いじめ 予防と対応Q&A73

いじめ 予防と対応Q&A73

好評5刷

インタビュー掲載中

いじめをどう予防し、対応するか。事例&ヒントが満載!

現場の先生方から寄せられた「いじめ」に関する様々な疑問を、カウンセラーを含む専門家による執筆者陣が事例を挙げながら具体的に解説。「予防」や「理解と把握」、「ネットいじめ」から「不登校・発達障害・非行」「保護者との関わり」まで、いじめ対応に必携の1冊。


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ISBN:
978-4-18-148929-8
ジャンル:
学級経営
刊行:
5刷
対象:
小・中・他
仕様:
A5判 168頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年3月29日

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第T章 いじめを「理解・把握する」Q&A
1 どこまでがいじめなのか?<いじめの定義>
2 いじめの研究はどうなってる?<いじめの理論>
3 どう捉える?いじめ発見・指導の難しさ<いじめ・いじめられの構造>
4 いじめのサインを読みとるには?<いじめ(られ)のサイン>
5 いじめのタイプとは?<いじめのタイプ>
6 いじめの背景とは?<いじめの背景>
7 いじめトラブル―学校側の要因とは?<重要ないじめへの初期対応>
8 いじめの要因―家庭にはないか?<家庭の要因>
9 いじめの要因―子どもにはないか?<子ども自身の要因>
10 いじめの要因―社会にはないか?<社会の要因>
11 子どもの攻撃性はどんな時に生まれるか?<子どもの攻撃性>
12 小学校低・中学年のいじめの特徴とは?<小学校低・中学年のいじめ>
13 小学校高学年のいじめの特徴とは?<小学校高学年のいじめ>
14 中学生のいじめの特徴とは?<中学生のいじめ>
15 高校生のいじめの特徴とは?<高校生のいじめ>
16 学校外でのいじめ発見と対応とは?<校外のいじめ>
第U章 いじめを「予防する」Q&A
17 「いじめ予防教育」とは?<学校での予防教育>
18 いじめが起こりやすいクラス・起こりにくいクラスとは?<いじめが起こりやすい環境>
19 いじめが発生しないクラス作りとは?―7つの提案<いじめの生じないクラス作り>
20 子どものセルフコントロール力を育てるには?<自己コントロールの育成>
21 子どもの思いやり力を育てるには?<思いやりの育成>
22 ストレス・マネジメント教育とは?<ストレス・マネジメント>
23 ソーシャルスキルトレーニングとは?<ソーシャルスキルトレーニングの活用法>
24 構成的グループエンカウンターを指導にいかすには?<構成的グループエンカウンターの活用法>
25 KJQマトリックスでクラスに働きかけるには?<KJQマトリックスの活用法>
26 いじめに負けない「つよさ」を育てるには? その1 いじめ対処力<いじめに負けない心>
27 いじめに負けない「つよさ」を育てるには? その2 いじめに負けない力・いじめを克服する力<いじめに負けない心>
コラム 思いやり行動の発達<愛他的行動の発達>
コラム 集団の中に生きることの恐さ<集団心理・病理>
第V章 いじめに「取り組む」Q&A
28 いじめの各段階(ステップ)で行うこととは?<いじめ解決までのプロセスとフォローアップ>
29 いじめアンケートの意義・作り方・実施上の留意点は?<いじめ早期発見の方法>
30 いじめアンケートの活用の方法は?<いじめ早期発見の方法>
31 いじめへの初期対応の方法とは?<いじめの初期対応>
32 いじめられていることを話そうとしない子どもへの対話法とは?<いじめられていることを話さない時>
33 話し合いによるいじめ解決の方法とは?<クラスにおけるいじめ救済>
34 いじめの「言い訳」への指導とは?<いじめ加害者への対応・指導・面接法>
35 グループ化したいじめへの指導とは?<いじめグループへの指導>
36 「見て見ぬふりする」子どもへの指導とは?<傍観者たちへの対応・指導>
37 クラスの中の直接いじめにかかわらない子どもたちへの指導とは?<無関係な子どもへの指導>
38 いじめ指導体制づくりとは?<学校全体としての指導>
39 クラス担任としての対応は?―被害・加害側保護者対応<クラス担任としての対応>
40 クラス担任としての対応は?―保護者間のトラブル<クラス担任としての対応>
41 いじめ対応力―管理職としては?<管理職としての対応>
42 いじめ対応力―生徒指導担当としては?<生徒指導としての対応>
43 いじめ対応力―学校教育相談担当としては?<学校教育相談係としての対応>
44 いじめ対応力―特別支援教育コーディネーターとしては?<特別支援教育コーディネーターとしての対応>
45 いじめ対応力―スクールカウンセラーとしては?<スクールカウンセラーとしての対応>
46 いじめ対応力―スクールソーシャルワーカーとしては?<SSWrとしての対応>
47 いじめ対応力―養護教諭としては?<養護教諭としての対応>
48 いじめ対応力―公立教育相談室(所)としては?<公立教育相談室(所)としての対応>
49 いじめ対応力を生み出す学校とは?<職場環境から考える>
50 いじめをめぐるチーム支援とは?<チーム支援>
51 「いじめ」防止校内研修の持ち方は?<いじめ研修会の開き方>
52 いじめ被害者とのカウンセリング@―危機対応場面では?<いじめ被害者とのカウンセリング・面接法>
53 いじめ被害者とのカウンセリングA―立ち直りサポートのためには?<いじめ被害者とのカウンセリング・面接法>
54 外部専門機関のよさをいかす連携とは?<いじめをめぐる専門機関との連携>
55 いじめが自殺につながる時とは?<いじめが自殺に直結する場合>
56 いじめが犯罪につながる時とは?<いじめと警察>
57 いじめ後遺症への対応とは?<いじめのトラウマ>
コラム いじめ―海外では<日米いじめ比較>
第W章 「ネットいじめ」Q&A
58 ネットいじめとは?<ネットいじめの手口と原因>
59 ネットいじめを発見するには?<ネットいじめ発見の方法>
60 ネットいじめの対応とは?<ネットいじめへの対応>
61 ネットいじめ―外部専門機関と連携するには?<ネットいじめと相談機関>
コラム いじめとメディア<いじめ自殺報道のあり方>
コラム いじめへの厳罰主義<いじめによる出席停止・厳罰主義の考え方>
第X章 いじめと「不登校・発達障害・非行」Q&A
62 ケース検討―不登校の場合は?<いじめと不登校>
63 ケース検討―発達障害の場合は?<いじめと発達障害>
64 ケース検討―学業不振の場合は?<いじめと学業不振>
65 ケース検討―荒れたクラスの場合は?<いじめと学級崩壊>
66 ケース検討―精神障害の場合は?<いじめと精神障害>
67 ケース検討―行為障害の場合は?<いじめと行為障害>
68 ケース検討―非行問題の場合は?<いじめと非行>
コラム いじめへはなくならないという考え<いじめはなくならないのか>
コラム いじめと差別―特別授業から垣間見えたもの<差別とたたかうことの本当の難しさ>
第Y章 「保護者とのかかわり」Q&A
69 「先生がわが子をいじめている」と訴える保護者への対応とは?<いじめをめぐる保護者とのトラブル>
70 いじめ被害者(生徒)の保護者への対応とは?<いじめ被害者の保護者への対応>
71 いじめ加害者(生徒)の保護者への対応とは?<いじめ加害者の保護者への対応>
第Z章 「いじめの経験をいかす」Q&A
72 「いじめ/いじめられ」体験は何をもたらしたか?<私のいじめ・いじめられ体験>
73 教師が体験した「いじめ/いじめられ」体験がもたらすものとは?<教師自身のいじめ・いじめられ体験>
EX こんな時どうする? いじめQ&A項目対応表
あとがき
※第X章のケースの内容についてはプライバシーに配慮し,ケースの理解の妨げにならない程度に改変しています。

