平成21年版高等学校学習指導要領 改訂のピンポイント解説

平成21年版高等学校学習指導要領 改訂のピンポイント解説

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新しい学習指導要領の改訂の基本方向、要点がわかる1冊!

改訂された高等学校学習指導要領。改訂に関わった委員の方々を中心に新教育課程のここが要所という基本事項をピンポイントで解説。この1冊で新学習指導要領の全容が理解できるハンディ解説書。今、絶対にお勧めの必携図書。


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ISBN:
978-4-18-040711-8
ジャンル:
学習指導要領・教育課程
刊行:
4刷
対象:
高校
仕様:
A5判 208頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T章 高等学校学習指導要領改訂の基本方向
/安彦 忠彦
はじめに/ 改訂の基本的な考え方/ (1) 教育基本法等の教育関連の重要な法律改正を踏まえた改訂/ (2) 「生きる力」の理念の共有/ (3) 基礎的・基本的な知識・技能の習得/ (4) 思考力・判断力・表現力等の育成/ (5) 確かな学力を確立するために必要な授業時数の確保/ (6) 学習意欲の向上や学習習慣の確立/ (7) 豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実/ おわりに
U章 「総則」改訂のピンポイント解説
/安彦 忠彦
○ピンポイント[1] 卒業単位数・必履修科目/ ○ピンポイント[2] 授業時数・義務教育内容の確実な定着/ ○ピンポイント[3] 言語活動の充実/ ○ピンポイント[4] 理数教育の充実/ ○ピンポイント[5] 伝統や文化に関する教育の充実/ ○ピンポイント[6] 道徳教育の充実/ ○ピンポイント[7] 体験活動の充実/ ○ピンポイント[8] 外国語教育の充実/ ○ピンポイント[9] 職業に関する教科・科目の改善/ ○ピンポイント[10] その他の重要事項
V章 普通教育教科等改訂のピンポイント解説
§1 「国語」改訂のピンポイント解説 /堀江 祐爾
○ピンポイント[1] 科目の構成の改善/ ○ピンポイント[2] 言語活動の充実/ ○ピンポイント[3] 読書活動の充実/ ○ピンポイント[4] 各科目の内容
§2 「地理歴史」改訂のピンポイント解説 /原田 智仁
○ピンポイント[1] 必履修科目・科目構成に変更なし/ ○ピンポイント[2] 地理歴史に共通する改善事項/ ○ピンポイント[3] 世界史の改善事項/ ○ピンポイント[4] 日本史の改善事項/ ○ピンポイント[5] 地理の改善事項
§3 「公民」改訂のピンポイント解説 /大杉 昭英
○ピンポイント[1] 基礎的・基本的な知識の習得とそれを活用して課題を解決するための思考力・判断力・表現力等の育成/ ○ピンポイント[2] 言語活動の充実/ ○ピンポイント[3] 道徳教育の充実/ ○ピンポイント[4] 伝統や文化に関する学習の充実/ ○ピンポイント[5] よりよい社会の形成に自ら参画していく能力や態度の育成
§4 「数学」改訂のピンポイント解説 /吉田 明史
○ピンポイント[1] 「数学的活動」の充実/ ○ピンポイント[2] 思考力・表現力の育成/ ○ピンポイント[3] 「数学のよさ」の認識/ ○ピンポイント[4] 「課題学習」の新設/ ○ピンポイント[5] 数学の活用を重視/ ○ピンポイント[6] 小中学校との接続
§5 「理科」改訂のピンポイント解説 /清水 政義
○ピンポイント[1] 理科教育の課題/ ○ピンポイント[2] 3領域以上の学習/ ○ピンポイント[3] 2つのパターン/ ○ピンポイント[4] 新科目「科学と人間生活」/ ○ピンポイント[5] 基礎を付した科目/ ○ピンポイント[6] 探究的な学習と課題研究/ ○ピンポイント[7] 新しい科学の内容/ ○ピンポイント[8] 数学,理科は全面実施より1年前倒しで実施
§6 「保健体育」改訂のピンポイント解説 /本村 清人
