- はじめに
- 1 教室で使える「ほめ方・しかり方」
- 子ども,保護者,そして先生の「ココロ貯金」を貯めましょう!
- 1 教育は,心の基盤になる「自己肯定感」を高めることが大切です
- 2 「ココロ貯金」が貯まると,グングン伸びる子どもに変わる!
- 3 「ココロ貯金」が赤字になると,先生の手を焼かせるような行動をとり始めます
- 4 「ココロ貯金」が貯まると,こんな子どもになります!
- 5 先生ができる「ココロ貯金」の貯め方
- 6 子どもの「ココロ貯金」を保護者に貯めてもらうために,先生ができることは?
- 7 先生が自分自身の「ココロ貯金」を貯める方法とは?
- 2 子どもが伸びる! 教室で使える「ほめ方・しかり方」の極意
- 1 子どもの「自己肯定感」がアップする「ほめ方」の極意
- 1 まずは「『目に見えたこと』『ちょっとした変化』を言葉にする」ことから始めよう!
- 2 「『名前』+『あいさつ』の組み合わせ」で,学級がどんどん落ち着いていく!
- 3 「先手必勝」+「当たり前のことをほめる」で,手のかかる子が激変!
- 4 子どものよいところは,「そのときその場でほめる」のが鉄則!
- 5 「ほめの言葉を具体的にする」ことで,ほめられた子も,周りの子もがんばれる!
- 6 「人格を認めるほめ方」で,子どもがさらに意欲的に!
- 7 「指示の三段階」で,しからなくても学級全員が話を聞ける態勢に!
- 8 「先生がほめ方の手本を示す」ことで,子ども同士がお互いのよさを認め合えるように!
- 9 「その子自身の以前と比べて現在の方がよい」ことをどんどんほめよう!
- 10 「子ども8割,先生2割」で,お説教口調を克服しよう!
- 11 できていない子に「がんばりなさい!」と言うよりも,できている子に「がんばっているね!」と言ってみよう!
- 12 子どもの質問攻めには,「『○○さんはどうしたらいいと思う?』と聞き返す」ことがおすすめ!
- 2 授業が必ずうまくいく「ほめ方」の極意
- 13 「ピンポイントでほめる」ことで,文字がグングンうまくなる!
- 14 「何をしたらどういう評価になるのかを明確にする」ことで,子どもの宿題に対する意欲は倍増!
- 15 「子どものノートを手本にする」ことで,自主学習がうまくいく!
- 16 机間指導の中での「ちょっとしたほめ言葉」+「後押し」で,子どもの発表が倍増!
- 17 話を聞けない子をしかる前に,先生が「子どもの発表を復唱」してみよう!
- 18 「望ましい行動」+「具体的な指示」で,取りかかりが遅い子もしからず伸ばす!
- 19 机間指導を通して「頭にそっと手を触れる」だけで,音読がうまくなる!
- 20 「ささやき作戦」で,子ども一人ひとりを確実にほめていこう!
- 21 「しからずに尋ねる」ことで,今するべきことに気付かせよう!
- 22 「伸び悩んでいるときこそ,今できていることを認める」ことが,次への意欲につながる!
- 23 「今すでにできている子を認める」+「できていない子への先手必勝の個別対応」で,合唱が必ずうまくいく!
- 3 心の中まできれいになる掃除時間の「ほめ方」の極意
- 24 「『何』を『どのように』したらよいのかを教え,がんばりを具体的に認める」言葉をかけよう!
- 25 「掃除が始まった25%地点でほめる」ことで,全員最後までがんばれる!
- 26 「『何』を使った質問を重ねる」ことで,やるべきことがどんどん具体的に!
- 27 「先生はほめ役に徹する」ことで,子どもの掃除がより自主的・能動的に!
- 4 保護者との信頼関係がアップする「ほめ方・伝え方」の極意
- 28 「ほめ日記」で,保護者との信頼関係の土台をつくろう!
- 29 「保護者に会うとき必ず1つは子どものよいところを伝える」ことで,コミュニケーションが断然スムーズに!
- 30 子どもの気になる点は,「具体的な事実で伝える」ことがポイント!
- 31 保護者からのクレーム電話には,まず最初に「申し訳ありませんでした」+「ご心配されたのですね」を伝えよう!
- 32 しかりすぎの親には子どものよいところをどんどん伝え,「間接的に子どものほめ方をレクチャー」しよう!
- 33 「対応をあらかじめ学級通信で伝えておく」ことで,保護者とのトラブルを未然に回避しよう!