まえがき

 源氏物語の第一帖「桐壷」の冒頭には,帝に寵愛された桐壷の更衣(光源氏の母)への執拗ないじめ場面が描かれています。桐壷の更衣を妬んだ女御や更衣たちが廊下に糞などを撒き散らし,帝のもとへ向かう桐壷の更衣を送り迎えする女房たちの着物の裾を台無しにしたり,示し合わせて廊下の戸を閉め桐壷の更衣を閉じこめて帝のもとに行くのを妨げたりするのです。創作とはいえ,現代のいじめに通じることが,千年も前から生じていたことは,いじめがいかに人間心理の深いところに結びついているかをあらわしているのではないでしょうか。その後の歴史をひもといても,いじめがさまざまな形をとって常に人間社会に存在していたことがわかります(たとえば,大奥での人間関係や農村における村八分,軍隊での初年兵いじめ,疎開児童へのいじめ,など)。

 現代のいじめ問題についても教育学,心理学,社会学,民俗学,文化人類学などさまざまな立場から,その解明や対応,予防などについてアプローチが行われてきました。しかし決定的な対応策がいまだ存在しないことも確かです。今回私たちが本書を企画したのは,今も,常に,どこかで,いじめに悩んでいる子,傷ついている子がいるからです。教育と臨床心理学という立場から,いじめという人間の本性に根ざした問題に少しでも挑みたいと考えたからです。

 2008年に出版した『不登校 予防と支援Q&A70』は,読者からの支持のおかげで現在も版を重ねています。今回もQ&A方式で私がこれまで学校の先生方や相談の場で出会う子どもやその保護者のみなさんの問いかけに答える形をとっています。その意味では姉妹編とも言えるでしょう。

 本書をお読みになる方の,いじめ対応策のレパートリーが広がり,いじめ問題に向かう勇気が湧くことを願って,書き上げたのです。


  2012年3月19日 編者を代表して   /菅野 純

著者紹介

菅野 純(かんの じゅん)著書を検索»

1950年生まれ。

東京都八王子市教育センターに14年間,教育相談員として勤務。

87年から早稲田大学人間科学学術院勤務,現在教授。

各地の相談機関のスーパーバイザーを勤める。

桂川 泰典(かつらがわ たいすけ)著書を検索»

1979年生まれ。臨床心理士。特別支援教育士。

東邦大学非常勤講師,秋草学園短期大学非常勤講師,医心会酒田クリニックカウンセラー等を経て,現在早稲田大学人間科学学術院助手。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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