○ピンポイント[1] 保健体育の改善の基本方針/ ○ピンポイント[2] 発達の段階に応じた学校段階間の円滑な接続/ ○ピンポイント[3] 指導内容の体系化による基礎的・基本的な知識・技能の習得/ ○ピンポイント[4] 体力の向上/ ○ピンポイント[5] 目標の改善/ ○ピンポイント[6] 健康の保持増進のための実践力の育成
§7 「芸術」改訂のピンポイント解説 /吉田 孝
○ピンポイント[1] 芸術文化についての理解を深める/ ○ピンポイント[2] 指導内容の示し方の改善/ ○ピンポイント[3] 伝統文化・郷土の文化の重視/ ○ピンポイント[4] 言語活動の充実/ ○ピンポイント[5] 知的財産権を尊重する
§8 「外国語」改訂のピンポイント解説 /影浦 攻
○ピンポイント[1] 外国語の課題/ ○ピンポイント[2] 改善の基本方針/ ○ピンポイント[3] 科目の構成及び内容/ ○ピンポイント[4] 英語に関する科目の共通事項/ ○ピンポイント[5] 指導計画作成上の留意点
§9 「家庭」改訂のピンポイント解説 /河野 公子
○ピンポイント[1] 改訂の概要と教科目標の改訂/ ○ピンポイント[2] 3科目共に,共生社会,生涯の生活設計,持続可能な社会におけるライフスタイルなどが重視された/ ○ピンポイント[3] 「家庭基礎」は,衣食住,消費と環境の学習を通して生活設計につなげる構成として統合を図り,3項目構成とした/ ○ピンポイント[4] 「家庭総合」は,子どもと高齢者の学習を統合するとともに,生涯の生活設計を独立した項目とし,6項目構成とした/ ○ピンポイント[5] 現行の「生活技術」の内容を見直し,「生活デザイン」へと改訂
§10 「情報」改訂のピンポイント解説 /松原 伸一
○ピンポイント[1] 科目構成の改善/ ○ピンポイント[2] 各科目の内容の改善/ ○ピンポイント[3] 情報モラル等の更なる充実/ ○ピンポイント[4] その他
W章 専門教育教科改訂のピンポイント解説
§1 「農業」改訂のピンポイント解説 /佐野 明
○ピンポイント[1] 「基礎的・基本的な知識と技術を習得させる」/ ○ピンポイント[2] 「主体的,
§2 「工業」改訂のピンポイント解説 /村田 敬一
○ピンポイント[1] 「いかに作るか」から「どのようなものをいかに作るか」へ/ ○ピンポイント[2] 実習などにおける「言語活動の充実」/ ○ピンポイント[3] 技術者倫理の育成/ ○ピンポイント[4] 工業技術の高度化への対応/ ○ピンポイント[5] 環境・エネルギー問題への対応/ ○ピンポイント[6] 情報化とネットワーク化への対応/ ○ピンポイント[7] 伝統技術・技能の伝承
§3 「商業」改訂のピンポイント解説 /山田 研治 /山本 進
○ピンポイント[1] 総則(改善の目標と視点)/ ○ピンポイント[2] 商業(ビジネス)の学習分野と総時間数/ ○ピンポイント[3] 基礎的科目/ ○ピンポイント[4] 総合的科目/ ○ピンポイント[5] マーケティング分野/ ○ピンポイント[6] ビジネス経済分野/ ○ピンポイント[7] 会計分野/ ○ピンポイント[8] ビジネス情報分野
§4 「水産」改訂のピンポイント解説 /長谷川 勝治
○ピンポイント[1] 総則からの見取り/ ○ピンポイント[2] 目標からの見取り/ ○ピンポイント[3] 教科の視点/ ○ピンポイント[4] 新しい領域の導入/ ○ピンポイント[5] 科目「課題研究」の改訂点/ ○ピンポイント[6] 科目構成及び改訂点
§5 「家庭」改訂のピンポイント解説 /河野 公子
○ピンポイント[1] 専門教育「家庭」の改訂の概要/ ○ピンポイント[2] 「生活産業基礎」では,商品・サービスを提供する立場を重視/ ○ピンポイント[3] 「生活産業情報」では,情報モラルやセキュリティを重視/ ○ピンポイント[4] 「被服製作」は,段階的に学ぶことができるよう「ファッション造形基礎」と「ファッション造形」の2科目に分離/ ○ピンポイント[5] 「発達と保育」を「子どもの発達と保育」へ,「児童文化」は,より広く「子ども文化」へと改訂された/ ○ピンポイント[6] 「家庭看護・福祉」は,高齢者の自立生活を支援できる人材育成を目指し「生活と福祉」へと改訂された/ ○ピンポイント[7] 科目名称は現行どおりで,内容のみ改訂された科目
