ラベルワーク×グループワークでできる!生徒が「参画する」学級のつくり方

ラベルワーク×グループワークでできる!生徒が「参画する」学級のつくり方

クラス全員が主体的にかかわる学級づくりができる!

参画ツール「ラベルワーク」「グループワーク」を活用した参画的な学級づくりの基礎知識から新年度準備、最初の3日間、授業づくり、行事指導、学級じまいまで、実例を交えた理論と方法を詳しく解説。生徒の集団への参画力を高め、他者と協働しながら学ぶ力を育みます。


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PDF
ISBN:
978-4-18-169619-1
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年5月16日

Contents

もくじの詳細表示

Prologue
第1章 参画型教育の基礎知識
001 生徒が参画する学級づくりとは?
002 参画の発想が学級づくりで効果を発揮する理由
003 生徒が参画するための3つのステップ
004 学級が参画段階に到達するための2つの飛躍
005 生徒一人ひとりを大切にするラベルの活用
006 参画的な学級をつくるラベルの種類と活用法
007 生徒の想いを協働的に高めるラベルワーク
008 集団の参画意識を高めるグループワーク
009 参画型教育で協働的な学びを可能にする
第2章 参画的な学級づくりに向けた新年度準備
001 担任の想いを具現化する教室をつくる
002 生徒が参画する&したくなる教室の仕掛け
003 生徒との出会いを演出するシナリオづくり
004 ねらいを持って学級通信をつくる
005 学校が始まる前に統一しておいた方がよいこと
006 スタートしてからでは間に合わない情報収集
[Column] 初担任の苦い経験
第3章 生徒が参画する学級の土台をつくる最初の3日間
001 生徒との出会いを演出する学級開きのシナリオ
002 生徒の気持ちをつかみ取るアンケートラベル
003 「ラベル式学級通信」で生徒の想いを交流する
004 スタートの3日間で学級の土台を仕込む
005 生徒のやる気を形に残す「ラベル式学級目標」
006 「一人一役の学級組織」で参画的学級をつくる
007 参画力を高める席替え&班活動
008 個々の参画意識を向上させる「学級日誌」
009 学級日誌のラベルを活用する「学級の足どり」
[Column] 最初の3日間で生徒が参画する学級の土台をつくる
第4章 参画力を一気に向上させる行事の取り組み
001 行事で学級の参画力を一気に高める
002 「振り返りシート」で参画意識を向上させる
003 参画力を高めるプロジェクトグループの活動
004 取り組みの推進力を高めるグループワーク
005 行事の取り組み計画を自分たちで立案させる
006 相互理解と俯瞰する力が育つ「学級の足跡」
007 誰でもできる体育祭・合唱祭指導のコツ
[Column] 生徒の参画でつくる劇的な行事の取り組み
第5章 意欲的に学びあう集団をつくる参画ツール
001 グループ学習を中心にした総合的な学習の時間
002 グループ学習の基礎を築くポスターセッション
003 学校全体の参画力を高める縦割り班活動
004 全校の参画意識が向上する学校祭の取り組み
005 「協働的な学び」を可能にする集団づくり
006 ラベルを活用した「特別の教科 道徳」の授業
007 参画ツールを活用するオンライン学習
[Column] 3年間の集大成としての総合的な学習の時間
第6章 参画的な学級の締めくくり
001 後期のスタートを仕切り直しの機会にする
002 進路実現を団体戦にするプロジェクト活動
003 卒業への意識を高める「卒業プロジェクト」
004 来年度への決意を実感させる学級の締めくくり
005 感動的に締めくくられる卒業式と最後の学活
[Column] 教師の予想を上回る参画的な学級の卒業式

