- まえがき
- T スペシャリストの授業づくりの基礎・基本
- 1 理科授業の基本的な進め方
- 1 1時間の授業展開の基礎・基本
- 2 授業の導入のポイント
- 3 仮説→観察・実験→結論のもたせ方
- 2 理科授業づくりの基本
- 1 単元計画の立て方
- 2 教材の選び方
- 3 1時間の授業案の作り方・考え方
- コラム@ 昔から理系?
- U 直伝! 理科室経営の極意
- 1 理科室を専用教室にしよう
- 1 なぜ教室でなくて,理科室なのか
- 2 理科室で授業するメリット・デメリット
- 3 専用教室作りのノウハウ
- 2 ビフォーアフター 理科室改修計画
- 1 すごい状態の理科室にやってきた……
- 2 手始めに行ったこと
- 3 理科室整備の思わぬ効果
- 4 多くの方が訪れる理科室に
- 3 備品等管理の術
- 1 備品と消耗品
- コラムA サイエンスショーで魅了する
- V 教材研究・教材開発で生徒の心をつかむ!
- 1 教科書掲載の教材を料理する
- 1 一つの教科書で満足しない
- 2 実験装置の考案・自作のポイント
- 1 自作装置のメリット
- 2 オリジナル実験装置(その1「エレキギター」)
- 3 オリジナル実験装置(その2「ボウリング球浮上装置」)
- 3 面白実験を教材のレベルにしよう!
- 1 教材&実験例(その1「電気くらげと逆電気くらげ」)
- 2 教材&実験例(その2「iE簡単回路」)
- 3 教材&実験例(その3「エタノールの爆発を使った実験」)
- コラムB 理科だけやっていてもダメ!?
- W 理科授業の発問・板書・ノート指導のポイントはここだ!
- 1 発問のポイント
- 1 理科授業の発問のポイントはどこか
- 2 発問はその後どうつながるか
- 2 板書のポイント
- 1 完全に黒板を用いない授業方法
- 2 「ノート取りタイム」設定
- 3 ノート指導のポイント
- 1 公開! 実験・観察ノート
- 2 実験・観察ノートの書かせ方・指導のポイント
- 3 ノート検査は必要?
- コラムC 夏季課題は自由研究?
- X 実験・観察中心の授業で生徒の学力を上げる!
- 1 実験中心の授業で生徒は思考する
- 1 「面白実験」も展開次第で定番実験に!
- 2 教科書のすべての実験を行う授業
- 3 実験の質と量を確保する
- 2 実験・観察中心で知識は定着するのか
- 1 データ記録の重要性
- 2 理科の成績アップの実際
- 3 生徒から圧倒的な支持を受けた理科の授業評価
- コラムD 学校内から飛び出そう―外部の実践に触れる
- Y 実例! 授業ライブ
- 1 1単元の授業構想と実際
- 1 指導案と授業構想
- 2 「酸化と還元」を例に
- 3 酸化還元反応の実験
- 2 授業ライブ(その1)
- 1 授業ライブの前に〜理科室使用の掟〜
- 2 授業ライブ「静電気の引力・斥力の実験」
- 3 授業ライブ(その2)
- 1 サイエンスショーの要素を取り入れた授業
- 2 授業参観での授業例「力学的エネルギー保存の法則」の実験
- コラムE なぜ理科を学ぶのか?
- Z 高校受験対策のポイントはここだ!
- 1 定期テストで公立受験対策
- 1 公立受験対策いろいろ
- 2 特徴ある定期テスト
- 2 朝学習で学力アップ!
- 1 朝学習の意義と受験対策
- 3 生徒のつまずきポイントの指導
- 1 1・2年次の総復習
- 2 小論文対策
- 4 中3の夏季課題を利用した受験対策
- 1 特徴ある夏季課題
- 2 夏季課題「1日1題」
- コラムF 明日の理科教育のために
まえがき
私は現在,京都市青少年科学センターという,科学館を併設した理科教育センターに勤務しています。実は,科学センターの勤務は2回目で,それまでにもふつうの中学校理科教諭が歩むのとは異なる職歴を重ねています。
勤務歴を紹介すると,高校で3年間数学を教えたあと,同じく高校で1年間物理,化学,理科Tを担当しました。高校物理の速度や加速度の授業では,数学で微積分を教えたことが役立ち,数学的な解法も,まるで数学の授業のように丁寧に行うことができたと思います。
その後,中学校で5年間理科を教えました。ここでは,それ以前に経験した高校理科の授業実践が役に立ちました。「高校ではこのような学習につながるのだ」というのを,机上の知識だけでなく,実際にやっていたわけですから,授業を進める上で大きなアドバンテージとなりました。
その後,教育委員会に出向し,1回目の科学センター勤務です。7年間に渡り,物理の実験学習や教員研修,各種の市民科学事業を行ってきました。科学センター勤務中は,日本中のいろいろな方の実践を知ることができましたし,なにより専用の工作室を駆使して,新しい実験器具,装置を生み出すということに没頭できました。理科関係の賞も複数頂きました。
そして2回目の中学校勤務です。それまでの経験,多くの方々の実践を参考に,日本でもトップレベルと言われるような理科教育を行おうと考え,いろいろな取り組みを行いました。この本には,まさにその部分を凝縮させています。若手理科教員の方で,もし参考になる部分があれば,そのまま真似するのではなく,ぜひ,勤務校の実情に合わせた「+α」の工夫を加えて取り入れて,「自分のスタイル」にしてから実践して欲しいと願います。
なお,この実践はたった2年間で終わりました。大学院への内地留学を経て2回目の教育委員会出向となり,現在に至っています。
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- 明治図書