§6 「看護」改訂のピンポイント解説 /佐藤 仁作 /山本 浩二
○ピンポイント[1] 高い専門性と確実な看護技術,豊かな人間性/ ○ピンポイント[2] 看護師養成制度におけるカリキュラムの改正/ ○ピンポイント[3] 科目の再構成/ ○ピンポイント[4] 新科目「看護の統合と実践」/ ○ピンポイント[5] 「看護臨地実習」への名称変更/ ○ピンポイント[6] 「看護情報活用」への名称変更
§7 「情報」改訂のピンポイント解説 /松原 伸一
○ピンポイント[1] 科目構成の改善/ ○ピンポイント[2] 新設された科目/ ○ピンポイント[3] 削除された科目/ ○ピンポイント[4] 整理統合された科目/ ○ピンポイント[5] 名称変更された科目
§8 「福祉」改訂のピンポイント解説 /細江 容子
○ピンポイント[1] 制度改正による科目構成の改訂とその意味/ ○ピンポイント[2] 「社会福祉基礎」と「社会福祉制度」を整理統合/ ○ピンポイント[3] 「生活支援技術」の新設/ ○ピンポイント[4] 「介護過程」の新設/ ○ピンポイント[5] 「こころとからだの理解」の新設
§9 「理数」改訂のピンポイント解説 /萩原 季弘
○ピンポイント[1] 必修科目として課題研究を設置/ ○ピンポイント[2] 「数学」「理科」の各科目を再構成/ ○ピンポイント[3] 「数学」「理科」で指導すべき発展的内容を明示/ ○ピンポイント[4] 言語力の育成/ ○ピンポイント[5] 活用・探究の重視/ ○ピンポイント[6] 現代的なテーマへの対応
§10 「体育」改訂のピンポイント解説 /本村 清人
○ピンポイント[1] 体育科設定の具体的なねらい/ ○ピンポイント[2] 体つくり運動もダンスもすべて「スポーツ」に変わる/ ○ピンポイント[3] 科目の編成が大きく変わる/ ○ピンポイント[4] 「スポーツ概論」から「スポーツY」までの内容/ ○ピンポイント[5] 「第8 スポーツ総合演習」〈必履修〉の新設とその内容
§11 「音楽」改訂のピンポイント解説 /吉田 孝
○ピンポイント[1] 目標の改訂/ ○ピンポイント[2] 音楽理論―伝統音楽の理論を扱う/ ○ピンポイント[3] 音楽史―西洋音楽史から諸外国の音楽史へ/ ○ピンポイント[4] 演奏法から演奏研究へ/ ○ピンポイント[5] 声楽・器楽―いろいろな形態のアンサンブルへ/ ○ピンポイント[6] 作曲―作品を共有したり評価しあったりする/ ○ピンポイント[7] 鑑賞研究の新設/ ○ピンポイント[8] 内容の取扱い
§12 「美術」改訂のピンポイント解説 /遠藤 友麗
○ピンポイント[1] 美術の目標…「感性を磨く」/ ○ピンポイント[2] 各指導事項の改訂
§13 「英語」改訂のピンポイント解説 /影浦 攻
○ピンポイント[1] 外国語の課題及び改善の基本方針/ ○ピンポイント[2] 科目の構成及び内容/ ○ピンポイント[3] 英語科に関する科目の共通事項/ ○ピンポイント[4] 指導計画作成上の留意点
X章 「総合的な学習の時間」改訂のピンポイント解説
/安彦 忠彦
○ピンポイント[1] 総則からの独立と単位化による一層の強化/ ○ピンポイント[2] 各教科等との一体的な学習による目標実現/ ○ピンポイント[3] 2単位までの時数減という柔軟な取扱い/ ○ピンポイント[4] 特別活動の学校行事の一部代替も可能/ ○ピンポイント[5] 学校・学校段階間のねらい=目標の明確化
Y章 「特別活動」改訂のピンポイント解説
/山口 満
○ピンポイント[1] 目標の明確化/ ○ピンポイント[2] 人間関係形成力の育成の重視/ ○ピンポイント[3] ホームルーム活動の内容の改善点/ ○ピンポイント[4] 生徒会活動の内容の改善点/ ○ピンポイント[5] 学校行事の内容の改善/ ○ピンポイント[6] 体験活動を基盤にした言語活動の組織化
付章 T・U 改訂の概要とポイント
(文部科学省ホームページ発表資料)
T 学校教育法施行規則の一部を改正する省令案並びに高等学校学習指導要領案及び特別支援学校学習指導要領案等について(概要)
U 高等学校各教科等改訂案のポイント

