新教育課程対応 小学校全体計画の作成と運用の手引

新教育課程対応 小学校全体計画の作成と運用の手引

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学校の教育課程を実効あるものとするうえで全体計画はキーポイントとなるものです。その小学校の全体計画を現代の教育課題に焦点化してモデルを示すとともに、作成の考え方から運用の手順まで詳細に解き明かした、すぐに役立つ手引。


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ISBN:
978-4-18-060453-1
ジャンル:
学習指導要領・教育課程
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 104頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

○はじめに○
T 新教育課程編成の構想
1 新教育課程編成の理念や課題を理解しているか
2 新教育課程編成の基本的な考え方に則っているか
3 新教育課程編成における内容改善の要点を押さえているか
4 「教育課程編成の全体構想」が立てられているか
U 全体計画作成の意義と内容及び作成の配慮事項
1 「全体計画」とは何か,新学習指導要領ではどのように位置づけられているか
2 全体計画が必要なその他の教育内容や課題は何か
3 全体計画作成の意義は何か
4 全体計画に示す内容等は何か
5 全体計画作成に当たって配慮すべき事項は何か
V 全体計画の作成と運用の事例
◆§1 道徳教育
1 学習指導要領における道徳教育の意義
2 各教科等における道徳教育の扱い
3 全体計画例
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§2 総合的な学習の時間
1 新学習指導要領における「総合的な学習の時間」の意義
2 各教科等における総合的な学習の時間に関連する知識・技能,資質や能力等
3 総合的な学習の時間の全体計画
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§3 特別活動
1 新学習指導要領における「特別活動」の意義
2 道徳等との関連
3 全体計画作成上の配慮事項
4 指導上の工夫や配慮事項
◆§4 体育・健康教育
1 新学習指導要領における体育・健康教育の意義について
2 各教科等における体育・健康教育の扱いについて
3 体育・健康教育全体計画
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§5 食育
1 新学習指導要領における「食育」の意義
2 各教科等における「食育」の扱い
3 食育の全体計画例
4 食育の全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§6 安全教育
1 新学習指導要領における「安全教育」の意義
2 各教科等における「安全教育」の扱い
3 安全教育の全体計画例
4 安全教育の全体計画作成上の配慮事項及び指導上の工夫や配慮事項
◆§7 生徒指導(生活指導)
1 新学習指導要領における「生徒指導」の意義
2 全教育活動における「生徒指導」の扱い
3 全体計画作成上の配慮事項
4 指導上の工夫や配慮事項
◆§8 キャリア教育
1 我が国におけるキャリア教育の導入と定義
2 小学校段階におけるキャリア教育への取組
3 全体計画作成の配慮事項
4 指導上の工夫や配慮事項
◆§9 人権教育
1 学習指導要領における人権教育の意義
2 各教科等における「人権教育」の扱い
3 人権教育の全体計画例
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§10 言語活動の充実
1 新学習指導要領における「言語活動の充実」の意義
2 各教科等における「言語活動の充実」の扱い
3 言語活動の充実の全体計画例
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§11 伝統や文化に関する教育
1 新学習指導要領における「伝統や文化に関する教育」の意義
2 各教科における「伝統や文化に関する教育」の扱い
3 「伝統や文化に関する教育」の全体計画
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の配慮事項
◆§12 体験活動の充実
1 新学習指導要領における「体験活動」の意義
2 各教科等における「体験活動」の扱い
3 体験活動の全体計画例
4 体験活動の全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§13 情報教育
1 新学習指導要領における情報教育の意義
2 各教科などにおける情報教育の扱い
3 全体計画例
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や留意点
◆§14 環境教育
1 新学習指導要領における環境教育の意義
2 各教科等における環境教育の扱い
3 環境教育の全体計画例
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§15 性教育
1 新学習指導要領における「性教育」の意義
2 各教科等における性教育の扱い
3 「性教育」全体計画例(教育目標と重点目標,各学年の指導計画との関連を示した例)
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§16 ものづくり
1 新学習指導要領における「ものづくり」の意義
2 各教科等における「ものづくり」の扱い
3 ものづくりの全体計画例
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§17 国際理解教育
1 新学習指導要領における国際理解教育の意義
2 各教科等における国際理解教育の扱い(主として学習指導要領に明示されている内容)
3 国際理解教育の全体計画例
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§18 特別支援教育
1 学習指導要領における特別支援教育の意義
2 各教科等における特別支援教育の扱い
3 全体計画例(A小学校:24学級,特別支援学級はないが,学習支援教室を設置)
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§19 ESD教育
1 学習指導要領におけるESD教育の意義
2 各教科等のESD教育の扱い
3 全体計画例
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項
◆§20 学力向上
1 新学習指導要領における「学力向上」の意義
2 各教科等における「学力向上」の扱い(特に重視する力)
3 学力向上を図るための全体計画
4 全体計画作成上の配慮事項
5 指導上の工夫や配慮事項

