学力保障時代の授業力8学力を高める学習評価の進め方

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学力の確実な定着を測定し指導の改善を図る。

絶対評価への転換に伴い、学力の確実な定着を測定し指導の改善を図るため、学習評価は一層大事になりました。この学習評価に必要な多様な方法を紹介したのが本書です。


復刊時予価: 2,211円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-172823-4
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 112頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
1章 学力を高める学習評価の基本は何か
§1 「学習評価」の基本
§2 「学習評価」のポイント
2章 学習評価はどのように進めるか
§1 指導と評価と援助の一体化
§2 肯定的評価の重視
§3 自己評価力の育成
3章 知っておきたい学力を高める学習評価の方法
§1 つまずきの見つけ方と援助の仕方
1 つまずきの見つけ方の基礎・基本
2 つまずきを見つけるおすすめの方法
3 つまずきにどのように援助するか
§2 子どもの反応のとらえ方と扱い方
1 学習評価として子どもの反応をとらえる時の基礎・基本
2 具体的な解決方法
3 子どもを援助する視点からのまとめ
§3 机間巡視の効果的な仕方と援助
1 机間巡視(机間指導)の基礎・基本
2 机間巡視のおすすめの方法
3 机間巡視をしながらどのように子どもを援助するか
§4 学習ノート・学習シートへのコメントの書き方
1 学習ノート・学習シートへのコメントの書き方の基礎・基本
2 学習ノート・学習シートへのコメントの書き方のおすすめの方法
3 コメントを書く時に気をつけたい事柄とコメントの活用法
§5 観察・実験,調べ学習の評価の仕方
1 観察・実験,調べ学習の基礎・基本
2 観察・実験の記録の仕方
3 評価の仕方
§6 テスト問題の作り方と採点の仕方
1 テスト問題の基礎・基本
2 おすすめのテスト問題
3 子どもへの援助の仕方
§7 発言・発表の評価の仕方
1 発言・発表の評価の基礎・基本
2 発言・発表の評価のおすすめの方法
3 発言・発表をどのように援助するか
§8 ドリルと宿題の出し方と点検の仕方
1 ドリルと宿題のねらいと出し方
2 ドリルと宿題の点検の仕方
3 子どもへの配慮
§9 作文,学習記録やレポートの書かせ方と評価の仕方
1 作文,学習記録,レポートの書かせ方と評価の基礎・基本
2 作文,学習記録,レポートのおすすめの書かせ方
3 作文,学習記録,レポートの評価をどう支援に生かすか
§10 ポートフォリオの作らせ方と評価
1 ポートフォリオ作成の基礎・基本
2 ポートフォリオ作成の方法
3 ポートフォリオの評価
§11 「すぐできてしまう子」への援助の仕方
1 「すぐできてしまう子」のとらえ方の基礎・基本
2 「すぐできてしまう子」を見付けるおすすめの方法
3 「すぐできてしまう子」にどのように援助するか
§12 「遅れがちな子」への援助の仕方 ―子どもの戸惑いを大切に(算数指導を通して)―
1 子どもの戸惑いとは
2 ある子どもの戸惑い
3 戸惑いの訳
4 戸惑いに応えて
5 最後に
§13 成績についての保護者との面談の仕方,説明の仕方
1 面談の仕方,説明の仕方の基礎・基本
2 面談の仕方,説明の仕方のおすすめの方法
3 面談をさらによりよいものにするために知っておきたいこと
§14 「絶対評価」による評価・評定の仕方
1 絶対評価と相対評価
2 「絶対評価」のよさ
3 「絶対評価」による評価と評定の仕方
4 最後に
§15 「関心・意欲・態度」の評価の進め方
1 「関心・意欲・態度」の評価の進め方の基礎・基本
2 「関心・意欲・態度」の評価を進める方法の紹介
3 どのように子どもに還元するか・大切なこと
§16 「思考・判断」の評価の進め方
1 「思考・判断」の評価の基本的な考え方
2 思考・判断の評価の進め方
3 評価と指導の実際
4 まとめにかえて
§17 「技能・表現」の評価の進め方
1 「技能・表現」とは
2 「技能・表現」の評価に向けて
3 学力を高める「技能・表現」の評価
4 終わりに 〜指導力を高める「技能・表現」の評価
§18 「知識・理解」の評価の進め方
1 「知識・理解」の評価の基礎・基本
2 「知識・理解」を評価するおすすめの方法
3 「知識・理解」の評価をどのように援助に生かすか
§19 通知表の評価の仕方と記入の仕方
1 通知表の評価の基礎・基本
2 評価の手順
3 記入の仕方
§20 指導要録の評価の仕方と記入の仕方
1 指導要録の評価・記入の仕方の基礎・基本
2 すぐれた方法・おすすめの方法の紹介
3 どのように子どもに還元するか,大切なこと
4章 これだけはやめたい学習評価のタブー
1 抽象的で曖昧な評価は子どもに通じない
2 恥ずかしい思いをさせないようにする
3 したことを評価し,子どもを評価するのではない
4 はじめだけ張り切る評価は効果がない
5 「はなまる」は喜ばれるが,子どもは育たない
6 友達と比較するとその子らしさが失われる
7 模範解答ベッタリの解釈をしない

