変わるんだよ。当然,合唱も変わってくるというわけだ」
「君の学級の掲示物には動きがないね。動きのある掲示物というのは,学級の今が見える掲示物のことだ。例えば,行事ごとに自分の目標を色紙に書かせて,それを掲示すればいい」
「担任が提出物を集めず,係を動かすことだ。係を鍛えると,担任は随分楽になるよ。うちの学級は,提出物は上下をそろえ,名簿順に重ねて持って来るように指示してあるから,点検はあっという間に終わっているよ」
このように,学級づくりに際してのアイデアや押さえるべきポイント,さらには仕事術を,先輩は惜しげもなく語ってくれました。
この本は,こうしたベテラン教師の語りを紙上に再現していることが,特長の1つになっています。
今回の企画・編集をしていただいた明治図書の矢口郁雄さんには,『スペシャリスト直伝! 中学校数学科授業成功の極意』をはじめ,多くの拙著を担当していただいています。この本も,矢口さんの高い編集力のおかげで,とても読みやすく,使いやすい本になりました。自信をもっておすすめできる,365日活用できる学級づくり本ができました。
2015年2月 編著者 /玉置 崇
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