『中学校道徳　自作資料集―生徒が思わず語り合いたくなる２４の話―』の詳細情報

　昨年度，目の前の生徒たちの実態に合った資料を作成し，学年でその資料を使って授業を行ってきました。生徒にとって，胸に響き，共感でき，よりよく生きる道筋を考えやすい資料づくりを心がけました。「そういうことってあるある！」「同じようなことを体験したことがあって，考えやすい！」と生徒が受けとめられるよう，リアリティーをもたせることを大事にしました。生徒にとって切実な問題や，生徒にとっての関心事，また，生徒がこういう自分になりたいと思っているところに結びつく価値や，憧れをもつ価値に関する資料は，生徒の心の動きをよく考えて作成しました。

　「自作資料作成秘話」（77ページ）のコーナーにも書きましたが，生徒は，担任が自分たちのために考え，準備した自作資料を使った道徳授業をとても喜びます。ぜひ，この資料集を参考にチャレンジしてください。昨年度，自作資料での授業後，ワークシートに「先生，ありがとうございます」と書いてくれる生徒が，毎回何人かいました。内容項目１−（２）「目標の実現」の資料では，「すごく共感できる資料でした」「一つ一つの言葉が胸に響きました」「人生の大切なことが書かれていると思った」「主人公の姿は今の自分に似ているところがたくさんあり，うなずくところがたくさんありました。小さな目標というハードルをこえて成長し，大きな目標をかなえられるように努力したいです」「この授業を通して，どんな小さな目標でもやりとげて前に進みたいと思いました。この資料に感謝です」などの感想が見られました。この資料集に掲載されている資料が，一つでも生徒にとっての人生の道しるべとなれば，こんなに幸せなことはありません。

　終わりになりましたが，本書の出版に当たりまして，多大なるご尽力を賜りました明治図書教育書部門編集部の茅野現さまと，イラストレーターのくどうのぞみさまに厚くお礼申し上げます。

　　　／三浦　摩利