まえがき

   ――学力保障時代の授業力――


 今,学校・教師に求められていることは,次の3つのことである。それは,教育改革,学校改革の到達点と考えられるからである。


○ 基礎学力を確実に定着させる。

 具体的には,学習意欲を高める(関心・意欲・態度),考えることができるようにする(思考・判断),分かるようにする(知識・理解),できるようにする(表現・処理または技能),学習したことが活用できるようにする(適用・応用,発展・創造)である。

○ 生徒指導(生活指導)・道徳教育を徹底する。

 具体的には,基本的な生活習慣を確実に定着させる。誠実さ,礼儀,倫理観,感謝の心,思いやりの心,自然や生命を大切にする心,勤勉さなど豊かな人間性を育成する。

○ 充実した人生を送る基盤としての心身の健康の保持・増進やスポーツを楽しむ習慣や能力を身に付ける。

 具体的には,心身の健康保持・増進に必要な知識や習慣を身に付ける,スポーツを楽しむ習慣や意欲,技能を身に付けるなどである。


 これらのこと,つまり上記の基礎学力等を子どもたちに保障するためには,教師の授業力と評価力が必要である。どのように立派な教育理念を持っていても,どのように優れた教育内容と教育活動を用意しても,それを実現する「技能」としての授業力と評価力を教師自身が身に付けていなければ,基礎学力等を保障する教育活動,授業は展開できないのである。

 教師には,子どもや保護者から「子どもを確実に高めることのできる技能」を持ち,かつ発揮することが求められているのである。

 そこで,私たちは,学力保障が強く求められる時代の教師に特に必要な「技能」(授業力や評価力)には,どのようなものがあるかを洗い出し,整理し,分かりやすく10巻にまとめてみた。その際,比喩的に言えば,次のようなことを念頭に置いて編集した。


○ 魚料理の食べ方を学習させる。――――すぐ使える。

○ 魚の料理の仕方を学習させる。――――使い方が分かる。

○ 魚の取り方を学習させる。――――――入手することができるようにする。

○ 魚の育て方を学習させる。――――――開発できるようにする。


 つまり,すぐ役立つ知識・技能から,自分で創造・開発できるようになるヒントまでを整理し,まとめるよう努力したつもりである。それも,このようにしたらどうかという仮定や想定としての意見ではなく,実際に実践したこと,体験を基に生み出した知恵,よりよいものを生み出していくための考え方や方法などを具体的に紹介するようにした。

 若い先生方,教育に情熱を持ち,さらにステップアップしようと努力している先生方の目に留まり,先生方の授業の充実,研修の手掛かりとして役立つことができれば幸いである。


 本書を構想し,書き進める過程で大勢の方々にお世話になりました。特に,ご多用の中から本書のためにご執筆いただいた先生方に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

 また,本書の企画の段階からお世話いただいた明治図書編集部の安藤征宏氏に対して,特に名を記して感謝の意を表します。


  2003年6月   編者 /小島 宏 /寺崎 千秋

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      明治図書

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