- 34 改善してほしいことがあっても,「保護者を責めるような表現は絶対に使わない」
- 35 毎日続く連絡帳の長文の手紙には,「保護者の心配や不安感を受け止めつつ,現実的な対応をとる」ことが大事!
- 5 子どもをしかる前に使う「指示」の極意
- 36 話を聞いていないとしかる前に「作業の手を止めることの指示」を徹底しよう!
- 37 「急な予定変更は板書する」ことで,指示を徹底しよう!
- 38 「否定語の指示を『望ましい行動』に変換」してみよう!
- 6 子どもをしかる前に使う「質問」の極意
- 39 「『なぜ』という問い方を『何』という問い方に変える」ことで,“もぐらたたき状態”から脱出しよう!
- 40 「『何』を使った質問」実践編@―子どもの宿題忘れが増えてきたとき
- 41 「『何』を使った質問」実践編A―自習ができる学級をつくる
- 42 「『何』を使った質問」実践編B―運動場での子どもの土いじりが気になったら…
- 43 子どもの「がんばります」「気を付けます」には,「深堀りする具体的な質問」がおすすめ!
- 44 「気持ちが落ち着くまで待ってから理由を尋ねる質問をする」ことで,「すぐにキレる子」が変わる!
- 7 子どものやる気を引き出す「しかり方」の極意
- 45 「短い言葉で行為をしかる」ことで,具体的に何がダメなのかを伝えよう!
- 46 「一度に長々しかるより,根気よく淡々と声をかけ続ける」ことで,子どもの行動は変化する!
- 47 「『先生(私)』を主語にする」だけで,本当の気持ちがまっすぐ子どもに伝わる!
- 48 「『仮に』発達障がいだとしたら,どんな支援ができるかを考える」ことから始めよう!
- 49 「過去をもち出してしかる」ことでは,忘れ物はなくならない!
- 50 「子どもは上下2歳ぐらいの幅をもちながら成長する」ことを念頭に置こう!
- 8 がんばる先生のための「自分自身のほめ方」の極意
- 51 「デキる先生」になろうと思わず,「職員室で弱音を吐ける先生」になろう!
- 52 無理に欠点・短所をなくそうと思わず,「今がんばっている自分に100点満点」をあげよう!
- 53 「『何』を使った質問」で「セルフコーチング」をしよう!
- 54 「『感情』から変えようとせず,まずは『行動』を変える」ことで,苦手な子ともうまくいく!
- 55 「『これだけはしっかりやる』ということを決める」ことで,漠然とした不安から脱却しよう!
- 56 「『自分ひとりで』『毎日でも』『お金をあまりかけずに』できる楽しみ」を「ココロの栄養」にしよう!
- おわりに
はじめに
以前,私は小学校教員でした。そのとき,子どもは大人のかかわり方次第で,どのようにも変化するという信念をもって子どもを指導していました。一見,手のかかる子であっても,どんな小さなよいところも見逃さず,本人にそのよさを言葉で伝えていきました。そして,「絶対にあなたは大丈夫!」「デキる子!」というスタンスでかかわっていくと,子どもはみるみるうちにやる気と自信に満ちた姿に変わっていくのでした。
そして家庭には,子どものよさを電話やメモを使って伝えていきました。「ほめ日記」という簡単な名簿を用意し,1年間継続していくのです。そんな地道なことを積み重ねていくことで,保護者と先生が車の両輪となり,着実に子どものよさを伸ばしていくことができました。意欲的に活動できる子,心の安定した子がどんどん増えていきました。そんな「子どもを伸ばすコツ」に本気で取り組んでいくと,子どもたち一人ひとりや学級全体が,確実によい方向に変化していくのです。それは,まさに教師としての醍醐味でした。
私は小学校・中学校で教育相談員としても勤務し,さらに教育委員会勤務時には,相談員や学校の先生への指導をしていました。そのときのベースになっていたのが,本書で紹介している「ココロ貯金」です。もちろん,教師としてわかりやすく興味がもてる授業をすることや,友だちとのかかわり合いの中でお互いのよさを認めることなど,大切なことはたくさんあります。しかし,教育に行きづまり悩んだときにこの「ココロ貯金」の理論を思い出すと,「今自分は何をしたらよいのか」が早く具体的にわかるようになります。
本書では,教育のプロとしてだけでなく子育てのプロとして,いかに子どもとかかわっていくとよいのかを書きました。教師という仕事は,ストレスの度合いが高く,先生自身のメンタルヘルス維持が必須です。ただの「ほめ方・しかり方」の本ではなく,がんばる先生を全面的に応援する1冊になれば,こんなにうれしいことはありません。
平成24年2月 /東 ちひろ
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- 明治図書
- 分かりやすかった。2016/1/1750代・小学校教員