はじめに

 教育課程を編成し,教育課程に即した単元等の指導計画を作成して,それに基づく授業を着実に積み重ねることで,激しく変化し国際化する知識基盤社会の時代に必要な「確かな学力・豊かな心・健やかな体」を一人ひとりの子どもに確実に身に付けさせ,実現させることができます。子どもたちが未来を拓く存在となりうるかは,まさに学校・教師のこれからの教育にかかっています。このことなくしては,学校・教師は保護者や地域の人々,そして国民から信頼を得ることはできません。

 すでに新教育課程への移行措置が始まり,実質的には「生きる力」をはぐくむことを一層重視する新教育課程が実施となっているのです。各学校・教師は改訂された学習指導要領の趣旨や内容を理解し,それを具現できる実践を行っているでしょうか。移行措置を実施しながら,平成23年度の新教育課程の完全実施に向けて,新教育課程を編成し,年間や単元等の指導計画を作成しているでしょうか。待ったなしの局面に入っているのです。

 今回の教育課程の改訂では,中央教育審議会答申「幼稚園,小学校(以下略)の学習指導要領等の改善について」(平成20年1月17日)や改訂された「小学校学習指導要領」(同年3月28日)において,各教育内容やその指導等に関して「学校の全教育活動を通じて行う」ことや,「各教科等及び各学年間相互の関連を図る」ことを重視しています。これは,とかく教科等別の縦割りの教育課程編成・指導計画作成に陥り,そのため教育・指導に教師が努力しているにもかかわらず,子どもが真に目指す方向に育ってこないというこれまでの教育のあり方を改め,学校の教育を教育目標の実現に向けた統一性と一貫性のあるものにすることを求めているからです。各学校・教師はこの求め・期待に確実に応えなくてはならないのです。

 本書は,その達成のために「全体計画」の作成に視点を当て,その作成と実践・運用に当たっての手引を提供するものです。

 Tでは,全体計画作成の前提として「教育課程編成の全体構想」の作成を推奨しています。全体構想を確立することで,自校の教育のビジョンや各教科等の教育活動の役割,各教科等の全体構造すなわち全体と部分の関係などが自明となるからです。

 Uでは,教育課程編成の全体構想のもとに,「全体計画」の作成の学習指導要領における位置づけ,道徳,総合的な学習の時間,特別活動などの全体計画作成の意義,全体計画に示す内容,全体計画作成に当たっての配慮事項などを示してあります。

 Vでは,その上で,今日の重要な教育課題として20の事例を挙げ,教育課題の解決・実現に向けた全体計画例及びその運用を示してあります。この20の課題は,中央教育審議会答申(前述)が示した「学習指導要領改訂の基本的な考え方」や「教育内容に関する主な改善事項」などから選択しました。これらの内容は,今回の学習指導要領の改訂にあたり,各教科等の枠を超え,学校の全教育活動を通して指導することが必要な教育課題であるからです。

 1〜20の各課題の全体計画作成に当たっては,はじめに,「新学習指導要領における当該課題の意義」,次に「各教科等における当該課題の扱い」,さらに「全体計画例」,そして「全体計画作成上の配慮事項」及び「指導上の工夫や配慮事項」という構成で,各全体計画の理解とその教育実践や運用ができるように示してあります。

 これにより,各教科などの指導計画作成の際に,各教科ごとの縦割りの計画ではなく,相互の関連,相互の活用を十分に配慮し生かしたものとすることができます。さらに,日々の授業実践が,各教科等の相互の関連を生かしてより一層効果的に行われることが期待できます。また,今日その指導が重視されている「活用」を,各教科等間で行うことが期待され,子どもたちの思考力,判断力,表現力などの能力を一層高めることも期待できます。

 本書の全体計画とその実践・運用の手引が各学校の教育課程編成及び指導計画作成,さらには,充実した授業実践の一助となれば幸いです。

 本書の執筆者は,教育課程の編成・実施・評価・改善などの教育課程運営の経験が豊かで,担当していただいた教育課題について造詣の深い方々です。お忙しい中にもかかわらず,玉稿をお寄せいただいたことに深く感謝します。

 また,明治図書の安藤征宏氏には,企画の段階からお世話になりここに衷心より感謝の意を表します。


  平成21年6月   編者 /寺崎 千秋

著者紹介

寺崎 千秋(てらさき ちあき)著書を検索»

東京学芸大学教職大学院特任教授

財団法人教育調査研究所研究部長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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