はじめに

 本書は,去る3月9日に公示された改訂高等学校学習指導要領について,その改訂部分を中心に,ピンポイントで改訂の要点が分かるよう,要約的に解説して刊行するものである。

 高等学校学習指導要領は,平成20年1月に出された第4期中央教育審議会(以下,中教審と略称)の答申「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」を受けたものとして,幼稚園,小学校,中学校の改訂学習指導要領の公示からほぼ1年遅れて,特別支援学校の学習指導要領とともに,公示された。

 ここで一言断っておくが,学習指導要領を作成するのは文部科学省の責任であり,中教審ではない。実際,中教審委員は学習指導要領の作成に,直接にはまったく関係していない。中教審委員は,答申を出すまでが役目であり,それ以上のことはしない。この点は明確にしておかねばならない。

 ところで,高等学校学習指導要領の公示が,先の幼・小・中の学習指導要領の公示から1年も後になったことについて,特段の理由はない。そもそも高等学校の場合は,新学習指導要領の実施は平成25年度からであるため,それほど急ぐ必要がなかったのである。本年1月末からの1ヶ月間の,一般からの意見聴取(パブリック・コメント)でも,ほとんど大きな変更を加えられず,ほぼ原案通り確定した。

 ここに,中教審委員を中心に,高等学校や教育課程に関係する専門家の協力を得て,その解説を試みたが,学習指導要領作成者の解説ではないので,解釈の余地が大きく,必ずしもその意図に厳密に一致しているとは限らない。しかし,規制緩和の流れの中では,学校現場の裁量を可能な限り認める方向にあるので,趣旨を大きく逸れない範囲での解釈の幅は大きいと考えられる。「生きる力」を継承・発展させる方向での改訂であり,振り子の振幅を抑えて中庸に位置づけたことを認識し,本書を,子どもたちの「個性的自立」の促進のために,少しでも役立ててほしいと心から願っている。


  2009年3月   編者 /安彦 忠彦

著者紹介

安彦 忠彦(あびこ ただひこ)著書を検索»

早稲田大学教授

中央教育審議会委員・教育課程部会高校教育部会主査

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 巻末付章が大変充実している。
      2016/1/1060代大学職員

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