Prologue

 この本を書き始めたのは,新型コロナウィルスという未知の感染症との闘いの中で,学校,社会,世界全体が前代未聞続きの状況に陥った頃でした。

 2020年の6月。学年主任として中学3年生の担任をしていた私は,生徒たちと3か月ぶりに学校生活を再開しました。緊急事態宣言による休校後,生徒たちは戸惑いながらも少しずつ日常生活を取り戻しているように見えましたが,世の中の状況を敏感に感じ取り,それぞれの想いを心の中に押し込めているようでした。「世界中が大変なことになっている今,自分たちの想いや願いを口に出してはいけない」という雰囲気が学校と彼らを支配していました。学校行事も部活動の大会も,縮小や中止を余儀なくされ,ソーシャルディスタンスという名の「分断」が,それまでの学校には当たり前であった,友達や先生との「関わりあい」や「心のふれあい」を排除していきました。そしてその風潮は,諦めとともに学校現場を侵食し続けている気がします。

 それ以前から,参画ツールを用いた学級づくりに手応えを感じていた私は,人間同士の関係が希薄になっている今の社会や学校にこそ,自分たちの生活や学びの場づくりに関わる意識が大切になると感じていました。「ラベルワーク」と「グループワーク」を両輪にした参画的な学級づくりには,生徒の集団への参画力を高め,お互いが信頼しあえる学級をつくる力があります。また,一人ひとりの生徒たちに自分たちを俯瞰して捉える力をつけるのはもちろん,これからの社会で求められる他者と協働して学びあうという力を身につけられます。

 このことは,近年求められている「協働的な学び」や「主体的・対話的で深い学び」を実施するためには,生徒同士が協力して学習するという集団づくりに,生徒が自ら参画するという発想が不可欠であるということとつながっていると思います。

 私の場合は,大学の教職課程で学んだ「参画授業」というモデルがあったのと同様に,まとまりのある学級をつくる先生がたには,実践や経験にもとづくセオリーがあり,その手法に沿って学級をつくられています。しかしながら,担任経験の少ない教師が「生徒たちが主体的に学級づくりに関わるような,学級経営や集団づくり」をしたいという想いを持っていても,それらの手法について,じっくりと学ぶ機会を確保することは非常に難しい状況です。もちろん,学校現場でもOJTを活用して学級経営の手法や哲学を後進に伝えるように言われています。しかし,ほとんどの教員が,毎日の授業や膨大な分掌業務,そして生徒指導や保護者対応に追われている状況では,学級担任の手法をまとめ,その魅力を伝える余裕などありません。

 このような状況のもと,若手の先生がたの中には,担任としてもがき苦しみ,少しずつ学級担任の情熱が冷めつつある人もいるのではないでしょうか。我々ミドルリーダーと呼ばれる教師が学生だった頃よりも,ずっと場づくりの必要性が高まっているにもかかわらず,具体的に集団づくりや学級づくりを成功させるツールや成功術を持っている先生がたが少ないというのは,教師にとっても生徒たちにとっても不幸なことだと思います。

 本書では,日頃から大変お忙しい先生や,参画理論について全くご存じない先生でも実践できるように,生徒たちが学級づくりに参画するツールや手法を,活用場面ごとにまとめました。本書が,生徒と共にすてきな学級をつくりたいという先生のもとに届き,生徒同士や教師と生徒のお互いを高めあえる学級づくりのヒントになることを願ってやみません。

 末筆になりましたが,参画理論を教育現場に活用する方法についてご教授くださった林義樹先生をはじめとする参画文化研究会の皆様,たくさんの示唆をくださる上山晋平先生,全国の英語教師の皆さん,そして,参画的な学級づくりに理解を示し,協力してくださった同僚の皆さんと,自分たちの学びの場づくりに参画し,たくさんの感動を共感してくれた生徒たちに感謝いたします。


  2023年3月   /西林 慶武

著者紹介

西林 慶武(にしばやし みちたけ)著書を検索»

北海道登別市立幌別中学校教諭。

1973年千葉県千葉市生まれ,1998年武蔵大学人文学部欧米文化学科英米専攻卒業後,北海道礼文町立船泊中学校,同稚内市立稚内東中学校を経て,2012年から3年間,ベルリン日本人国際学校勤務。帰国後,稚内市立稚内南中学校,苫小牧市立緑陵中学校を経て,2022年から現職。

大学の教職課程で林義樹教授から薫陶を受けた参画理論を,中学校で活用する方法を模索し,ラベルワークとグループワークを活用した参画的な学級づくりを実践している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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