- 特集 子どもの「良さ・得意」を伸ばす!学習評価&通知表の作成術
- 提言1 子どもの「良さ・得意」を伸ばす学習評価とは
- これからの時代に求められる新しい学習評価の在り方とは
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- 特別支援の立場から考える授業改善と学習評価とは
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- 提言2 子どもの「良さ・得意」を伸ばす通知表作成術とは
- 特別支援学級/柔軟な目で児童生徒の変化をとらえよう
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- 特別支援学校/「磨いて」「広げて」社会自立を!〜通知表作成の観点から〜
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- よくわかる学習評価の用語セレクト15
- 学習評価/通知表/学習評価の機能/目標に準拠した評価/個人内評価/平成22年度の各教科の評価の観点/評価規準〈のりじゅん〉/評価基準〈もとじゅん〉/「関心・意欲・態度」/「思考・判断・表現」/「技能」/「知識・理解」/特別支援学校の学習評価/学習評価の「…
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- 実践 子どもの「良さ・得意」を伸ばす学習評価&通知表作成術
- 1 子どもの「良さ・得意」を伸ばす学習評価と授業改善―学習評価を通じて「より深い学び」を意図した授業改善事例―
- 中学校・特別支援学級/指導と評価の三角形がある授業づくり 集団での学びと個別支援について
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- 特別支援学校・中学部/授業者支援会議ですぐにできる授業改善 きらいな音読が大好きになった
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- 特別支援学校・高等部/働く意欲と意識を高めるための現場実習評価表を活用した作業宿泊学習
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- 2 子どもの「良さ・得意」を伸ばす通知表作成術―「保護者との信頼関係の構築」を意図した通知表の作成事例―
- 小学校・特別支援学級/一人一人に応じた通知票
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- 小学校・特別支援学級/評価の観点を保護者とともに作っていく通知表
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- 中学校・特別支援学級/子どもの学びの足跡がわかる通知表の作成を目指して
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- 特別支援学校・小学部/学校と保護者をつなぎ,子どもの『できる』を増やす
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- 特別支援学校・高等部/「か,き,は」の視点で作成する通知表 リンクした三つの支援ツールを生徒・保護者と共有し活用する
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- フォトライブ教室 (第6回)
- 趣味が合う仲間と一緒に学ぶ楽しさ!
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- インクルーシブ教育最前線 (第6回)
- 学習障害の疑いのある児童への合理的配慮の実践事例
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- トピックス (第60回)
- 高等学校における通級による指導の制度化
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- わたしと特別支援教育 (第6回)
- 特別支援教育への期待 「特別」ではない支援を!
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- 「巧み」な動きを経験する体ほぐし運動の支援
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- 〜10種目歩走〜
- 授業を面白くする手作りグッズ
- 知的障害のある子どもの言語指導に用いる手作り教材
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- 〜楽しく遊んで発話意欲を高めよう!〜
- バースデーケーキろうそく「ふぅ〜」の練習グッズ
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- 子ども生き生き・学習活動
- 【国語】カードで「ことわざ・四字熟語」学習
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- 【算数・数学】操作することが学習の基本!
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- 〜「転がす」,「積む」活動を大切にした高等部での実践〜
- 【造形】光の色彩・「ステンドグラス」が広がる
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- 〜素材の特性に着目する発展的な題材開発〜
- 【音楽】地域に開かれた学校づくり「地域発表会」
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- 〜合同音楽発表会開催〜
- 【運動】自分で考えて取り組んで体力UP
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- 〜12分間走,下肢の筋力づくり〜
- 【自立活動】途切れのない指導を目指して!
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- 〜「残す」・「つなぐ」を合言葉とした取り組み〜
- 不器用な子どもたちの身体の土台作り 全身の感覚と運動を育む (第18回)
- 人形ポーズ【身のこなし遊び】
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- 教室でできる〈プチ〉ビジョントレーニング (第12回)
- [今回のトレーニング]形や空間を捉える力を育てる―その2―
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- 苦手さのある子も包み込むコミュニケーショントレーニング (第6回)
- 【獲得できる力】度郷力・プレゼン力
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- 〜プレゼンテーションで自分の意見を伝える〜
- Q&A悩み解決!知っておきたい指導のイロハ (第12回)
- 学ぶための土(身体)づくり
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- 〜平衡感覚を育てる大切さ〜
- 学級づくりのツボ☆教室環境・教室掲示のコツ (第6回)
- 【2・3月】年度末は,掲示をしながらラクラク整頓/子どもの作品は何でも掲示
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- ライブ講義で考える (第24回)
- (4)「特別支援教育あるある」の検証
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- 〜【検証6】合理的配慮が「甘え」や「易きに流れる」的にとらえられている現実〜
- 巡回相談Q&A (第24回)
- 校内資源を生かした手立ての共有と年度末の引き継ぎ
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- 授業をみがく!学習指導案づくり (第24回)
- 「生徒主体」の活動を目指した生活単元学習
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- 〜「文化祭でお店を開こう」の実践を通して〜
- コピーしてすぐに使える!らくらく書字ワーク (第6回)
- 漢字を書こう
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- 動作法の視点で見る!障害のある子が抱える困難への支援 (第18回)
- 母子分離に不安を示す子どもと母親への支援
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- 編集後記
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編集後記
学習評価の規準や方法は,必ずしも学校全体で共通理解されていないのが現状です。学習評価は,子ども一人一人の良さや可能性に着目し,その一層の開花を促すものです。教師は評価を機に,子どもを更に伸ばし,変容させる方策を考えます。評価なしに一方的に教えるだけでは,教師としての役割を十分に果たすことにはならないからです。平成22年3月に中央教育審議会が出した「児童生徒の学習評価の在り方について」の報告には,学習評価の役割に関する重要な指摘がありました。この中で,学習指導要領は「指導」の面から,学習評価は「結果」の面から,教育水準の維持向上を保障するものであると述べています。つまり,学習評価は,「評定をつけて終わり」というのではなく,もし「不十分」と評価された項目があれば,再び指導する際に評価を生かしていくことを求めています。
「指導と評価の一体化」と言われますが,教育水準の維持向上のためには「目標と指導と評価の一体化」が大事だと考えます。明確な目標に沿って指導と評価を行うからこそ,つまずいている子どもを指導できます。学習評価のもう一つの意味は,子ども一人一人の良さや可能性を見い出すことにあります。教師は,子どもの発想や着眼点などを肯定的に受け止めて,個性を発見し,その伸長を促すような評価を心掛けなければなりません。
あわせて,子ども一人一人の評価をどう保護者に発信し,信頼関係を築いていくのかという視点で通知表をとらえることも大切です。通知表の所見欄には,子どもの成長した面を中心に記載し,子どもの課題は,学校が今後どのような指導をするのかという角度から書くようにするなどの工夫が求められます。一方,教師によっては,ついつい評価を甘くつけてしまう傾向があるとの指摘もあります。しかし,子どもの力を伸ばすためにも,自信を持って評価しなければなりません。それは,自分が教師として,その子の成長を更に支援していくという意思表示でもあります。
今号では,これからの時代に求められる新しい学習評価の在り方と,特別支援の立場から授業改善と学習評価についてのご提言をいただくとともに,特別支援学級・特別支援学校それぞれの通知表の作成術をご紹介いただきました。セレクトした15の学習評価の用語について十分に理解したうえで実践を読み深め,年度末の通知表作成や学習評価に役立てていただければと思います。
/宮ア 英憲/横倉 久
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- 明治図書